倶樂部余話【一二八】私、四二歳です(二〇〇〇年一月九日)


あけましておめでとうございます。大騒ぎしていたY2K問題が大事にならず、ちょっと肩透かしの気分でいる私はやっぱりひねくれ者でしょうか。

当店の名簿には毎月二十~四十名の新しいメンバーズが加わっています。このところ顕著に目立つのが、五〇代の方と二〇代後半の方の増加で、ちょうど団塊世代と団塊ジュニアに当たります。二〇代後半の方はいわば自然増と考えられますが、注目しているのは社会増とも言うべき五〇代の皆様です。

毎日様々な世代の方々とお相手していて感じるのは、もはや五〇歳に見える五〇歳、六〇歳に見える六〇歳、七〇歳に見える七〇歳、という人はいらっしゃらない、という事実です。ここのところを多くの人が分かっていないように思います。「長持ちするいい物しか欲しくない」と彼らは一様に口にします。

何も今後シニア向けのショップを目指そうというつもりはありませんが、これら年長の世代の目から見てもちゃんと評価していただける商品、サービス、店づくりを目指していきたいと考えます。そうすれば、若者も自然についてくるはず。団塊親子のどちらにも違和感なく対応でき、子は親に服装を学ぶ、そんな理想が垣間見えてきてます。

ところで、暮れの紅白を視ていた一〇歳の長女がポツリと「ねえ、南こうせつサンってお父さんより若いよね?」ガーン、何を言うか!」ムッとして「テレビのこのオジさんはもう五〇歳だよ!」

今年もどうぞごひいきに。よろしくご愛顧下さい。

 

※地下街の「ニューヨーカー」(旧KENT店)を閉めた。