【倶樂部余話】 No.324  ラグビーW杯イングランド大会(2015.10.1)


 発祥の地で開催されるラグビーW杯。その開会式では、1823年にラグビー校のエリス少年がボールを持ったまま突然走り出す伝説のシーンが再現されていました。
 サッカーやラグビーになると英国(UK)は四つの国(nation)に分かれます。イングランド<E>、スコットランド<S>、ウェールズ<W>、そしてアイルランド<I>(ラグビーは南北合同チーム)。
 アングロサクソン(AS)の<E>がケルトの<W><I><S>を支配していくという歴史なのですが、その支配の時期や形態はそれぞれに異なります。5世紀にドイツから渡ってきて<E>に住みついたAS人は13世紀にまず<W>を「征服」。次に17世紀に<I>を「植民地」に。そして18世紀に<S>を「併合」し、グレードブリテン(GB)王国を作ります。ざっと80字で語ってしまいましたが、この長い長い支配する、されるの歴史がこの4つの国相互の国民感情をいかに複雑にしているかは想像できることでしょう。<W><I><S>の3国は、<E>憎しの一点では結託しますが、互いにどこが一番すぐれているかでは譲ることがありません。
 この4つ(に仏と伊を加えた6か国)は総当たりの対抗戦を毎年冬に実施していて、私もダブリンで何度かその時期に出くわしたことがありますが、そのたびに街のあらゆるパブは大騒ぎになります。
 W杯の一次リーグでは早くも開催国<E>と<W>が激突、<W>が劇的な逆転勝利を果たしました。ウイリアム王子夫妻は<W>を応援してましたね。果たしてこの4つ、一番上位に座すのはどこなんでしょうか。
 開店10周年のときに作ったオリジナルの4か国ラガーシャツ(白、紺、赤、緑、の4色で構成)を引っ張り出して応援します。個人的には私<I>びいきですが。(弥)

Yowa324

註:ハガキ通信という限られたスペースでの書き物ですので、なるべく字数を減らすために略語を多用せざるを得ませんでした。ご了承下さい。