秋冬の服地のトピックス。巴里発英国製の「ドーメル」です。

パリのドーメルは、スキャバル(本社ブリュッセル)と並んで、英国服地の老舗マーチャントとして以前からよく知られています。
古くからある街角の仕立屋さんのウィンドウには未だにドーメルの文字が看板ブランドして飾られていたりしてますから、ご年輩の方ですと、ちょっと懐かしい名前になるでしょう。

実は私も少し前まではドーメルはシニア向けのオールドファッションなブランドだとばかり思っていたのですが、昨年ぐらいからちらほらと業界内の仲間うちの間から(近頃ドーメルがいいらしいよ)という声が聞こえ始めたのです。
その噂は本当でして、日本の服地卸をエージェントにした従来のやり方を廃し、100%子会社の日本法人設立によるパリからの直販体制で、新しい展開を目論んでいたのでした。

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まずご紹介するのが、この新生ドーメルを代表する秋冬物服地「アマデウス」です。
イングランド中央部のファクトリーで織られるsuper100’sの服地で、約150柄あります。
驚いたのは「英国でもこんなに光沢感溢れる艶っぽい服地を織れるのか」ということ。服地に漂うこの色気は、「こりゃイタリアが誇るZニアやRロ・Pアーナにも負けてないよ」と感嘆です。スーツで\139,650を予定しています。

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もうひとつは「スポーテックス・ビンテージ」。
かつて英国紳士はゴルフをするにもスーツを着ていました。そういうスポーツ用スーツのため1922年にドーメルが考案した革命的な素材、それが「スボーテックス」(登録商標!)でした。
この生地のスーツは上下別々にも着ることができて、つまり今で言うセットアップスーツのルーツとも言えるのですが、実はこの厚さ(薄さ?)のジャケット生地というのが他では 意外に見あたらないのです。
秋冬らしいツイーディな素材感でありながら秋の早い時期から着られるジャケット、というご要望は以前から多く出ていましたので、このスボーテックスはそれに最適な素材としてお薦めしたいと思います。ジャケット\89,250~です。