倶樂部余話【384】 なのにあなたは四国へ行くの(2020年10月1日)


昨夏石垣島竹富島を訪れ、全都道府県制覇まであとふたつ、なんとかこの夏のうちにと機会をうかがっていました。当初は夜行バスで貧乏旅行のつもりが、コロナで高速バスが次々と運休になって、こりゃダメかな、と、一度は諦めかけたのですが、例のgo to トラベルで飛行機と宿が信じられないほどの価格で手配でき、ようやくこの9月、三泊三日の旅に出ました。

高知に行くならどうしても行ってみたかったのがモネの庭で、その出来栄えは想像以上でした。商談にかこつけてスタッフの方からは普段聞けない苦労話も伺えて、「フランスの本家にも行ったことのある方々が皆さんことごとく『本家よりも本物らしい』と仰ってくれます」との言葉に静かな自信を感じました。商談も前向きに進み、スカーフの供給でこの素晴らしい施設に協力できそうで嬉しく思います。

その後は、四つの重伝建(重要伝統的建造物群保存地区)と四つのお城をレンタサイクルで駆け回りました。簡単に印象を。

高知県安芸市・土居廓中、手入れされた笹垣が美しい。愛媛県西予市・卯之町の町並み、109mの雑巾がけ体験。愛媛県内子町・八日市護国、観光地化と生活感とのバランスがとても良い。香川県丸亀市塩飽本島・笠島集落、ここまで無人で静止感あるところは初めて。
重伝建、現在全国に120あるらしいのですが、若い頃はそういう制度があることも知らず、意識し始めたのが数年前だったこともあり、まだ40ヶ所ぐらいしか訪ねてません。四国には8ヶ所あり今回その半分を踏破したことになります。交通の便の悪いところが多いので、全てを見て廻るのは一生かかってもどうか、というところでしょう。

対して、お城というのは、今はほとんどが公園化されているので、天守登楼さえ望まなければ、早朝でも夕方でも見ることができます。我が国に残る現存天守はわずか16城。そのうち4つが四国にあるのです。
宇和島城、海に面していたことを想像するとすごい。高知城、屋根がとても複雑。松山城、瀬戸内に沈む夕陽を殿様気分で。丸亀城、そそり立つ石垣が立派で風雨災害で崩れて歪んだところもこれまた立派。
現存天守16城のうち四国の4城を一気制覇したので、残るはあと2つに迫りました。これは来年中には達成したいものです。

3日間でこれだけ回れたのもJR四国の夏限定破格の乗り放題キップがあったため。8,500円は驚きです。

かくして、46番目の高知県、47番目の愛媛県をもちまして、日本全国47都道府県踏破、62歳9ヶ月にてめでたく達成いたしました。バンザイ。(弥)