月: 2024年12月
(予約受付の加筆あり)入荷速報。英ジェィミーソンズJamiesonsのフェアアイルセーター、早くも登場。本邦初公開(多分)の新柄はまるで絵画。モネ、ターナー、ルノワール、美術館のようです。
予想以上の売れ行きで色・サイズの欠品が目立ってきましたので、来年度の予約を受け付けることにいたしました。詳しい方法はメールにてお問い合わせください。(2024.12.14.加筆)
ピーターPeter Jamiesonsは出来上がったばかりのサンプルを東京に持ってきました。昨年12月のこと。
今までに見たことのない新鮮な色柄に、私一目惚れして「まるで印象派の絵のようだね」
ピーターは黙って微笑んでいましたから、企画の意図は本当はそうじゃなかったのかもしれませんが、
でもまんざらじゃない、って顔をしてました。
ピーター「東京が最初、次がフィレンツェで、そしてダブリン。最初に披露する東京でJackに気に入ってもらえて嬉しいよ」
36,000円(税別)(39,600円(税込))。シェトランドウール100%。
パターン(柄の組み合わせ)のリピートは45cmとかなり長いです。
写真は44”なので少しだけリピートがありますが、
38”ぐらいの小さいサイズですとほとんどリピートのないロングパターンになります。
一体何色の糸が入っているのか、数える気はしませんが、多分100色では済まないでしょう。
3つのカラーリングを取りました。
☆まずこれ、モネ・ホワイト。
白をリブに配してこのパステルカラーの配色はまさにコレです。
モネの睡蓮。数ある睡蓮の中でもパステルカラーが一番表現されている一枚です。
あるいはこれも。
モネ「印象・日の出」。印象派という言葉の由来にもなった作品です。
なので、私は、この配色に「モネ・ホワイト」と名付けました。
事前の予約会でも、一番人気の色柄でした。
メンズでここまでのパステルカラーはやや冒険ですが、こんなフレンチな中性的なカラーリング、
ジェイミーソンズをすでに持っている方にも新鮮に映るはず、と思い、取り上げました。
ホワイトと言ってもさらしの白ではなくてナチュラルな無染色の白、ホワイトシープのホワイト、Jaimiesonsのカラー番号#104です。
私が東京でこれを見たあと、どれだけの世界のバイヤーがこの色柄を発注したのかは全くわかりませんし、これからあちこちで出てくるかもしませんが、
この色柄を印象派の絵画のイメージに重ねたのは私の着想です。同業者の皆さん、パクらないでね。
☆次はターナー・イースリット。eeslitは現地シェトランドの言葉で、ピーターの会話からはイーセットみたいに聞こえます。Jaimiesonsのカラー番号#105,ベージュ系の無染色な色に付けられている色名です。粗挽きのオートミール、という感じです。
やや男性的にそして英国的になりますね。これはターナーになぞらえられます。
ターナーは印象派よりも30年ほど前の作家ですが、印象派に大きな影響を与えたと言われています。
ダブリンのナショナルギャラリーでは毎年1月にターナーのコレクション展示があり、私の訪愛とちょうど日程が合うことが多いので何度が訪れています。
☆さて3色目、ルノワール・ヘロン。ヘロンheronは鷺(サギ)で青みのあるミディアムグレーです。
これはルノワール。
ジェイミーソンズでは従来型配色、というところでしょうか。
サイズは38″から44”までの4サイズ。
相変わらず首後ろのブランドネームにはおかしなサイズ表示が付いてますがこれは無視してください。
38″(日本のメンズS・レディスMに相当) 胸囲96cm・着丈63cm
40″(日本のメンズMに相当) 胸囲102cm・着丈65cm
42”(日本のメンズLに相当) 胸囲106cm・着丈68cm
44”(日本のメンズLLに相当) 胸囲112cm・着丈71cm
色柄によって在庫のサイズは異なりますので、現況在庫はwebShopでご確認ください。
最後に今回のピーターの来日で初めて知ったことを披露しましょう。
ジェイミーソンズのセーターは二回りぐらい大きく編んでから洗って縮ませることで目を詰まらせて立体的に仕上げている、という話は以前から聞いていましたが、
疑問だったのは、洗い込んでいる割には首のリブが傷んでなくて仕上がりサイズもとても一定に安定している、これはなぜ、ということでした。
ピーター、いい質問だ、と言わんばかりにうなづいて曰く、
うん、洗うときにはまだ首は開けてないんだ、洗ったあとで丸首やVネックにカットして、リブを付ける。よく見てごらん、他の部分は丁寧なリンキングでジョイントしているけど、首のリブだけはインターロッキングでつなげてるだろ。これ、トップシークレットだよ。
2024年度の最新作、恐らく本邦初公開だと思います。どうぞお楽しみください。
出来上がり紹介。この2ヶ月の間の仕上がり品です。スーツ、ジャケット、トラウザーズ、シャツ、帽子、ソックス&ホーズ。
まずスーツから。
Iさん、秋冬物のバラケ群から一番最上級のエルメネジルド・ゼニアのチャコールグレーをチョイスしました。
無地ですが、よく見ると1mm方眼の極細格子柄になっています。
Sさんは、10月にキャンペーンした葛利毛織のsuper120’sカシミアタッチのフランネルから、ミディアムグレーの杢色をご指名いただきました。
フラノの名門foxにも劣らぬほどのミネラル調な杢グレーの色調が美しいです。
Kさんから、季節感なく通年で着られる生地を、というご要望で、
迷うことなく英ハリソンズのフロンティアをお勧めしました。ピンヘッドと呼んでいる刷毛目格子の無地、明るく写ってますがチャコールグレーです。
こちらのKさんからは、スリーピース+スペア付、の豪華4点セット。
生地は葛利毛織ご自慢のヘビーウェイトなダブルクロス。
ちょうど1年前に作ったマイクロヘリンボーンはチャコールブラックでしたが、
今回はその色違いの濃紺でのご注文。
ん、どっかで見たことある生地だぞ、はいそのとおり、野澤屋100周年記念に仕掛けたあの生地です。
別注生地じゃなかったの、まだあったの、と、疑問の方もいらっしゃるでしょう。
確かに当社が別注して織ってもらった分はとうに売り切れたのですが、
葛利さんは葛利さんの売る分として生地の在庫を持っていたのです。
今回はそちらの生地を分けてもらいました。
ジャケット。
ハリスツイード。デニムブルー色の無地です。
無地と言っても凄まじく色が混ざっているので、ルーペで拡大しました。
いつもながらすごいですね。Nさんのご注文。
こちらはYさんのハリスツイード。今年の新色です。
グレーベースの無地っぽい極小格子ですが、拡大してみると、グレーの色は見当たらなくて、
白と黒とモスグリーンと金茶、の色が発見できます。
トラウザーズ。
9月にキャンペーンしましたカノニコのキャバリーツイルです。
左のチャコールは、ウエストの大きなSさんの1タック、
右の淡ベージュは、細身のHさんのノータック、
同じ生地なのに、全く趣が違うのが面白いですね。
シャツに行きます。
Sさんの3枚口。左2枚はリンクルフリー生地のバスケット織りでユーロBDの衿。
右はド定番100/2の白ブロードで、Newセミワイドのスナップダウン。これはグッドアイデアです。
オプションフェア中でしたので、ポケットチーフ、白蝶貝ボタン、スプリットヨーク、のオプションを無料でお付けしました。
こちらはちょっと珍しい生地を選んでくれたYさんのシャツ
ウール100%。テックウールと呼ばれる素材で、こういう解説が付いてます。
「特殊加工によりウォッシャブルを可能にしたウール素材で、イージーケア、ナチュラルストレッチ、接触冷感、消臭の機能を兼ね備えています」
色はオフホワイト、衿はNewセミワイドラウンドチップをボタンダウンに変更しています。細身のYさんなのでぴったり目に作りました。
シャツの最後は今日届いたばかりの2枚。
カリビアンコットンシルバー100/2Gのドビーストライプ、同じもの2枚で、
ボタン穴&ボタン付け糸の色指定だけサックスとオレンジに付け分けています。
どっちがどっちか、分からなくなっちゃいますよ、という私の一言が効いたみたいです。
衿型は旧来タイプの衿の大きなセミワイド。こっちのYさんはネック43の大柄なのでその方がいいのです。
久しぶりに帽子のオーダーが入りました。
随分前にお作りしたジャケットの残布を取っておいてくれたSさんから2つのご注文。
6枚ハギのキャップに寒さ対策の耳当てを付けた、私のアイデア品を気に入ってもらいました。
ボタンはこちらで手配しないといけないので、手元の引き出しを探ったら、昔別注した水牛ボタンが出てきました。SavileRowClubの文字入りです。懐かしいな。
最後はソックス&ホーズ。ハリソンから。
今回は5名のご注文が集まりました。
フェアアイル柄の厚手のウールホーズ4色、御夫婦で、メンズとレディスのご注文。
たまたま今日履いて見えられ、あったかくてとってもいいです、と喜んでいただけました。
コットンのアーガイル、5ダイヤライン入りのインターシャと、
コットン・ボーターアクセントカラー入り。
どちらも従来型のパターンですが、すべて2024AWの新色に変わっています。
なかなか写真では伝わりませんが、左の2つが今回ハリソンから新提案の最高級ウールホーズ。
右は比較の意味で従前のクラシックリンキングのリブ編みホーズを並べました。ふくらはぎのシェイプの立体感の違いがおわかりになるでしょうか。
平編みとリブ編み、一足ずつ、試しに私が頼んでみました。追々テストしてみます。
ハリソンからの解説をコピペします。
<240本 薄手 毛 秋冬春>
世界初!爪先自動リンキング仕上げの240本ハイゲージロングホーズ。
ドレッシーな薄手タイプ。クラシックリンキング縫製。
通常はミシン縫いする爪先部(足指の上部分)を、機械で一目ずつ自動縫製していますので、
余分な縫い目がなく嫌なごろつきが全くありません。
ハリソンが世界で初めて導入したイタリア・ロナティ社の爪先自動縫製装置「SbyS」付きハイゲージ240本ダブルシリンダー靴下編機で編み上げました。
ふくらはぎを締め付けすぎないよう段階的に着圧を調整したこだわりの「クラシックシェイプモデル」。
240本の超ハイゲージ靴下は、一目一目の編目が細かく、非常にドレッシーな本格派ドレス靴下です。
国産のビジネスソックスは、200本から220本の編地が一般的ですので、それらとは一味違います。
また、かかとのずれを少なくするため、時間をかけてかかと部分を大きく編み込んでいますので、履き心地も快適です。ハイクォリティなインポートシューズには、それにふさわしいハイゲージのドレスホーズをお薦めします。
ニュージーランド産メリノウールの高い品質は、類稀な山岳放牧地の自然環境から生まれています。
オフスケール加工していますので、ソフトでチクチクせず、冬暖かく、夏爽やかです。
ウールの特徴を熟知したファッションの達人は、年中ウール靴下を愛用しています。
ということです。自信たっぷり、でしょ。
今回のソックス&ホーズはご注文分だけで、店売りはありません。
取り寄せはできますので、ご希望の方はお問い合わせください。
ふうっ。出来上がり紹介、取り急ぎ、このへんで。
ご注文いただきましてありがとうございました。
12月です。
12月です。
いくつかお知らせ。
月例エッセイ「倶樂部余話」を更新しました。第434話「冷やかし余話」、別項にてお読みください。
同時に、月例のメルマガを登録の方々に配信しました。届いてないよ、という方、また、この機会に申し込みでみよう、という方は、こちらからご連絡ください。
12月の営業カレンダーです。
週末の3回は、アポなし冷やかし推奨日、と設定しました。文字通り、アポなし冷やかし、でのご来店を歓迎します。ただし、①アランセーターはすべて用意できません。必要ならば事前にご連絡ください。②商品はご来店の後に品出しします。③事前にwebShopで在庫の有無等を予習されることをおすすめします。④複数の来客の場合には掛け持ち接客となります。
つまり貸し切りで全部出します、というわけではないのでご理解ください。
8月のリベンジで12月なのに二泊三日で小旅行に出ることになりまして、12/19(木)は臨時休業です。
詳細は1月の倶樂部余話で報告します。
12/29(日)は私用の宴席参加のため13時頃に退室します。
今年のビル閉館は12/31(火)から1/3(金)の4日間です。この間もwebShopは開けておきますが、商品が動かせません。ご理解ください。
それから、ダッフルコートを集めてます。1月にセカンドライフ(used)のダッフルコートを特集しようと考えていますが、まだ品物が足りません。12月に集中して下取り大募集します。お持ち寄りください。(ただし品物によっては引き取りを遠慮する場合もありますのでご了承ください)
今年は未入荷品がありません。
初めてじゃないでしょうか。今年の冬は入荷が順調で、遅刻の未着がないのです。こんなに安心した気持ちで12月を迎えているのはきっと初めてです。
ただ、気になるのは、webShopの動きが去年よりも遅い、ということ。どうか冷やかしでもいいので、webShopにアクセスしてみてください。