出来上がり紹介。シャツを作ろう!!~エコノミーサービス、8月のメインイベントの仕上がり特集です。

鈍行運行で、1ヶ月半かかっての仕上がりです。お待たせしました。


初日にご来店で6枚口のオーダーのSさん。3種類の衿型を使い分けています。


Iさん、半袖を5枚。スナップダウンあり、カッタウェイあり、ラウンドのBDあり、と、
遊んでもらってます。


左下、たまたま自動車保険更新の商談に来店したKさん。
手ぶらで帰っちゃだめよ、シャツ作っていきなさい、の一枚は、カラーステッチ、釦&釦付糸色付け、チャコール釦、の遊びのあるBD。
左上2枚、Nさん。綿100のベージュ無地はありそでない、の一枚。白はイザの時の押さえ一枚。
右3枚はTさん。白2枚は仕事用。ブルーギンガムはNewセミのBD仕様で着丈短め、グレー釦の休日用。


横向きの4枚は京都のHさんからリモートでのオーダー。長年のお付き合いだからこその秘技です。
縦の2枚は織り方違いの白。Mさんから。
この計6枚、全部Newセミワイド。この衿型、事実上のスタンダードになりましたね。

左上、Oさん、BD2枚ですが、OXのブルー無地はロングセラーのドレスBD,チェックの方は近頃増えてきたNewセミのBD仕様。
右の3枚はKさん。紺無地、白ドビーストライプ、グリーンのロンスト。三者三様、テーストをうまくちらしてくれています。
斜めに置いた二枚は、私です。愛用のOXブルー無地(米国製)が永年仕様でいよいよアーカイプ入りになったので、新たに一枚必要になりました。衿型はこの頃人気のEuroBD,サンプルがなかったので、衿型サンプル代わりです。グリーンのストライプOXは、ヒッコリーシャツっぽい作りを狙いました。カジュアル向きの新型の衿「Newショートレギュラー」に、二つ穴の猫目ボタン、グレーベージュ、を付けて、アメカジっぽさを出してみました。


Mさんも4枚うまく散らしてくれました。赤ストライプのクレリックはラージラウンドカッタウェイ、当店第一号の衿型です。ブルードビーのクレリックはNewセミラウンドのBD。明紺無地と白ドビーストライプの2枚は従来から気に入ってもらっている衿型、カッタウェイラウンド。


ご夫婦で仲良く2枚ずつ。左2枚は夫人Nさん。ダンガリーのBDとマドラス調チェックのホリゾンワイド。右2枚、夫Kさん。グリーンギンガムにタータン調と趣の異なるチェック2枚です。

後半は本日到着しました。

左、Fさんの3枚口。白ドビーストライプはNewセミラウンド、ピンoxブルーは定番ドレスBD、レッドの細ストライプはNewセミBD版。
右、締め切り直前のご注文はWさん2枚。OXが2枚ですが、上はユーロBD、下はドレスBD。微妙な違いです。

最後にまとめて掲載するのは、某金融機関の会議室で丸一日実施しましたオーダー会での成果。

男性6名、女性2名(右端の4枚)。
もう何年も続けてやらせていただいていますが、
最初の頃は白ばっかり、ある時期はBDばっかり、と、なんか統一感がありましたが、
カジュアル化が進んで実に多様な顔ぶれに変わってきました。
朝から続けて8名、疲れますが、楽しい一日です。

このエコノミーが仕上って夏が終わり、という一区切りですね。
彼岸花も咲きまして、もう、涼しくなってくれ!、と願う、
はい、今日は秋分の日、です。


出来上がり紹介。スーツ、ジャケット、シューズ。

出来上がり紹介です。夏の終わり、というところでしょうか。

スーツとジャケットです。8月にスーツ・ジャケットを作ってくれたら優遇します、というメルマガメンバー限定のクローズドキャンペーンを行いまして、何人かが賛同してくれました。売上の乏しい8月なので、助かりました。

Kさんがご子息をお連れになり、この子に成人式&就活のスーツを仕立ててやって、というご依頼。
息子がいたらいつかは言ってみたいセリフ、私は娘二人だったので残念ながら言えずじまいでした。
生地は葛利の綾織ナチュラルストレッチの紺無地。今までに一体何人の人に勧めてきたのか、というほどの定番素材ですが、
初めの一着、として、これ以上適した生地はないでしょう、ということで、迷わずこの生地を選びました。
310gの秋冬モノに属する素材ですが、表面をミルド(起毛)してないし、葛利のションヘル織機ならではの空気をたっぷり含みながらゆっくり織ることで生まれるナチュラルなストレッチ感は、
スーツを着慣れないビギナーにとっては動きやすくしかも型崩れしにくくて、最適です。
ファクトリーは那須夢工房をおすすめしました。この上衿でおわかりですね。
那須のファクトリーは高い技術力にしては工賃がリーズナブルで納期もそんなにかからない(その代わりオーダーとしてイジれる自由裁量部分がとても少ないという制約があります)ので、
標準体型で比較的若年層の方が、いい意味で普通のスーツを、というときには、おすすめできます。


略礼服は何度も作ってますが、久しぶりに「ちゃんとした略礼服」をお作りしました。Fさんのご注文。
「ちゃんとした略式」というのも変な言い方ですが、
つまり、ディナースーツ(タキシード)やディレクターズスーツに転用が可能な略礼服、という意味です。
すなわち、シングルブレスト、ピークドラペル、1つボタン拝み式、(フラップなし)、ステッチなし、ノーベント、
ノープリーツ、(ベルトレス)、シングルモーニングカット、ということです。
今回はカッコを付けた2つについては、不祝儀時の着用を考慮して、フラップ付き(写真はフラップを収納しています)、ベルトループ付き(ただしベルトなしで着る場合を考慮してステイループ(バックルピン留め)は付けない)、に変更しています。
生地は、これも当店のロングセラー、葛利毛織のカシミア5%入り深黒朱子織り、黒の艶が一番良く出ます。
ファクトリーはアルデックス。Fさんからは以前にもスーツのご注文をいただいていますが、その寸法よりも少しずつ大きめ、いい意味で少しだけ野暮ったく、仕上げました。略礼服ですので、スタイリッシュになりすぎないように、また着用年数も普通のスーツよりも長くなりますので、万一の体型変化にも対応しやすいように、という配慮です。
フォーマルウェアは、普段のスーツよりもイジれる部分が少なく、決まりきった形になるので、既製服でも対応はできるのでしょうが、
フォーマルウェアに一番必要な「着方」をアドバイスしながらお作りしていく、というのは、オーダーでないとできないことではないでしょうか。
ご葬儀や祝宴などに臨席すると、礼服をきちんと着られていない方をたくさん見かけます。こちらから指摘するような野暮な真似はいたしませんが、困るのは、向こうから「野沢さん、プロから見て私のこの着方でおかしくないよね」と尋ねられることです。万一おかしなところがあったとしても、そこでダメ出したところでその場で直せるものではなく、相手に恥ずかしい思いをさせるだけですので、絶対にダメ出しができません。濁した言い方しかできないので困ります。
フォーマルを着るときに一番大事な心構えは、不安なく自信を持って着る、ということに付きます。
そのお手伝いはお任せください。
話が長くなっちゃったな。次行きます。


Nさんから、長く愛用してきたアイリッシュリネンの紺のジャケットが、さすがに傷んできたので、そろそろ買い替えたい、というご要望をいただきました。
運よくバラケの生地に、Spence&Brysonのアイリッシュリネンの綾織で、明るめの紺無地がありましたので、
迷わずこれを注文しました。
ちなみに、Spence&Brysonはしばしばアイルランド製、と言われますが、
Spence&Brysonの発祥地も現在の織元であるUlsterWeaversも、アイルランド島のアルスター地方、すなわち、北アイルランドに属するので、
正確にはUK,つまり英国製になります。
打ち込みのしっかりした綾織のアイリッシュリネンなので、結構重たいし、通気性もそれほどではなくて、
リネンと言っても決して涼しいという感じではないのですが、
それこそがNさんが長年の愛用品の買い替えとして求めていたモノなのでした。
一年ぐらい着込まないと味が出てこない、これぞアイリッシュ・リネン、であります。
これも那須夢工房に縫製を依頼しました。プレスワークを多用し、肩から首周りの収まりが美しい那須ならではのフィット感です。
同時に頼んだのが、黒のリネン無地のトラウザーズ。こちらは、国産の平織りで軽量、気軽に使える素材を選びました。

続いては、靴を作ろう!!キャンペーンの仕上がり、後半です。

Iさん、10年以上前に作ったダブルモンクがさすがに傷んできたので、作り替えです。
以前は無料でできたストラップのゴム入れですが、今は有料になっていまして、ごめんなさい、です。
でもモンクシューズのストラップは壊れたら靴全部がオシャカになってしまうので、
なるべくならいじらないほうがベターでして、有料でもゴム入りに変更することをおすすめしています。


Sさんのセミブローグ、すべてにブローグが付きメダリオンも付いていて、これを「セミ」と呼ぶのもなんだかなぁ、と思うのですが、フルブローグ(いわゆるウイングチップ)と区別する意味でセミブローグ(いわゆるストレートチップ)と呼びます。フルブローグよりもセミブローグのほうがビジネス寄りなので、お仕事用としてはセミのほうが人気があります。
実はこの靴も、買い替えです。Sさん、10数年前に作った靴を何度かリペアをしながら履き続けてきましたが、今回宮城興業にリペアとして送ったところ、バラしてみたら相当傷んでいて、直せなくはないけれど新たに作るよりも高くつくし、サイズも少し小さくなる、との見積もりが出てしまったので、リペアを諦めて同じものを一足作ることになったものです。

こちらも同じSさんのオーダー。ちなみに、同じ人が同じサイズで複数足をご注文される場合、
同じサイズのラスト(木型)を一人で2足使ってしまうと、万一そのラストに別の方から新たな注文が入るとラスト不足になる恐れがあるので、それを避けるために一足ずつ作ることにしています。これを、ラストの回転待ち、と呼びます。Sさんの場合も同様で、概ね納期が3週間ほどズレます。
今までよりも少し趣を変えたい、というご希望でしたので、
デザインをサドルシューズにして、革も型押しの革を使って、少し野趣っぽくしてみました。


サドルシューズといえばコンビが適してます。サドルシューズがきれいに3分割のできるデザインだからですね。
Yさんからのご注文です。前部分と後ろ部分とベロ、これが型押しのブラウン、真ん中のサドル部分とかかとのバックステイをベロアのタバコカラー、で色分けしました。スポーティさを出すため、底部分の色合いは薄茶色にしました。Yさん、コンビのサドルだけで一体何足お持ちなんだろうな。

ということで夏の終わりの出来上がり紹介でした。
次回の出来上がりは、いよいよ「シャツを作ろう!!~エコノミーサービス」のご紹介となります。


アランセーターの予約お申し込み、抽選の結果をお伝えいたします。

以下の内容は、お申し込みの方にはBCCメールでお伝えしております。

9/18の締切日を過ぎましたので、お申し込みを締め切りました。

複数のご希望がかぶったセーターは、一枚だけで、CL311-42-1087、通称Wing and a Prayer と呼んでいる博物館セーターのレプリカでした。
それ以外のアランセーターは、幸いなことに、お申し込みが一人ずつでしたので、抽選とならずに、それぞれのお申し込みが確定となりました。
おめでとうございます。

それではCL311-42-1087の抽選を始めます。CさんとHさん、そして締め切り日の今日の朝にお申し込みがありましたTさんのお三人です。
ジャンケンの5回戦、予め頂戴している5回のジャンケンをここで発表します。Gグー、Cチョキ、Pパー、です。

Cさん G.G.C.G.P.  1勝2敗2分
Hさん G.P.P.G.C.  1勝2敗2分
Tさん   P.C.C.G.P.  2勝1敗2分

1戦目でTさんが先勝、2戦目はGCPでアイコ、3戦目CさんとTさんが勝ち、4戦目は全員Gでアイコ、最終5戦目でHさんが1勝。

ということで、最終日にお申し込みいただいたTさん、おめでとうございます。
Cさん、Hさん、残念でした。

ご購入のお手続きにつきましては、個別に詳細を改めてご案内いたします。

取り急ぎ、お申し込みの結果についてご案内いたしました。

これによって、現在あるアランセーターの在庫は全て売約のないフリーな状態となります。
販売につきましては、従来どおりに先着順を原則といたします。

多くの皆様のお問い合わせをお待ち申し上げております。




入荷速報。オーダーシャツの生地、追加になりました。

新しい生地の一群が届きました。
総評的に言うと、色柄では、相変わらず、無地調が増えていますね。
素材としては、やはり、やや起毛した、と言ってもネルシャツほどではない、
当店で言うところの「ビエラ調」の生地感を持つようなものが多いです。これも昨年から続いた傾向です。

それでは具体的に、まず、ハイクラスの生地。これは現在の20%キャンペーンの対象になります。

左列。上から。
※カリビアンコットン・ゴールド120/2G。ドビーストライプ3色。
※カリビアンコットン・シルバー100/2G。ハケ目のダークカラー3色。
※伊カンクリーニ。タッタソール調チェック。
※伊アルビニ。極薄ネル、コットン100%。

左2列目。上から。
※伊トーマス・メイソン。英国的色使いのストライプとチェック。今回は意外にもTMに無地がない。
※伊アルビアーテ。新参。こんな硬くてヘビーなオックスフォードは初めてみました。賛否両論でしょうね。

次の列はオーバーシャツにも向いてます。上から。
※伊アルビニ。綿ネル無地3色。
※トルコ製のソクタス。新参。コットン&テンセルのテロンとした無地。
※伊アルビアーテ。硫化染め無地。アウトドアっぽい素材感です。

右の列は、リバティプリントが6柄。ブルーのはおなじみのいちご泥棒ですね。

ミドルクラスに移ります。

左列、上から。
※リンクルフリー。綿100%。
※リンクルフリー。クールマックス(ポリ100%)。
※ジャカード織。スカル柄(個人的には好かないです)。

左から2列め。上から。
※ウーリーコットン、だそうです。ウールのタッチを持つコットン、まんまじゃないか……
※極細畝のコーデュロイ。この2色はいいですね。
※綿85%毛15%のまさにビエラ調のツイル無地。もちろん水洗い可です。

3列目。上から。
※綿100%のビエラタッチの柄物。
※こちらは毛15%混のビエラ調の柄物。

右列。
※前回から登場の37.5℃シリーズ。夏は涼しく冬は温かい、という触れ込みの化学繊維。どんなものだか、よくわからん、です。
※インディゴ生地、ネップ入り。

ふぅっ…


 


報告。大河ドラマのポスター掲示をやめました。

静岡市を挙げて大河ドラマを応援する、ということから、静岡市の各商店街はNHKからポスターの提供を受け、
加盟店各店は必ず店内に掲示するように指示をされていました。
しかも、このポスターは、NHKから、転売しないで、とか、番組終了後はNHKに返却するように、とか、もったいぶった注意が添えられていて、主役俳優の肖像権等に並々ならぬ配慮がされていることが伺えます。
大河ドラマを応援すること自体には、全く異論はないので、当店も、商店街の要請に従い、ポスターの掲示をしてまいりました。
しかし、この度、ジャニーズ事務所の不祥事が明らかになり、この事務所並びにそれを忖度黙認してきたメディア各社を許すべきではない、と強く感じました。
この事務所に所属するタレントの姿を店内のポスターとして掲示することは、ほんとに極めて間接的ではありますが、ジャニーズ事務所並びに各メディアに協力する態度のひとつとして考えられますので、
当店は、このポスターの掲示を続けるべきではない、と判断しました。
そこで、本日、このポスターを取り外し、商店街事務所に返却いたしました。
加えて、大河ドラマを応援する意思は引き続き持ち合わせているので、もし、主役俳優が載っていない、ロゴなどだけでの宣伝物があるのなら、代わりに掲載しても構いません、という提案を添えています。
以上、ご報告いたします。





入荷速報。英オックスフォード・ブルーOxford Blueから、スーツ生地を撥水加工したハミルトン・ジャケットHamilton Jacketが届きました。

英国バーミンガムにファクトリーを構えるオックスフォード・ブルーOxford Blueの最新作、
ハミルトン・ジャケットHamilton Jacketです。

マネージャーのジョニーいわく、限定100着だよ、と会った途端に言われましたが、
真偽の程は定かではありません。もちろん、バーミンガムで作ったMade in England。
様々なブランドの綿アウターをOEMしている英国製の黒子です。

シェルの素材はスーツ素材と思わせるほどのヘリンボーン織りのオリーブブラウン。これ一色です。

とっても軽いし、タッチもいいので、ウールかと思いきや、
ラベルを見るとポリエステルに撥水加工、とあります。
じゃ、ということで、水を掛けてみました。

はじいてますね。でも完全防水ではありません。あくまでも撥水です。
WAXEDではないので、こいつはドライクリーニング可能です。

比較的シンプルなデザインですが、このポケットは面白いです。左右ともこうなってます。
狩猟用のディテールみたいですね、開けっ放し仕様、とでも名付けましょうか。

内側は、キルティング仕様、左側には内ポケットもマップポケットもしっかり付いてます。
袖口はトリミングだけで付属がないので、袖丈詰めもOKです。

サイズです。私が着ているのがXSです。結構大きいです。日本サイズM-L相当ですね。
さらにワンサイズ大きいSもあります。Sだと日本L-LL相当です。

価格。7-8万はするかな、と、最初見たときにはそう思ったんですが、
計算してみると、5万円台でいけそうなので、即発注、しました。
税込で59,400円。サイズはXSとSの2サイズ。英国製。色はこのオリーブブラウンのヘリンボーンだけです。