スコットランドポーター地方のホーウィックはセーターの町。
いくつものファクトリーやブランドが混在していますが、
その中のひとつがホーウィック・ニットウェアです。
会社自身は比較的新しいのですが、そのファクトリーの歴史は古く、1874年にまで遡ります。
140年前、明治維新の頃です。
旧態依然とした企業姿勢から衰退していくファクトリーが多い中、
ココはなかなかに小回りが利く鋭い対応をしてくれて、
昨年の取引開始以来、当初の期待以上の成果を挙げています。
久しぶりにラムズウールやメリノウールの無地セーターの一群が店に並びました。
まずはメンズから。
☆メリノウール・Vネック長袖プルオーバー20,520円(税込)
深すぎず浅すぎずのVネックで、腕周りは細身です。
クリアトーンのHeliotrope(ムラサキ系),Diesel(軽油に着色される青色),Peacock(クジャクのアオ),
メランジトーンのMahler(ロイヤルブルー系),Tabacco(茶系),Rouge(赤系)
何で大作曲家マーラーがこういう青い色になるのかは全く分かりません。
故郷ボヘミアの空の色なのか、どなたか思い当たる節のある方、教えて欲しいです。
☆メリノウール・Vネック・かぶりベスト 19,440円(税込)
欠品が発生し、2色だけの入荷。
DieselとPeacock。
余談。dieselは、英国ではよくpetrol(ガソリンなどの車の燃料)とも言われる色です。
ちなみにガソリンスタンドはpetrol stationです。
で、間違わないように、ガソリンはオレンジ色に、軽油は青色に着色されています。
欧州ではディーゼルエンジンが主力なので色名Petrolでいいのでしょうが、
正確にはココみたいにDieselという色名で呼ぶべきでしょうね。
☆ラムズウール・前開きベスト 24,840円(税込)
5つボタンのラムベスト。スコットランドらしい微妙に色を混ぜ込んだ落ち着きのある色合いです。
同じ色のボタンを用意するだけでも大変だろう、と思います。
Dove Grey(鳩のグレー)、Rhapsody(狂詩曲)、Landscape(草地の風景)、Driftwood(流木)、Ember(炭火の炎)。
またしても、クラシック音楽から謎の色名、ラプソディ。何故に青い色なのか。
ん、ラプソディ・イン・ブルー?ジョージ・ガージュインか。アメリカンだな。
☆ラムズウール・Vカーディガン(ポケット付き) 27,000円(税込)
これも色欠けがあり、3色のみ。
Rhapsody、Magma(マグマの赤)、Ember。
火山噴火の炎の色と炭火の炎の色は違うんだね。
そもそも英国には活火山はないはずなんだけど。
☆ラムズウール・ワッフル編み・丸首プルオーバー 25,920円(税込)
二つの色をワッフル状に編み上げています。
レガッタブルー(紺)のベースとパールグレーのベース。
細かいところですが、見てほしいのは袖の付け方。
身頃も袖も接続部分を90度に合わせるためにちゃんと編み地を
軌道修正してからくっ付けています。
これ、フルファッションド(FF)といわれる編み機ならではの真骨頂
FFニットのメッカ、ホーウィックの気概が感じ取れます。
続いて、レディス。
ですが、長くなったので、別項に改めます。