倶樂部余話【338】ショップのショールーミング化が進化する(2016年12月1日)


国内50近くのアパレルなどのファクトリーを一つのブランドで串刺しし、高品質な定番アイテムの集積をネット販売する、というのが、ファクトリエです。4年ほど前の立ち上げ時から、目の付け所はなかなかいいぞ、と感じていました。しかも商品をチョイスするストライクゾーンが私の選択眼と割と近いので、こういうモノが自分でも仕入れられたら面白いんだろうけどまあ難しいだろうし、もしかしたらこういったところが将来のライバルになってくるのかもしれないなぁ、と漠然と思っていたのでした。

そんな矢先、10月のとある日、そのファクトリエからコンタクトが。「いま各県ごとにフィッティングサンプルを置いて対応するエリアパートナー店を募っているのですが御店で静岡県を担当しませんか」という誘い。あれれ、ライバルからパートナーに大転換です。面白いじゃないか、と急いで先方へ伺ってほとんどの商品をチェックした上で、この話に乗ってみることにしました。

単に新規ブランドを導入するのと大きく違う点が二つ。まず、自分が仕込んだのではないものを売るということ。ただこれは先述のように選択眼が近いので意外に抵抗がないのです。もう一つは、店にあるのはサンプルで、実際の売買は店頭のiPadでネット決済して後日配送する、という形態をとるということ。店ではモノを見るだけで買うのはネット、という「ショップのショールーミング化」が近頃顕在化してきていますが、それを逆手に取るというか、積極的に肯定します。いわば究極のお取り寄せ形態であって、今は珍しくても、将来は当たり前になる時代が来るんじゃないかと感じています。

シーズン途中からのスタートなので、品揃えがまだまだ不完全ですが、そろそろと12月から、新しいこと、始めます。(弥)

ファクトリエ–世界に誇るMade in Japan