倶樂部余話【337】ハロウィンにあたって(2016年10月31日)


ハロウィン。元来は古代ケルトの風習で、死者の霊を呼び覚ます、いわば「お盆」のような祝祭です。

さて、日本人の八割は子供なんだそうです。両親ともに見送った私は二割の少数派の方に属しますが、間もなくもっと少数派になりそうな事態を迎えることになります。同じ酉年で二回り違いの母は24年前からずっと58歳のままなのですが、もうすぐ私はそれを上回るのです。親の歳を超える。ここから先の道にはもう母の轍(わだち)はないのだなぁ、と思うと、ちょっとさみしいような怖いような、妙に不思議な気持になります。

自分の母親はこんな歳で逝ったのか、さぞや悔しかったろうなぁ、なんて思っていたら、ショックなことが起きました。ある人からレジェンドと呼ばれたのです。えっ、レジェンドって、普通ならとっくに引退してもいい歳なのに第一線で現役を張り続けている人、って意味だと思うんですけどね。敬称の様なので多分褒められたんでしょうけれど、スポーツ選手ならいざ知らず、50代でレジェンドってそりゃないだろう、と思いませんか。ミュージシャンや俳優にはバリバリの80代だってたくさんいるじゃないですか。確かに私だって販売担当者としては上から数えたほうが早くはなりましたけど、まだまだ…。ええぃ、父の歳を超えるまであと23年、そうなったら晴れてレジェンドと堂々呼ばれてあげましょうとも。(弥)