出来上がり紹介。この2ヶ月の間の仕上がり品です。スーツ、ジャケット、トラウザーズ、シャツ、帽子、ソックス&ホーズ。

まずスーツから。
Iさん、秋冬物のバラケ群から一番最上級のエルメネジルド・ゼニアのチャコールグレーをチョイスしました。
無地ですが、よく見ると1mm方眼の極細格子柄になっています。

Sさんは、10月にキャンペーンした葛利毛織のsuper120’sカシミアタッチのフランネルから、ミディアムグレーの杢色をご指名いただきました。
フラノの名門foxにも劣らぬほどのミネラル調な杢グレーの色調が美しいです。

Kさんから、季節感なく通年で着られる生地を、というご要望で、
迷うことなく英ハリソンズのフロンティアをお勧めしました。ピンヘッドと呼んでいる刷毛目格子の無地、明るく写ってますがチャコールグレーです。

こちらのKさんからは、スリーピース+スペア付、の豪華4点セット。
生地は葛利毛織ご自慢のヘビーウェイトなダブルクロス。
ちょうど1年前に作ったマイクロヘリンボーンはチャコールブラックでしたが、
今回はその色違いの濃紺でのご注文。
ん、どっかで見たことある生地だぞ、はいそのとおり、野澤屋100周年記念に仕掛けたあの生地です。

別注生地じゃなかったの、まだあったの、と、疑問の方もいらっしゃるでしょう。
確かに当社が別注して織ってもらった分はとうに売り切れたのですが、
葛利さんは葛利さんの売る分として生地の在庫を持っていたのです。
今回はそちらの生地を分けてもらいました。

ジャケット。

ハリスツイード。デニムブルー色の無地です。
無地と言っても凄まじく色が混ざっているので、ルーペで拡大しました。
いつもながらすごいですね。Nさんのご注文。

こちらはYさんのハリスツイード。今年の新色です。

グレーベースの無地っぽい極小格子ですが、拡大してみると、グレーの色は見当たらなくて、
白と黒とモスグリーンと金茶、の色が発見できます。

トラウザーズ。
9月にキャンペーンしましたカノニコのキャバリーツイルです。

左のチャコールは、ウエストの大きなSさんの1タック、
右の淡ベージュは、細身のHさんのノータック、
同じ生地なのに、全く趣が違うのが面白いですね。

シャツに行きます。

Sさんの3枚口。左2枚はリンクルフリー生地のバスケット織りでユーロBDの衿。
右はド定番100/2の白ブロードで、Newセミワイドのスナップダウン。これはグッドアイデアです。
オプションフェア中でしたので、ポケットチーフ、白蝶貝ボタン、スプリットヨーク、のオプションを無料でお付けしました。

こちらはちょっと珍しい生地を選んでくれたYさんのシャツ

ウール100%。テックウールと呼ばれる素材で、こういう解説が付いてます。
「特殊加工によりウォッシャブルを可能にしたウール素材で、イージーケア、ナチュラルストレッチ、接触冷感、消臭の機能を兼ね備えています」
色はオフホワイト、衿はNewセミワイドラウンドチップをボタンダウンに変更しています。細身のYさんなのでぴったり目に作りました。

シャツの最後は今日届いたばかりの2枚。

カリビアンコットンシルバー100/2Gのドビーストライプ、同じもの2枚で、
ボタン穴&ボタン付け糸の色指定だけサックスとオレンジに付け分けています。
どっちがどっちか、分からなくなっちゃいますよ、という私の一言が効いたみたいです。
衿型は旧来タイプの衿の大きなセミワイド。こっちのYさんはネック43の大柄なのでその方がいいのです。

久しぶりに帽子のオーダーが入りました。
随分前にお作りしたジャケットの残布を取っておいてくれたSさんから2つのご注文。
6枚ハギのキャップに寒さ対策の耳当てを付けた、私のアイデア品を気に入ってもらいました。
ボタンはこちらで手配しないといけないので、手元の引き出しを探ったら、昔別注した水牛ボタンが出てきました。SavileRowClubの文字入りです。懐かしいな。

最後はソックス&ホーズ。ハリソンから。
今回は5名のご注文が集まりました。

フェアアイル柄の厚手のウールホーズ4色、御夫婦で、メンズとレディスのご注文。
たまたま今日履いて見えられ、あったかくてとってもいいです、と喜んでいただけました。


コットンのアーガイル、5ダイヤライン入りのインターシャと、
コットン・ボーターアクセントカラー入り。
どちらも従来型のパターンですが、すべて2024AWの新色に変わっています。


なかなか写真では伝わりませんが、左の2つが今回ハリソンから新提案の最高級ウールホーズ。
右は比較の意味で従前のクラシックリンキングのリブ編みホーズを並べました。ふくらはぎのシェイプの立体感の違いがおわかりになるでしょうか。
平編みとリブ編み、一足ずつ、試しに私が頼んでみました。追々テストしてみます。
ハリソンからの解説をコピペします。

<240本 薄手 毛 秋冬春>
世界初!爪先自動リンキング仕上げの240本ハイゲージロングホーズ。
ドレッシーな薄手タイプ。クラシックリンキング縫製。

通常はミシン縫いする爪先部(足指の上部分)を、機械で一目ずつ自動縫製していますので、
余分な縫い目がなく嫌なごろつきが全くありません。
ハリソンが世界で初めて導入したイタリア・ロナティ社の爪先自動縫製装置「SbyS」付きハイゲージ240本ダブルシリンダー靴下編機で編み上げました。
ふくらはぎを締め付けすぎないよう段階的に着圧を調整したこだわりの「クラシックシェイプモデル」。

240本の超ハイゲージ靴下は、一目一目の編目が細かく、非常にドレッシーな本格派ドレス靴下です。
国産のビジネスソックスは、200本から220本の編地が一般的ですので、それらとは一味違います。
また、かかとのずれを少なくするため、時間をかけてかかと部分を大きく編み込んでいますので、履き心地も快適です。ハイクォリティなインポートシューズには、それにふさわしいハイゲージのドレスホーズをお薦めします。

ニュージーランド産メリノウールの高い品質は、類稀な山岳放牧地の自然環境から生まれています。
オフスケール加工していますので、ソフトでチクチクせず、冬暖かく、夏爽やかです。
ウールの特徴を熟知したファッションの達人は、年中ウール靴下を愛用しています。

ということです。自信たっぷり、でしょ。

今回のソックス&ホーズはご注文分だけで、店売りはありません。
取り寄せはできますので、ご希望の方はお問い合わせください。

ふうっ。出来上がり紹介、取り急ぎ、このへんで。

ご注文いただきましてありがとうございました。





 

 

 

 

 


10月の、シャツを作ろう!!~リンクルフリー・フェア。10/11(金)~10/28(月)。対象生地に限り2,000円off。

年2回のリンクルフリー・フェア。11日の金曜日から。多少のフライングは受け付けます。

今年も2,000円off。
対象生地はこんなところです。

結構な種類がありますね。

あ、シャツのイベントのときにタイミングを合わせてソックスの受注会もやることになってますので、このイベントに合わせてソックス、ホーズの受注も受け付けます。
何やら新商品のウールのホーズがあるようなので詳細情報を収集してます。後ほど別項で紹介できるでしょう。


(追加あり改定)出来上がり紹介 兼 入荷速報。シャツを作ろう!!~エコノミーサービス、の受注品が仕上がりました。

7月のご注文から2ヶ月の鈍行で、仕上がりました。大変お待たせしました。


左、K.Y.さんの白2枚。レギュラーカラーのオーソドックスなツイル無地、と、涼し気なカラミ織りでのBD。
右、O.A.さんからリモートでのご注文。ブルー無地系でいろいろ3枚。衿はニューセミワイド。

Y.T.さん、レディス4枚口。3枚はホリゾンタルワイド。1枚はショートラウンド。

T.K.さん。白3,ブルー1の4枚口。白は微妙に生地違いです。衿はニューセミワイド。ボタンなしのシングルカフがKさんのお気に入りです。今上陛下と一緒ですね。

K.I.3の4枚口も、白3,色無地1。やはり白はすべて違う生地です。オレンジ無地はエコノミークラスではめっけもんの120/2ブロードでした。衿はホリゾンタルワイドです。

ファミリーでのご注文。
左、母N子さん。メンズっぽくブルーOX無地のBDとレディスっぽくビンクの極細ギンガム。
中、娘婿は、リネンチェックのBDとオレンジピンクのプロードロンスト。
右、長男は、濃いめブルーのOXのBDと黒糸の厚手ツイルでスタンドカラー。
なかなか個性豊かな仲良しYファミリーです。

M.O.さん、レディス。パープルのギンガム、ワイドBDは良かったのですが、
薄ビンクOX無地のほうが、私の凡ミスで、衿型指示を間違えてしまい、作り直します。Oさんごめんなさい。

H.F.さんの3枚口。ブルーのドビーストライプと刷毛目無地。そして白のドビーストライプ。衿はニューセミワイドラウンドチップ。

左はK.I.さん、Kさんの会社のご同僚です。こういう紹介の輪は嬉しいです。
大胆なボールドストライプとブルーベースの刷毛目ストライプ、どちらもユーロBDというワイド気味のBDです。
右は、超常連のT.Y.さん。オンの白ドビーブロックチェックとオフのリネン100%のグリーンのチェック。

白とブルー、というご注文は割と多いパターン。
左、S.M.さん。どちらもブロード無地、ニューセミW。
中、K.H.さん。白ピンOXとブルーワッフル織り無地。どちらも定番のドレスBD。
右、A.F.さん。白2枚はドビーストライプでホリゾンタルワイド。ブルー刷毛目無地はクレリックのカッタウェイラウンド。

この8名様は皆さんS銀行の方々。水曜日の丸一日会議室をお借りしてオーダー会を開催しました。
今年で10年目になりますが、最初は白ばっかりだったご注文もノータイが定着してきて、ずいぶんと内容がばらばらに散ってきました。

後半受付のおふた方のシャツが届いたので追加掲載です。(2024.10.01.)

H.I.さんの4枚。タイドアップのドレス、ノータイのドレス、
カジュアルなBD 、と、バラエティに富んでいます。
衿型やボタンの色が違うだけでなく、着丈、カフの幅、前立のステッチ、ボタン位置の高さ、芯地の硬さ、など、一枚ごとに細かいアレンジをしています。
ほとんど私の判断でお任せコースでやっているので、多分ご本人さえ気づかない程度の差かもしれませんが、自信を持って快適に来ていただければ、それでいいんです。


最後は、超常連H.I.さんの3枚。仕事用の普段着2枚と、
遊びで着たいマルチなストライプをチョイス。ミラノ風のカッタウェイ衿とダブルカフでまるでシチリアのマフィアのようです。

みなさま、ご用命、誠にありがとうございました。




 


シャツを作ろう!!~秋のオプションフェア。9/7(土)~23(月祝)。有料OP3つが無料に。

内容はいつもと同じです。

8月に値上がりして初めてのフェアです。
オーダーシャツは年間受け付けていて、季節性もあんまりないので、
いつでも頼めるという反面、いつ頼もうかのきっかけを逃してしまいがちです。
ですので、年に何回かのこういうシャツのイベントで、背中押されたかな、と感じたときに
是非アクションを。お待ちしてます。



入荷速報。シャツを作ろう!! 秋の新しい生地が届きました。

秋冬物の紹介はシャツ生地から。
値上がり後の初めての新着生地です。

まずハイエンドのゾーン

左列上。カリビアンコットン・シルバー 100/2G。お待たせしました、タッタソールです。
とってもベーシックな配色なので、これは使えますね。
左列下はカリビアンコットン・ゴールド 120/2G。白ベースのストライプやチェックなど。
ドレスシャツといえどもノータイのシーンが当たり前になってきた影響でしょう。

右列上。インポート生地の雄、トーマス・メーソンThomas Mason。相変わらずいい色合いです。120/2または100/2です。
右列下。初登場、スペインのSidograsというところ。60/1なので色柄優先でお気に召せば、というところかな。

ポピュラープライスのゾーン

左列。シーズナル生地。グレー無地とかスレーキストライプあたりが使えそうです。
中列はリンクルフリーの新しい生地です。
右列。定番生地に新しい仲間です。ブルー生地が充実しました。


最後に、さっき届いたイベントの新情報。
オプションフェアは9/7(土)から9/23(月祝)までです。


出来上がり紹介(クロージング編)。スーツ、ジャケット、トラウザーズ、シャツ。2024夏の仕上がり品の数々です。

ここで出来上がり紹介をしておきましょう。
まずクロージングから。

スーツとジャケット

フォーマルを作ろう!!に乗っていただいた、Sさんの略礼服。
生地はおなじみ葛利のカシミア5%混の定番素材、一体これまでに何着作ってきたことか。
いい意味で季節感がなく、そして何より黒の発色がいいんです。
せっかくだからちゃんと作りましょ、ということで、
ピークドラペル、ノーステッチ、ノーベント、両玉縁ポケ、拝みボタン、
ただ組下トラウザーズはベルトループ付きにしています。

Yさんからジャケット2着のオーダー。
まずはサックスブルーのマイクロハウンドトゥース。極小の千鳥格子だから万鳥とでも言うんでしょうか。どっかで見たことある、と思った方、はい、正解、私とお揃いです。
私の着ているジャケットを見て、それいいね、ということで、お作りしました。
この生地、実はスーツ生地のバンチにありまして、英ハリソンズの夏物Mystiqueからの一色です。
もう一着は、伊ロロ・ピアーナ、バラケからのチョイス、ウール、シルク、リネン、の3者混、
青みがかった杢グレーのベースに2×3インチのブロックチェックです。いつ見てもアルデックスの柄合わせはうまいですね。



Fさんの紺ジャケ。カノニコのウールメッシュ。この生地も夏のおなじみ素材です。
やや屈身があるぐらいでそれほど難しいご体格ではないのですが、
ディテールへの指示が細かくて、気を使いました。
内ポケットには右だけでなく左にも三角フタを付けて、
脇ポケには右のように左にも忍びポケ(切符入れ)を付けて、
衿穴は手かがりで、センターベントの重なりは1cm深くして、
と、初めて受ける修正もありましたが、SavileRowClubのラベルを付けるからには
間違いは許されません。アルデックスさん、すべてかなえていただき感謝です。


Sさん、フォーマルと同時にご注文いただきました、英ハリソンズのSeaShellモカブラウン色。
今シーズンキャンペーンを張りました、シワにならない麻、です。



綿パンを作ろう!!、で、その1は、Iさんから、紺のチノパンを洗って履きたい、というご要望で、
仕上がった後に一度水洗いをして縮ませてから裾上げをしています。


綿パンを作ろう!!、その2はSさんのサイド尾錠つきベルトレス。
生地はサマーツイル綿100%のサックスブルー。
左ピスポケなし、裾ダブル4.5cm,も、Sさんのシンボルディテールですね。


綿パンを作ろう!!その3は、Aさんのオリーブグリーンのストレッチポプリン。
4月に受けたご注文が3ヶ月かかってしまいました。
最初につまづいたのが、バラケから選んだ生地の要尺不足。バラケだから生地追加は不可能かと諦めかけていたのですが、なんとかハギレのような数10cmを探してもらって、制作継続。
ところが最終工程で工場がミシン操作を誤っておしりのポケットの付近にミシンの針を刺してしまうというミス。ウール素材ならスチームでカバーできる程度のミシン穴ですが、綿素材なので隠しきれない、それでもなんとかしようと、水蒸気をかけたり熱を加えたり、それが更に状態を悪くして、もう修復不能に。こりゃ生地を最初から選び直して作り直すしかないと、Aさんに連絡すると、体調を崩して入院中とのこと。退院後にもう一度ご来店いただいて新たに色違いをチョイス。急いで仕上げてようやく出来上がったのがこの一本。大変お待たせしてしまって、Aさん、すいませんでした。



リンクルフリー・フェアでのシャツ。
高校3年間は一つ上の厳しい先輩、なのに大学4年間は楽しい同期、のテニス仲間、Kさんから、夏恒例の半袖二枚のご注文。さん付けなのにタメ口、は、この7年の因果です。
続いて白2枚はIさん。上はピンOXでニューセミワイド、下はツイルでドレスBD。前立のステッチ、背中のプリーツに違いを付けています。
薄いラベンダー色のワッフル素材は、製薬会社お勤めのKさん。転勤の多いKさんですが、帰省のたびに時間を見つけてご来店いただいてます。やや開き気味のBDは、この頃増えているNewセミワイドBD版です。


長年の顧客のNさんとご結婚されたMさん、オケでホルンを奏でるそうで、
動きやすく、ニット素材で七分袖のシャツです。レディスらしく、カッタウェイラウンドの衿で、梅花のボタンを付けました。


Yさんご夫妻からリバティプリントの半袖3枚。
左はメンズ、かのウィリアム・モリスのいちご泥棒。綿ローンの素材なので、裏前立&ホリゾンタルワイドで。
中央、メンズのリネンのプリント。植物図鑑のような色柄で白地なので、レインスプーナーっぽく、アメリカンなNewショートレギュラーという新しい衿を付けまして、前立もしっかりとステッチの効いた表前立てに。
右はレディス。リネンの色違いです。色違いのペアルックで、夏はどこにお出かけでしょうか。


同じくYさんから、お仕事用の3枚。変わらぬサイズ、変わらぬカタチ、で、
左の2枚はカリビアンコットンSilver100/2Gのオックスフォード。濃いブルーと白。
ピンクだけは濃い色にしたくてグレードを上げてGold120/2GのOXをチョイスしました。


メンズのように見えますが、ショートラウンドの衿、梅花のボタン、細い前立、で、レディスとわかります。Kさんのご注文。
生地も綿100に見えますが、リネン混、しかもカリビアンコットンGold120/2Gとのブレンド。
これは絶対に着心地がいいはず。
これで夏を乗り切りましょう。

と、まずはここで一区切り、です。シャツはこの後、エコノミー・サービスへと続きます。
続いて、別稿で、カシミアセーターの仕上がり、さらに値上げ前の駆け込みがありました靴の仕上がりをご紹介します。