昨年同様。10月の、スーツを作ろう!!~葛利毛織のロングセラー生地、S120’sカシミアタッチ・フランネルの5色を特集します。10月限りの15%offです。

昨年同様なので、記事を流用修正します。

この5色です。

ネイビー、チャコール杢、ミッドグレー杢、ライトグレー杢、ブラウン杢。

当店でも長年売り続けているロングセラーです。見かけよりも軽くて着心地のいいフラノですが、
こういう説明がついてます。
super120″s糸を太い梳毛糸に撚り紡ぎ、ションヘル織機で低速で丁寧に織り上げて、更にゆっくりと縮ませることで、まるでカシミアのような肌触りの美しいフランネル生地を創り上げました。

色合いもいいです。特にグレー系3色の杢(もく=メランジ)は、フラノの王様Foxに迫るほどの、
とてもミネラル(鉱石)な温かみのある杢感です。
杢糸の見栄えと軽いミルド(起毛)加工で一見すると厚手に見えますが、240g/mと、軽量なんです。

(以前に先代の葛谷社長から、140番手に匹敵する素材、と聞いたので、今まで当店ではこの生地をS140’sフラノと表記していましたが、前回から説明を改めました)

で、これも、先代から聞いた話ですが、複数の欧州メゾンブランドのスーツにも採用されたことのある素材、なんだそうです。

参考価格(シングル上下・ML製)118,800円~。ジャケットは78,100円
10月限定で15%offで、スーツ100,980円~、ジャケット66,385円~です。

納期が長くなっていまして、2ヶ月をみていただいてます。
つまり、仕上がりは、12月です。お早めのアクションを望みます。

 


シャツを作ろう!!~オプションフェア。10/10(金)から10/29(水)まで。有料オプション3つが無料に。

10/10(金)より

10/29(水)まで。

有料OP3つが無料、のおなじみキャンペーン。
ボタンやポケット、ネーム刺繍などディテールに凝ってみたり、ビッグサイズ(首廻り45cm以上や裄丈90cm以上)の方には嬉しい恒例イベントです。

これに併せて、シャツ生地の新作、綿ネルチェックやカリビアン、トーマス・メイソンなどの新柄、も、10/10頃に配信されます。

多少のフライング注文を受け付けます。ぜひご予定ください。


入荷速報。5年目は少し絞り込みました。ロンドン「コーディングスCORDINGS」のモールスキンのトラウザーズ。当店ではウォッシュ&プレシュランク、さらに裾上げ時にはボタン補強をしてお届けします。ブラウンが復活して今年は4色展開。


左から、オリーブグリーン、利休鼠(Lovat)、ネイビー、ブラウン。これが一般販売分。
右に積んだのが予約分。ブラウンが圧倒的です。
後ろに掛けてあるのが昨年からの持ち越し品で、コーンとブラック。
すでに洗いを掛けて縮んだ状態です。こんな状態を経ています。

袋入りハンガーから取り出し、タグを外して、ひっくり返して裏返し、形を整えて、洗って、一時間高温乾燥機にかけ、またひっくり戻してたたみ直し、目立つシワだけはアイロンを掛け、タグを付け直す。5年目ともなると手慣れたものですが、それでも二日かかりました。縮みきってる状態で、裾丈は3cmほど縮んでます。

昨年度の記事を加筆訂正しつつ2025年の解説文といたします。

コーディングスCORDINGSは、1839年創業で180余年の歴史を誇る、
ロンドン・ピカデリーにあるブリティッシュ・カントリーウェアの専門店。
私も何度行ったかしれません、いつも冷やかしばかりでしたが、ずっとずっと憧れの店でありました。


一度経営危機に陥ったとき、この店の大の顧客であったエリック・クラプトン氏が支援を引き受け、
現在もE.C.が筆頭の大株主として経営を支援していることも、この世界ではよく知られた話です。
そのコーディングスの商品をまさか自分の店で売ることができるなんて、
夢にも思ってませんでした。

5年連続の入荷、モールスキンのトラウザーズです。
生地は当然というか必ずというか、英国ブリスベン・モスBRISBANE MOSS、の生地です。
英国の生地と言えばスーツやジャケット生地のような毛織物が多いのですが、例えば西ヨークシャーの名だたる毛織物のミルももともとは綿織物から創業したところも多く、
いわば、ブリスベン・モスはかたくなに綿織物を守り続けた稀有なブランドとも言えまして、
特にこのモールスキンは、他社の追随を許さないブリスベン・モスを代表する素材といえます。
英国でモールスキン(モグラ肌、の意)といえば、ブリスベン・モス、このヘビーな素材以外にありえません。

当店のモールスキンの展開、今年は4色です。

まず3年ぶりの復活ブラウンから。

写真は洗ってない状態です。洗うとさらにいい感じにクタリます。
近年の新色が明るい色ばかりだったので、待望のダークカラー登場で、予約の入りも圧倒的人気でした。

次は、3年目になりました、利休鼠です。


この色、印刷や画像だとなかなかうまく伝わらない色なのです。しかも英国の色名がLOVATですが、
我々がツイードなどでよく知っているロバットグリーンとは全く似てない色なので、
こりゃ混乱するよな、ということから、当店はイメージとして捉えて欲しくて
勝手に利休鼠と名付けました。
茶人・千利休が好んだ茶器の色で、緑がかったねずみ色を指します。
こういうネズミがいるわけではないので念のため。
試みに利休鼠で検索をしてみてください。この色合いが理解できるはずです。

ボタンフロント、ベルトレス、ブレィシス(サスペンダー)釦付、は、
ジッパー発明の前から続いてるんだぞ、のコーディングスの矜持みたいなもんでしょうか。
シルエットもクラシックで、股上深めでそれほどに細身ではありません。
でも裾幅20cmですから裾周りはスッキリ、です。
ウェスト仕上がりもサイズ表記と比べるとやや大きめです。

3色目はオリーブグリーン。5年連続して続けているのはこの色だけです。
一番モールスキンらしい色と言えるでしょうか、まずは最初に一本持っておきたい色です。
つまり、5年目の今年、すでに行き渡った感もあるので、入荷本数は少なめです。


ベルトレスですが左右にゴム入り(背中部分にあり表からは見えません)のアジャスターがあり、
6cmの調整が効きます。
ベルトレスと言うと抵抗を示される方も多いのですが、それが違うんです。私も4本買って
履いてみて感動したのがこのベルトレス、ゴムとアジャスターのおかげで、
ホントによくフィットするんですね、まさにベルトいらず=ベルトレス、であります。
6cmも調整できるので、多少太ったり痩せたりしても、大丈夫です。

4色目。一昨年だけお休みして昨年から復活のネイビーです。

お持ちの方も多いでしょうが、濃紺というよりもやや明るめのネイビーで、
洗ったあとの色合いがとてもいいのが気に入っています。
画像では赤みのあるように見える方もいらっしゃるかと思いますが、決して紫っぽくはありませんのでご安心を。

以下は、昨年からの持ち越し品が少しあるので、ここで紹介。ブラックです。


コーンも一本だけ34″があります。


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さてここからは当店独自の施しになります。
洗濯表記がドライクリーニングのみになってますが、
モールスキンは元々が冬の作業着から由来する素材、洗ってこそ味の出る素材です。
でも洗うと縮みそうだよなぁ、ということが心配になりまして、
日本で一番コーディングスに詳しい富山のKさんに電話をかけて相談しました。
彼は実際にロンドンのコーディングスに勤務し、販売と仕入れを経験しており、
帰国後も、長年に渡りブリスベン・モスのモールスキンの取り扱いを続けているので、
彼の意見をぜひ聞いてみたかったのです。
で、彼の意見を取り入れた上での当店の結論ですが、
全部一度洗ってから販売する、ということにしました。
これ以外の方法は考えられませんでした。
案の定3cmほど縮みまして、また当然風合いも変わりました。あたりが出ていい感じに古ぼけました。
タイトルの総合写真もワンウォッシュ後のものです。

サイズ表です。エージェントの資料にウェストの調節幅や数字の単位を手書きで書き加えました。
たとえば普通は32インチだと81cmが通例ですから
こいつがやや大きめの仕上がりだとお分かりいただけるでしょう。


それから、もう一つ、ボタン補強です。
フロントのボタン付けが甘いものがあるので、裾上げ加工のときに必ずボタン付けもチェックし、
付け方の甘いボタンはしっかり補強をしています。
慌てて小用で構えたらアサガオにカチンと落下、じゃ、笑い話にもならないですから。

最後に価格です。
英国物は値上がりが激しく、今年の価格が36,000円(税別)となりました。
加えて、当店独自の施工として、洗いと乾燥、プレス、裾上げ、ボタン補強、を施しますので、
加工料として1,400円の加算を申し受けます。(この加算はエージェントの了解を得ています)
ですので、当店での提供価格は41,140円(税込)となります。どうかご理解ください。
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サイズ切れが起きやすい商品なので、色、サイズ、別の詳細な在庫は
webShopに反映させます。
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※通販時の裾上げについて。備考欄に股下寸法をご指示ください。裾上げいたします(ミシンたたき三ツ巻仕上げ4cm幅)。ただし裾上げ加工後の返品や交換には一切応じられませんのでご了承ください。
返品交換の可能性があるなどで、裾上げ&ボタン補強をしない場合には、550円を値引きします。
裾上げの目安です。参考までに。

まだもう少しだけ縮むかも、ということで、ややクッションする程度に長めにピンを打ちました。

 

 


入荷速報。AranLegend到着です。ただし、、、

届きました。

衿付きカーディガンlumberjacketsが4色。
丸首前開きベストwaistcoatsは2色です。

プルオーバーが遅れてまして、10月末ぐらいになりそうです。

今回からラベルが少し変わりました。ブランドロゴがちょっと小さくなりました。

取り急ぎ新着も在庫表に加えましたので、詳細はこちらでご確認ください。


糸偏雑筆【3】番手とかゲージとか撚りとかプライとか、タテとヨコのことも。

 糸の太さ(細さ)なんかの話です。子供でもわかるくらいの話にしたいのでできる限り数字や計算を出さないようにします。

 「番手」という単位を聞いたことがあると思います。焼き豚に巻くたこ糸は20番手、高級なドレスシャツの糸は100番手とか120番手とか言いますね。つまり、糸が細くなるほどに数字が大きくなるのです。
その理屈を話すと、ここからが数字の話になるのでできるだけ平易に話しますね、例えば10グラムの糸があるとします、この糸を延ばすと20メートルになったとします、それを20番手と呼ぶとしましょう。今度は同じ重さすなわち10グラムの別の糸を延ばしてみたら延びて延びて100メートルになりました。これが100番手です。
距離が5倍になったということは、この糸は5分の1の細さの糸ということです。だから100番手の糸を5本束ねると20番手一本と同じ太さになります。専門的にはこう書きます、100/5=20/1。
わかったかなぁ。つまり番手の数字は一定の重量に対する距離を表すので、糸が細くなるほどに番手の数字が大きくなるというわけです。

 で、より分かりにくくさせるのが、毛(ウール)と綿と麻で、その計算基準が違うんです。毛の100番手と綿の100番手は全くの別物です。
それぞれ重さが違いますね、毛は軽くて綿は重たい、麻はもっと重たい、ので、同じ計算式では無理なのです。
これ以上話すと読むのが嫌になりますから、ここでは、素材によって番手の基準が全く異なる(しかもそれぞれに相互関係もない)ということぐらいを覚えておけばいいです。
 
 セーターの毛糸ではゲージ(Gauge、略してG)という単位もよく使われます。これはもともと編機の針の密度を表す単位で、1インチ(約2.54cm)の間に何本の編み針があるかを示します。
太い糸なら網目は少なくて済み、細い糸になるほど編み目の数は増えます。
一般に5G以下をローゲージ、6–11Gをミドルゲージ、12G以上をハイゲージ、と呼びます。30Gのハイゲージニットが着心地抜群なのもわかりますね。
このゲージという単位も、マシンニットではなくて、今度はハンドニットの方になるとこれまた計算の基準が変わるのですが、詳しく知りたい人は調べてください。
 
 さて、100番手双糸(100/2)はよく百双(ひゃくそう)と言われるほどシャツ生地の代表選手です。
単糸では細すぎてすぐに切れてしまうので2本を撚(よ)り合わせて(=ねじり合わせて)双糸にしています。この糸の太さは50番手単糸(50/1)と同じですが、よりしなやかで繊細な糸ができます。
1本取りを単糸、2本撚りを双糸、また三子糸と言って3本撚りの糸もあります。
最初に焼き豚のたこ糸(20番手)の話をしましたが、例えば大凧の凧糸は20/18、つまり20番手の18本撚り(6本の糸をさらに3本撚る)なんだそうです。
また、強撚糸といって、強制的に撚りを強くねじり合わせた夏の冷涼素材もあったり、撚り方もS撚りとZ撚りがあったり、と、撚りにもいろいろありますがここから先は省略します。

 この撚る、ねじる、というのを英語ではply(プライ)といいます。2ply(ツープライ)とか4ply(フォープライ)とか、聞いたことがあるでしょう。当社では、Voe True Shetland という無染色ウールのセーターを長年続けていますが、1ply, 2ply, 4ply, と3種類とも扱っていて、同じカタチなのに趣きはまるで異なっていて、もともとは同じ糸からできているとは思えないくらいです。
アランセーターは当社では3plyに限定していまして、これも2plyではどうしてもアランセーターのガッチリした独特な風合いが出ないのです。

 布地というのは、タテ糸とヨコ糸で織られます。(ただしニット生地はヨコ糸だけ。話がややこしくなるのでここでは省略)
   例えば、タテに麻を組んで、ヨコに綿を通すと、綿と麻の混紡生地ができます。だから麻50%綿50%という表記かと思いきや、これが麻60%綿40%といった組成表記になります。
なぜかというと、重量バランスなんです。麻のほうが重たいのでこうなるんですね。誰も教えてくれないので、これが私はずっと不思議でなりませんでした。

 また、スーツの世界ではよく言われることがあります。英国のスーツ服地はタテ糸もヨコ糸も双糸で織られるけれど、イタリアの服地はタテ糸は双糸でもヨコ糸は単糸で織られていることが多い、だからイタリアの生地のほうが軽くて柔らかいのだけど、英国の生地のほうが丈夫で長持ちでシワにもなりにくい、という話です。
真偽の程は確かではないのですが、この話、イタリアの服は初めから花が咲いているが、イギリスの服は売られるときはまだツボミの状態なんだ、というたとえ話に似てるような気がします。

 さて、ここではあえてタテ糸・ヨコ糸とカタカナで書きましたが、糸偏業界では、縦と横と言わずに、経糸と緯糸と書きます。なんでだろうと思ってましたがこれも誰も教えてくれないので、ここからは私の想像です。多分そうだったんだろう、ということです。
 布地を服にするとき、縦横はほとんどそのまま使いますが、時々横向きに90度変えて成型したり(吊り編みのスウェットなど。リバースウィーブと呼ばれたりします)、スカートなんかは45度に斜め(バイヤス)に取ったりもします。つまり生地のタテとヨコは必ずしも出来上がる服のタテヨコとは一致しない、ですから縦糸横糸というと間違いが起きることもありえます。
なので、普遍的な方向を示す表現として、経糸と緯糸、としたのではないか。経緯というといきさつとも読めて、事の成り立ちを表したり、中島みゆきは糸という詩にしたり、たしかに縦横よりも雰囲気あります。

 経と緯、どっちがどっちだったっけ、と分からなくなったとき、そういうときは地球儀を思い浮かべます。東経135度・日本標準時の明石の子午線、北緯45度・ミュンヘン札幌ミルウォーキーはビールの名産地という古いcm、これでタテヨコ間違えることはありません。
ちなみに英語では、経糸はwarp(ワープ。たるみ、緩み)、緯糸はwelt(ウェルト。引き締め。革靴のウェルト(細革)と同義)といいます。たわんでる糸の束の中を通して締め上げて織っていく、という感じがよく分かる、いい表現だな、と思います。

さて、糸の話あれこれ、なるべく平易に語ったつもりですが、いががでしたでしょうか。


在庫更新しました。>入荷速報。アランセーター4枚届きました。オモーリャとクレオから。

在庫表に載せました。同時に記述や価格もあちこちいじりました。
改めてこちらをご覧ください。

>オモーリャから3枚、クレオから1枚、入荷しました。

えっ、オモーリャから? 閉店したんじゃなかったの?
そうなんです。店は閉めたけど、ハンドニットの仕事だけは続けていていくみたいなんです。
何枚かリストアップしてくれましたが、その中で、これは、という3枚を選びました。
おなじみペギーによるもの、白とライトグレーが2枚。
それとミックスグリーンが一枚。さらにクレオからも白が一枚。

届いたばかりでして、まだこれから計測したりするので、
在庫表に載せるには2-3日かかりますが、
取り急ぎ速報まで。

なお、AranLegendも、そろそろ仕上がるよ、との連絡が入ってますので、
9/15の週には届くはずです。