輸入生地卸の営業Yクンから電話が入りまして、
「野沢さん、倉庫の整理をしていたら、すごい生地が出てきました。
春物のテイラー&ロッヂなんですが、
どっかの大手が生地押さえをしたままでそのままずっと眠っていたものみたいなんです。
デッドストックですので、処分の値段でお分けできますよ」
ティラー&ロッヂと言えば、英国ハダースフィールドの名門ミル(機織り工場)。
私も9年前に工場見学に訪れたことがあり、
英国生地のスピリットにいたく感動したところです。
(詳しくは、【倶樂部余話】 No.217 伊愛英、出張報告です (2007.2.7)をご覧下さい)
ミルはないのに名前だけ残っている生地ブランドが多い中で、
ティラー&ロッヂは、ハダースフィールドの街なか、川沿いの古いミルがそのまま未だに稼働していて、一貫生産を残している貴重なミル・ブランド。
他の英国生地ブランドとはその重みが違います。
生地のブランドだけで判断するのは軽率と言われるかもしれませんが、
でも、ティラー&ロッヂ、であれば話は別、早速一着分、自分用に取り寄せました。
こりゃいいわ…
分類としては春物に属するのでしょうが、
9オンス(270g)梳毛ウール100%ですので、
真冬以外はほとんどの季節でいけます。
色なんですが、見れば見るほど、黒か紺かが判断が難しい。
かなり青味のある黒なので、いわばミッドナイトブラック、とでも言いましょうか。
パターンは、無地ではなくて、細かいストライプの織り柄です。
つまり、紺無地でもなく、黒の略礼服でもなく、
しかも長いシーズンに使える、という、
多くの人のタンス在庫にはない、イケる生地ではないかと思い、
5着分程度の生地を早速押さえました。
さて、価格です。
シングルスーツ上下の場合の価格で、
バジェットラインの仕立てで、65,000円~、
クオリティラインで、79,000円~、です。(ともに税別)。
おとなしい色柄ですので、
ダブルブレストやスリーピース、スペアパンツ付き、も、おススメです。
(私もどう作ろうか思案中です)
おいしい話です、是非。