倶樂部裏話[8]古田クンと堀江クンそして黒田クン(2004.11.15)


 今回書くのは、ヤクルトの古田選手会長とライブドアの堀江社長の話。この二人について私が述べる、とすれば、メンバーズの方なら、ははーん、と感じることでしょう。ハイそのとおり、お題は「スーツの持つパワー」です。

 それにしても、古田クンのスーツ姿は完璧と言っていいほどでした。私も何人かの採寸で経験がありますが、スポーツ選手の上着のサイズ合わせというのは大変難しいものなのです。だから大体は大きなモノを着てごまかしてしまう(他球団の選手会長たちのように…)のですが、彼のスーツはピッタリと身体に合ってました。そのシルエットや色柄も、今の流れを踏まえつつも、行き過ぎないもので、やや高めのコージライン、ラペルの大きさ、パンツの裾幅や丈、すべて合格です。うまいのはVゾーンです。タイはちゃんとディンプルを入れカタチ良く結ばれていますし、シャツのサイズもきつすぎず余りすぎずで、衿の大きさのバランスもスーツと調和がとれていました。まさにみんなのお手本にしてもらいたいようなウェルドレッサー(装い上手)だと感じました。
 始めは、誰か専属のスタイリストが付いているのかなぁ、とも思いましたが、どうもそうではないようで、その後の彼のコメントを聞くと、やはり、彼はスーツを着るのが大変好きな人みたいです。(スーツが好きということでは、NHKの野村正育アナもそうらしく、彼もまたウェルドレッサーと言えるでしょう。)ホント、好きこそモノの上手なれ、なんでしょうね。
 彼のスーツ姿がどういう効果をもたらしたか、それはご存じの通り。スーツをしっかりと味方につけましたね。

 対して、堀江クン。もう、言わずもがな、でしょうが、スーツを完全に敵に回してしまいました。私は密かに(きっと彼は最後の最後のキモの場面でピシッとスーツで登場するんじゃないか。その演出効果を狙ってるのかもしれない。)と期待してましたが、それは思い過ごしだったようです。相手に回った楽天の三木谷社長のスーツ姿が、評するまでもないような極めて無頓着なものだっただけに、もし堀江クンがあの場面で突然変身してスーツを着てたとしたら彼らの評価はまた違っていたかもしれない、と思うのです。
 公の場でタイを締めないということでは、ユニクロの柳井会長もかつてはその一人でしたが、近頃は違いますね。自分の店でビジネスウェアも扱い始めたという事情ももちろんあるのでしょうが、むしろ、以前はアウトサイダーだったユニクロが今や社会的責任を持たねばならない本流企業に成長したということの余裕の現れのように感じます。もう反体制をアピールする必要がなくなったんでしょう。

 スーツにはパワーがあるのです。そのパワーを最大限に引き出した古田クンと、最後まで拒み続けた堀江クン。ホントに対照的でした。

 ところで、昨日(2004年11月14日)、サーヤのお婿さんとしてすっぱ抜かれた黒田クン。日曜日の自宅マンションの玄関先、というのに、ちゃんとスーツ(それもごくごくフツーの…)に着替えて登場してましたね。あれが、トレーナーにジャージ姿だったら……、きっと世間が許さなかったでしょうね。(弥)