5月です。GWでも火曜定休は変わりません。(論文付きです)

毎年やって来るゴールデンウィーク。
旗日(はたび)が続くからって、週末ほどには忙しいわけではなく、
といってどの日が混み合うかの、事前に予想も付かず、
でもどこかで休まないと身体が持たない、と、
毎年悩むのですが、
今年は、あれこれ悩んでもしょうがない、火曜定休の原則を貫こう、ということにしました。

従って、5月3日は、憲法記念日の旗日ですが、火曜日ですので、休みます。

と、まあ、そのお知らせだけでは何ですので、
6年前に私がメンバーズ向けだけに書いた
暴論「ゴールデンウィークなんか大嫌い!」を
ここに転載します。

お暇な方はご笑覧下さい。

「ゴールデンウィークなんか大嫌い!」(倶樂部裏話[9] 2005.5.11)

 最長で10連休と、長かったゴールデンウィーク(以下GW)がようやく終わりました。
 実は、私、このGWが嫌いです。

 年間の三大長期連休として、他にお盆休みと正月休みがありますが、これらは古来から日本人の習慣として定着しているもの、休みを取るしかるべき必要のあるものです。(もっとも正月休みの方は近頃では元旦営業などするところも増えていて、私はみんなもっと正月らしい過ごし方をした方がいいんじゃないかとも感じていますが。) それらに対して、GWというのは、ほんとに休まなければいけない必然性があるんだろうか、と疑問に思ってしまう連休なのです。

 もともとGWという呼び方は映画興行の業界用語で、未だにNHKはGWと言わずに「大型連休」(以前は「飛び石連休」)と称しているらしいのですが、さて、このGWは一体どのように形成されていったのでしょうか。

 もともと1927年(昭和2年)からあったのが天皇誕生日(天長節、現・みどりの日)です。そこに1948年、憲法記念日とこどもの日が加わります。憲法の公布は前年の11月3日(明治節=明治天皇誕生日、現・文化の日)ですから当初日本政府はこの日を憲法記念日にするつもりでしたが、それでは軍国主義の復活につながりかねないとの米国の猛反対にあい、わざわざ半年後の施行日を記念日としたのですね。また、同じ年には端午の節句が子どもの日という祝日になり、前年に復活したメーデー(5月1日、労働者団結の日)、期間中の日曜日とからめて、飛び石連休となっていったのです。しかし、この頃にはまだ何日も続けて連休を取って海外旅行へ行ったりする人はほとんどいなかったように記憶してます。

 その後、1973年(昭和48年)に振替休日(祝日と日曜のダブリ解消)の制度ができ、また1980年代後半から週休二日制が定着、そして1985年(昭和60年)には5月4日が国民の休日という何の意義も持たない休日になるにいたり、いよいよここにGWの完成を見ることになります。

 この過程には、明らかに政府の「休みを増やそう」という姿勢が見て取れます。でも、私は、もうすでにその姿勢が時代遅れではないかと思うのです。

 世界を相手に仕事をしている人は、この時期日本の経済だけが停滞してしまうことに憤っています。
リストラのしわ寄せを受けてただでさえ仕事が増え週5日でギリギリいっぱいの業務をこなしている人は、祝日で勤務日が減ることを喜べません。
月末月初がべったりと休みになることはお金を回転させる必要からは迷惑な話です。
生活のために平日スーパーのパートに出ている主婦は、この時期夫や子どもを家に残して出掛けなければなりません。
4月からの新入生や新入社員が五月病になるのも、未だ掴みかねている生活のリズムが再びGWで狂わされることが一因でしょう。
我が静岡県のようなお茶処では、八十八夜に当たることから、昔から休むどころではありません。
私たちはと言えば、オーダーの仕上がりは遅れる、在庫の取り寄せは出来なくなる、と、お客さまに迷惑を掛けることばかりで、メリットを感じることは少ないのです。

 零細小売店のぼやきと思われるでしょうか。しかし、サービス業や小売業など第三次産業に従事する人口は増加していますし、インターネットの普及などで曜日や時間にとらわれずに仕事をする人も増えています。
毎年の「GWはどう過ごしますか?」のアンケート調査に堂々の一位は「特に何も予定はない」で、その割合は年々増えています。また、特別料金が当たり前だった海外旅行やリゾート地の宿泊料金も以前ほど割高には設定できなくなっていると聞いています。
成田空港のラッシュも高速道路の渋滞も昔に比べたらそれほどのニュースにならなくなりました。つまり、もう日本人はわざわざGWに無理に出掛けなくてもよくなったのですね。
なのに「みんな一斉に休みましょう」はもう無意味でしょ、と感じるのです。

 にもかかわらず、まだ政府はハッピーマンデー(2000年より実施)やサマータイム導入検討など、余暇を増やすことに躍起です。それが国民生活を豊かにすることだと信じて疑わないようです。迷惑する人もいるということは眼中にないのでしょう。

 ただ、GWがなくなると困る人ももちろんいるでしょう。博多どんたく、弘前の桜祭り、浜松まつり、なんかは動員客が減ってしまうでしょうし。
そこで、大胆な提言。今の祝祭日をなくして、4月の最終月曜日と5月の第一金曜日を休日にするのです。3日休んで3日働いてまた3日休む、というようになるわけです。これなら忙しい月末月初は仕事が出来ますし、長期連休にしたい人はあいだの3日間に有休を取れば9連休が実現します。どうでしょうかね。

 差し当たって、既に祝日を無視した独自の勤務スケジュール(いわゆる「トヨタカレンダー」)を規定しているトヨタ自動車あたりが、GWにも勤務するようなカレンダーを実施してくれたりすると、世の中に風穴が開くんじゃないか、と期待しているのですが。

 ということで、今回の暴論、GWなんか大嫌い!、でした。(弥)