シェトランドに行ってきた最大の成果がこれです。
経緯を話すととっても長くなるので、予約会の要項を先に述べます。
エベレストが復活します。12年ぶり。これが現物。


色は10色です。まず、FAWN、MOGIT、ShetlandBLACKsheep、LightGREY、CHARCOAL、NAVY、OLIVE、RED。
この8色に、NaturalWHITE、dyedBLACK(染の黒)が加わリまして、全10色の展開です。
糸はShetlandWoolの2plyです。
この画像ではVoeTrueShetland(2ply)との比較をしています。上段がEverest,下段がVoeTrueShetlandでWhite, Fawn, Moorit, Silver, Black。
同じFawnという呼称でも色が全く違いますので、ご注意ください。VoeのFawnはむしろEverestのMogitに近いですね。
予約は全色受け付けますが、店売りは全色やらないです。Voeは無染天然色6色ですが、Everestには色物があるので、Voeにない色物を中心に絞るつもりで、今のところ、FAWN, Lt.GREY, NAVY, OLIVE, RED,の5色が有力候補です。
サイズは36″から46″まで。写真はサイズ42″にメジャーを当ててます。はい、21.5インチ、大体合ってますね。
目安としては、36″(レディスM/メンズXS)、38″(レディスL/メンズS)、40″(メンズM)、42″(メンズL)、44″(メンズLL)、46″(メンズ3L)
EverestはHarleyよりも少し腕周りがゆったりしてますが、まぁ基本的にHarley/2plyと同じサイズを選べば良いでしょう。ただ、セーターですので、ルールはありません。いろんな着方がありますので柔軟な思考でお選びください。

旧モデルとの対比です。旧モデル(16年前の私物、裾はボロボロです)はMogit-40″。新モデルはFawn-42″です。

サドルショルダーの仕様、ネックの形状、に大きな違いが見られます。
糸は2014年に製造休止になったときの当時のものと全く同じです。編立は、当時はハンドフレーム(手横機)のシームレス(無縫製)仕様でしたが、今回はマシンニットでやはりシームレス(ホールガーメント)です。
糸のレシビ、スピナー、そしてマシンニットの委託先、私はすべて把握していますが、ここは企業秘密で非公表とします。
最大の問題は価格です。仕入れ値から単純に電卓ではじいた金額は5万円を超えました。それはないよね。で、考えました。2014年休止当時、つまり12年前は26,000円(税別)でした。そして2026年のシェトランドのAnderson本店で売る価格が150ポンド(≒32,000円)、当店のHerleyVoe2plyが31350円(税込)、というところから、このセーターの適正な販売価格を39,600円(税込)と算定しました。ほとんど現地価格と同じというところです。秋に入荷のときに為替がどう動いているかわかりませんので、秋の販売価格は決められませんが、予約の分に関してはこの価格39,600円で走ります。
予約締切は2月28日とします。ご来店が原則ですが、電話はダメです。必ずメールなど文字の記録が残るかたちでお伝え下さい。
初めての方は、実名フルネーム、生年月日、住所、電話番号、メールアドレス、エベレストの色とサイズ、数量、が必要事項です。
と、予約要項はここまで。
以下、ここに至る経緯ですが、長くなります。そこで思いつきました。以下の部分、まるまる今月の倶樂部余話【448】にすることにしました。
業界紙へのプレスリリースのように書いてみます。
静岡市のメンズショップ「ジャックノザワヤ」(代表・野沢弥一郎)は、英国「アンダーソン」社が手掛けるシェットランドセーターの名品「エベレスト」を2026年秋より12年ぶりに輸入販売することを発表します。
今から150年前の1873年(和暦では明治6年)に英国シェトランド島ラーウィックに創業したアンダーソンAnderson&Coはシェトランドウールを使ったセーターやレースショール、靴下、下着などのハンドメイドの商品を数多く扱い、1890年代にはいち早くメールオーダーのカタログを作って広く英国本土からの注文も集めていた繁盛店でした。中でもオリジナルブレンドの毛糸を使いハンドフレームで縫い目なく編み上げた同社のセーターが1953年のエベレスト初登頂に成功した英国ヒラリー遠征隊に着用されたことから、このセーターはエベレストEverestと呼ばれるようになりました。エベレストのセーターは今世紀になって広く海外でも販売されるようになり、我が国でも人気を博し、ジャックノザワヤ(当時の店名はセヴィルロウ倶樂部)も輸入卸を通じて2005年から2014年まで相当な数量を販売し、その間オーナーのリースク夫妻とはダブリンの展示会で何度も会って交友を深めていました。
ところが2014年エベレストは突然生産が休止になります。古い手横の編機の維持管理が難しく人の確保もできなくなった、というのが表向きの理由でしたが、後で聞いたところ、リースク氏の健康上の問題であったらしく、つまりは終活の事業縮小であって、その後すぐにリースク夫妻は亡くなり、残った小売の店舗を、長年の従業員であったケイラとジョンのロバートソン夫妻が引き継ぎましたが、それ以来エベレストのセーターはマーケットから忽然と姿を消したのでした。
それから10年の歳月が流れ昨年の11月、一通のメールが野沢のもとに入りました。「こちらはアンダーソンです。エベレストを復活しました」という知らせ。個人顧客向けの拙いDMメールで半信半疑のところ、ちょうど来日していた同じシェトランド島のニットメイカー、ジェイミーソンJamiesonsの社長ピーターに相談したところ「Jack、よく掴んだなその情報。うちの店とアンダーソンの店は斜向かい、10メートルも離れてないんだ。うちの娘とケイラは小学校からの同級生だよ」
その言葉に背中を押され、この1月、野沢は意を決してシェトランド島を訪れ、商談に臨みました。今回のエベレストの再開は店売りだけのつもりで、卸売もましては日本への輸出なども考えいなかったアンダーソンでしたが、年間の取引量は30枚程度、こちらも卸売はせず小売だけで販売する、価格はできるだけ現地価格に近づける、などなどを話し合いました。
12年ぶりのエベレストの復活は業界の話題なることは間違いないでしょう。


















