倶樂部余話【八十五】徒歩通勤をしています(一九九六年七月二一日)


暑中お見舞い申し上げます。

往復6㎞の徒歩通勤を始めて一ヶ月、最初はマンホールのフタばかり気にしていましたが、このごろようやく視線が上を向いてきて、様々な季節の微妙な変化にも目が付いていくようになりました。同時に、草花への知識のあまりの乏しさを恥じ、また草木を愛でる習慣のなかったことを悔いている毎日です。なんでも今最も人気の英国ツアーはガーデン巡りだそうで、私も向学のために今度の休みに蓼科の英国式庭園へ行ってみることにしました。

と、夏真っ盛りのこの頃ですが、店内は今月からいよいよ冬に向かって始動しました。正直今は何を置いても売れない時期。ならば鮮度の落ちた夏物を無理に引っ張るより、期待の大きい冬物をいち早くご紹介した方が喜んでいただけるだろうとの判断です。

セールも一段落。入店客も減って、人恋しくなっています。冷たい麦茶飲み放題、どうか涼みにご来店下さい。

 

※日経流通新聞1996年7月4日付「元気な商店主」で私が写真付きで紹介されました