CLEO
 ダブリンのセレクトショップ「クレオ」は、小さいながらも珠玉のアイリッシュクラフトが一杯に詰まった玉手箱のような店。
 二代目当主のキティ・ジョイスは、アイリッシュ・ファッションの生き字引的存在で、アランセーターの普及の歴史にも大きく関わった人物。野沢が自著を著すにあたっても大変世話になっています。
 アランセーターの魅力を将来に語り継ごうと、キティが手掛けるハンドニットが「エラボレート・アラン」と呼ばれる数々のセーター。当店ではこれを日本人の女性サイズに細部に至るまで修正してもらったものを扱っています。
FRAIZZOLI
(2009年秋より販売開始予定)
 フライッツォーリ。イタリアで企業や官庁などの制服を専門に作っている会社です。
GLOVERALL
 「グローバーオール」といえば、言わずと知れたダッフルコートの老舗。学生時代からお世話になっている人も多いことでしょう。ブームであろうとなかろうと、ダッフルは当店の永久定番です。野沢は2004年春にイングランド・ノーザンブトン州の本社工場を訪れ、交流を深めてきました。
 
JIMMY HOURIHAN
 「ジミー・ホリハン」(アイルランド・ダブリン)のケープも永年続いている当店の定番的ブランドです。
 誰でも真似して作れそうないたってシンプルな一枚布のケープですが、抜群のウェイトバランス、ボリューム感、素材使いのうまさ、など完成度の高さが他の追随を許しません。
 創業者のジミーとはもう二十年来の付き合いで、"Jimmy""Jack"の間柄です。
JOUTSEN
 ココのフィンランド語の会社名は以前は「オイ・スオメン・ホイヘン」、英語に直すと「Finish Feather Ltd」、つまり「フィンランド羽毛株式会社」という、まるで国策会社のような名前でした。創立は1936年というから、約70年の歴史を誇りますが、2005年に、ブランド名と同じ「ヨーツェン」に社名を変更しました。ちなみにJoutsenは、swan(白鳥)を意味します。

 当店が、ヨーツェンのダウンはすごい、とお薦めする理由は、以下の通り。(ちょっと長いですけど…)
(2005年1月に野沢はフィンランド・リーヒマーキにあるここの本社を訪問し、取材をしてきました。その訪問記はこちらからご覧下さい。)

【原料がスゴイ】
 その素材は、シベリア北方の北極圏内に生息するグース(がちょう)の胸の部分のうぶ毛状の羽毛。
 夏毛が抜け冬毛が生えそろった10-11月に捕獲される。肉はシベリアで食用に供されるので、羽毛だけがフィンランドに送られる。
 ちなみに、中国製に多く使われるダック(あひる)(こちらの肉はかの有名な北京ダックになるのです)との違いを尋ねたところ、「ダックは湿ると臭うが、グースはほとんど臭わない。そもそも、性能として、温帯にいるダックと北極圏のグース、どっちが寒さに強いか、自明のことでしょう。」と、余裕の答えをもらった。「ついでに言うと、ダウンの品質と色とはまったく無関係です。真っ白い方がいいダウンだというようなことが言われることがありますが、それは間違いです。」

【洗浄がスゴイ】
 シベリアから届いた原毛は、ヨーツェンの自社内で洗浄される。自分の会社で洗浄までできるところはまれなのだそうだ。
 ダウンにとって、洗浄という工程はとても大切で、洗浄がいい加減だと、虫の卵や微生物などが残り、後々品質の劣化を招いてしまう。ここでは、豊富でしかも清純な氷河の雪解け水を使い、3〜5回も、丁寧に洗浄され、一切の不純物を洗い落としたダストフリーのダウンマテリアルが完成する。
 環境配慮はフィンランドの常識であり、もちろん合成洗剤の類はまったく使われていない。 「うちの工場の周りを流れる水は、本当にピュアでそのままごくごく飲める。それに比べたら、中国の水は泥水みたいなもので…」
 昔から、清き水が豊富にあるところには、精密工業産業が成立した。信州諏訪しかり、スイスのレマン湖しかり…。フィンランドといえば、そう、ノキアがあるじゃないか。

【性能がスゴイ】
 ダウンの性能はフィルパワーという数値がある。(fillpowerは重量1オンスのダウンは何立方インチの体積が必要となるか、という単位)
 普及品だとせいぜい500フィルパワー、600-700なら優良、という。そして、ヨーツェンは常に700以上のフィルパワーを誇る。
 コレを分かりやすくパクッと言ってしまうと、74cm四方の箱(だいたい家庭用洗濯機の洗浄漕ぐらいの大きさ)にびっしりと詰め込んでようやく1kgの重量になるぐらいの軽さ、ということを意味する。
(なお、フィルパワーの測定法自体が数種あるらしい、と聞いている。近頃はフィルパワーの数値の高さだけで品質を誇示するものもあるように見受けられるので、どうしても表記するフィルパワーを大きく見せる傾向にならざるを得ない。ダウンのクオリティの優劣が単純にフィルパワーの数値だけで判断されるものではないということを申し添えておく。)
 羽毛は一般にフェザー(羽根毛)とダウン(わた毛)に分けられるが、ヨーツェンではほとんどフェザーを混ぜず、ほぼ100%ダウンを使用。ただ、風力を使って選別をするため、フェザーを完全に選り分けて取り除くことが技術的に不可能で、品質表示は95%DOWN、5%FEATHERと謙虚に表示している。

【メンテがスゴイ】
 どんなにいいモノも、手入れが面倒であったり、雨に弱かったりしては、使い勝手が悪くなってしまう。
 ヨーツェンのダウンを包み込むシェル(外布)は、スウェーデン製の「ハイテク・マイクロ」を始めとして、防水透湿のハイテクマイクロファイバー素材を使用、雨に強く、しかも体内の湿気は外に逃がす。もちろん耐裂性にも優れているので、中からダウンが飛び出してくることはない。そして、この素材は機能性の高さももちろんだが、一般のナイロンやポリエステルのようなツルツル感がなく、一見すると細番手のコットンのような高級感があるので、これがヨーツェンが一般的なスポーティなダウンウェアと一線を画する要素となっている。
 そして、豪雨に遭うことも想定しなければならないウェア類には、この素材にさらに、デュポンのテフロン加工(お鍋でお馴染みですね)を施し、耐水性を強固なものにしている。
 さらに、ヨーツェンのダウンは、洗濯機で洗うことができる。ダウン専用の洗剤も用意されていて、まさに至れり尽くせりなのだ。

【信頼がスゴイ】
 実はこの会社の製品群のなかで、衣料品が占める割合はそんなに多くない。
 一番多いのはフトン類で、日本橋の老舗百貨店・T島屋で、最高級羽毛布団として、長年にわたり取り扱われているが、ヨーツェンが最も心血を注いで作っているのが、寝袋である。
 雪山登山や砂漠の探検で使われる寝袋は、使う者にとっては、間違いがあってはならない重要な生命維持装置なのだから、100%の信頼がおける製品でなければならない。探検家たちから絶大な信頼を寄せられているヨーツェンの寝袋は、最大マイナス40℃の極寒状態にも耐えられるように設計されている。この寝袋の高い技術が、衣料品に充分に活用されていることはいうまでもない。

 いやぁ、語り出すと止まらなくなりそうなので、この辺で…

 私たちが、ヨーツェンは世界一のダウン、と自負する誇りの一端がお分かりいただけたことと思います。かつていくつかの日本の輸入卸会社がココの扱いを手掛けたようですが、「性能もスゴいが、値段もスゴい」ので、長続きしたところをあまり聞きません。確かに当店のように、直輸入直販でなければそうおいそれと扱える価格帯ではないことは確かです。
 私は、このヨーツェンを、かつて伝説のアウトドアショップとまでいわれた虎之門Pの、敬愛していたO氏(故人)から紹介されたのですが、この製品を扱えることに大きな喜びを感じ、改めて亡きO氏に感謝しています。  
SAGA IBAÑEZ
 スペインはサラゴサのレザーウェア「サガ・イバニェス」。ここを初めて見たのは2000年のことで、東京での大展示会のスペインブースでした。あちこちでいろんな革製品の展示会に出会い、いろんなサンプルを見ますけれど、革モノには「デザインがいいとクオリティが今ひとつ、反対にクオリティがいいとデザインが今ひとつ。」という不思議な法則があるみたいで、なかなかピンとくるものが見当たらない。その中で、デザインもクオリティもいいじゃない、しかもメンズもレディスも両方ある、と私たちのアンテナに引っかかったのがここの商品でありました。
 その後2年間、とても良いレザーウェアを供給してくれて、レザーが必ずしも得意とは言えない当店の安心できるレザーウェアとして大変お気に入りだったのですが、次の年、日本に売り込みに来なくなってしまい、どうしたのかな、と心配していたのでした。後で聞いたことなのですが、別に商売が悪かったわけではなくて、その反対で、自国スペインを始めとした欧州マーケットの活況でアジアにまで手を拡げられなかった、という事情だったようです。そのことがウソではないことは、2007年春に五年振りに彼らのコレクションを見たときに分かりました。いやぁ、うまいです、さすがです、で、めでたく取引復活となったのでした。
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