倶樂部余話【一八五】年齢層(二〇〇四年五月六日)


お客様の平均年齢が上がっています。

一般的には専門店のこういう現象は好ましからざる傾向です。若い新規客が取り込めずに客が固定化し過ぎると、店は客と一緒に老化していき、これは衰退の兆しと捉えられているからです。

しかし、当店の場合はそうではありません。実は、30代後半から50代前半の新しいお客様が増えているからで、大変ありがたいことだと感じています。

いわゆる団塊世代が、子育てから開放され、自己の消費を回復させていることが知られるようになっていますが、当店で増えているのはその下の世代で、まだまだそんなに余裕の生まれてこない年代です。私自身も二人の娘に日々財布を吸い取られる有様。にもかかわらず、当店でのご用命が増えているということは、「質と価格のバランス」にもっともシビアな世代の選択眼に適うことができているものと自賛してます。

もうひとつ、昔と違うなと感じるのは、この年長者の増加に20代後半の若年層が拒絶反応を示さず、むしろ好感を寄せているように思えることです。

かくして、今後の当店の課題は「サイズ」。様々なサイズをどこまで拡げられるか、苦悩は絶えません。