倶樂部余話【一六六】ファッション誌の読み方(二〇〇二年一一月一日)


自慢にはなりませんが、私は、いわゆるファッション雑誌をほとんど立ち読み程度にしか読みません。

決して「読まなくても分かってるから」などとという不遜な理由ではなく、たとえ雑誌から新しいモノを知っても、それからではもう動くには遅すぎるからで、読むほどに、果たして自分の仕掛けは正しかったか、と不安が増すだけなのです。

ただ、自店扱い商品の掲載だけは知っておかないといけませんので、「今月の○○に△△が載ってるょ」という情報はぜひお寄せ下さいますようお願いします。

さて、雑誌は確かに有益な情報源ですが、留意してほしい点が幾つかあります。

★人は文字になったものを信じがちですが、雑誌の記事はお店の人の話を元に書かれているのです。中には、話も聞かずに渡された資料だけで記事を書く、いい加減なライターもいるほど。だから、雑誌記事は店員の話よりも正しい、などと信じ込まないでほ欲しいのです。

★テレビにある再放送が、雑誌では許されません。ひたすらに新しいものを載せ続けるというのが雑誌の宿命です。載せたモノが売れることよりも、雑誌自体が売れることの方が出版社にとって大切なのは当然です。

★提灯記事にご用心。雑誌の最大の収入源は広告。4ページ続けて一ブランドだけ、などという特集、あれは記事に見せかけた広告です。鵜呑みにせず、眉に唾だと思って読んで下さい。

★一冊の雑誌は、実は一匹狼のフリーライターたちの寄合所帯。中でも、連載企画は信頼のおけるライターに任されます。だから、連載物は比較的信頼度が高い、と見ていいようです。

以上、少しは今後に役立ちますでしょうか。