帰国しました。そして偶然にも……

一月海外出張のその一、フィレンツェより、土曜日朝に帰国しました。
何してきたの、を簡単に羅列しますと、

★メンズの展示会「ピッティ・イマジネ・ウォモ」の視察…
…この様子はきっと各メンズファッション誌が詳細にレポートするでしょうから、
あえて私がココで速報する必要はないと思われます。

★ピッティ宮殿「アオスタ夫人の間」で開催の
「ザ・ロンドン・カット/セヴィル・ロウ・ビスポーク・テイラーリング」という展覧会…
この初日のオープニング・レセプションに出席していた日本人は、私を含めてわずか二人。
ということでその様子を日本語でレポートできるのは今のところ世界で私一人です。
早めにまとめてこのweb上にてお伝えいたしますのでどうぞお待ち下さい。

★フィレンツェ名物のステーキ「ビスティカ」を、
一晩はネクタイのドレイク氏一行と、もう一晩はセーターのウィリアム・ロッキーの一行と、
しっかりと食してきました。

★そして、帰国の乗り継ぎでフランクフルト空港の売店で4.5ユーロも出して買った日本経済新聞・国際版、
機内で拡げると、何と自分の名前が目に飛び込んできたのです。
金曜夕刊で長いこと続いている連載コラム、中野香織さんの「モードの方程式」で、
アランセーターの話に、私の著書が紹介されているではありませんか!

記事の内容は、別頁を作りましたので、クリックして読んで下さい。

中野香織さんとはまだお会いしたことはないのですが、
私は、彼女は女性でありながら、すでに日本での紳士服飾史研究の第一人者だと思っていますし、
また、必ず確証をベースにして、しかもとても平易に書くその文章は、
メンズ・ファッションにはこういう楽しみがあるのだ、ということを
広く伝えてくれていて、
私自身が彼女の著作はほとんど読了しているファンでしたので、
彼女が私のアランセーターの本を読んでくれていて、
それだけでなく、その内容にも高い評価をしてくれていたことを知り、
飛行機の席で思わずバンザイしたい気持ちになったのです。
(客室乗務員さんに、思わず「新聞のココに書いてあるこの人ね、実は僕なんですよ!」
と、言いたい衝動に駆られました。)

という、とんでもない嬉しいオマケが最後に付いた、3泊5日のフィレンツェ行でした。

(付記)
この記事は、その後「愛されるモード」(中野香織/中央公論新社・2009年)に収録され、169頁に掲載されています。
また、2017年7月に英国大使館にて中野香織さんとお会いできる機会があり、このときのお礼を申し上げることができました。