クッシェンデール Cushendale Woollen Mills (Ireland)

場所は、キルケニー県グレイグナマナという美しい田舎町。
ニコラス・モスのあるベネッツブリッジとは山ひとつ隔てたところ。
800年前に修道院として作られた建物。裏手に小川の流れる坂道に沿って建てられたその古い建物が、クッシェンデール・ウールン・ミルズCushendale Woollen Mills。
名ばかりのwoollen mills(毛織工房)も多い中、ここは今でもバリバリの現役ミルであります。

ここの入り口には刈り取った羊の原毛が運び込まれ、
それがこの工房の中を通っていくと、出口からは、美しい色合いのラグやストールが出てくるという、こんなに小さな規模ですべての作業を内部で一貫して行える、今どき世にも珍しい、魔法の箱のようなところなのです。

最大の特徴は、ピュアなアイリッシュウールを
原毛(フリース)から製品に至るまで、
すべて自前の工房1か所で自己完結させているところ。

ここを訪れたのはもう20年以上も前になります。
この坂の上の入口にフリースが入れられます。

ここから坂道の下りを利用しつつ、
洗浄、染色、梳き、製糸、織り、裁断、整理、などのすべての工程を経て、
坂道の下の出口から世界に向けて発送されます。

初めて内部を案内された時、未だにこんなところがあるのか、と驚いたものでした。そのほとんどを6代目のフィリップ・クッシェンとその家族数人でこなします。余談ですが、この一家は数年前に静岡に来てくれて、おでんをたくさん食べて帰りました。私の一番大好きなアイリッシュ親父です。

原毛から製品までを自己完結、がウリ、のpop。

もう一つ触れておきたいのは、フィリップの天才的色彩感覚です。
ユニークな色合いを自分自身で染色していますから、
糸の引き合いもあって、
例えばモネのスカーフのリズ・クリスティも、ここから糸を買ったりしています。

近年はフィリップの愛娘ミリアムが7代目としてサポート。デザインとともにマーケティング、ブランディングを学んだミリアムは、頼もしい後継者として、この古い船を動かす新しい水夫となってくれることでしょう。

6代目と7代目の打ち合わせ風景です。2022年訪問時に撮影。

クッシェンデール・ウールンミルズCushendale Woollen Mills 公式サイト

商品の紹介記事
入荷速報。アイルランドのクッシェンデールCushendale Woollen Millsからトラベル・ラグ(ゴツい毛布)。原毛から製品までを一貫して製造する、800年前の修道院を活用した自己完結型の小さな工房です。
入荷速報。アイルランドの田舎町から届く、クッシェンデールのストール類。まずラムズウールのワン・サード編。
入荷速報。アイルランドの田舎町から届く、クッシェンデールのストール類。次はアイリッシュウール。フォー・ナインズって言っても眼鏡じゃありません。

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