倶樂部余話【445】体験の2days はこちらからお読みください。
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出来上がり紹介の続きです。
出来上がり紹介、続きます。

Kさんから甥っ子Mさんに就職祝いにオーダー靴のプレゼント。
最もオーソドックスな一文字(キャップトゥ)でスワンネックステッチ入りのES02。
中底に漢字でフルネームが刺繍してありまして、真上からの撮影が憚られました。
紐が通ってないのは、紗乃織の蝋引き紐を付けるため、デフォルトの紐を通さないで納品させたためです。
注文靴ではなく、これは取り寄せ品。Hさんから宮城興業のSt.Relaxの客注です。
この靴、実は私が自転車通勤用に毎日のように履いている愛用品と同じカタチのものです。
シャツです。
ここからはシャツのエコノミーサービスの仕上がり品です。
Iさん、四つ葉のクローバー2枚に赤唐辛子の3枚口。
Kさん、濃いめのブルーのブロード無地と、スレーキストライプの2枚口。
Nさん、ブルーの刷毛目ストライプ、ピンOXの白無地はBD,シルキータッチの白キナリとブルーのロンストはnewセミワイド、の4枚口。
Kさん、白2枚。ツイルとピンOX。写真で違いがわかりますか。
Mさん、白とブルーの夏っぽいマルチストライプ・ブロードとオックス素材のタッタソール・黒xブルー。

Mさん、クレリックのタプカラーは久しぶりのご注文。ポケットの下あたりにイニシャル刺繍入り。
Mさん。生成りベースのストライプやドビーストの白やブルーなど。
衿型やボタンの色で様々に変化をつけました。
Nさんもカジュアル主体。ベージュ無地のツイルと濃紺のキャンディストライプ、
色ボタンや猫目ボタンで、変化をつけました。

京都からテレビ電話で注文のHさん、4枚口。白、ブルーはいいとして、
チェックの2枚は、丸く並べた写真の「何時の方向のピンク」とか「いやそれじゃなくてその隣の…」
なんて話しながら楽しく決めました。
Hさん、白とブルーの無地ピンOX 。こういう全く普通のおんなじ2枚口、というのは、案外少ないんですね。
レディスIさん。細かいドビーストライプで白とブルー。衿型やボタンで違いを付けてます。
Iさん4枚口。白2枚とチェック2枚は用途が違うので、着丈も衿型も異なりまして、
色々遊んで変化をつけています。

これは私。ずっと前から気になっていたマルチストライプなんですが、
何年も続けて入荷してきたのでよほど売れないのかとちょっと可哀想になって私が引き取りました。
ここからは職域オーダー会、某金融機関某支店の会議室を一日お借りしました。
今年で11年目になります。始めた頃は白無地のオーダーばかりでしたが、クールビズ、コロナ、を経て、中身も随分変わりました。
ざっとのご紹介になります。
メンズと
レディス。
このエコノミーの仕上がりが9月に届いて、これで春夏物の一区切りとなります。
写真の写りが悪かったり、急ぎの送りやお渡しで写真を撮り忘れたものもあったりして、
すべての仕上がり品を紹介することができません。
「わたしのが紹介されてないじゃん」と、お怒りの方もいるかも知れませんが、
どうかご了承ください。
秋冬物の出来上がり紹介はまたいずれ。
入荷速報。オーダーシャツの生地、追加がありました。11月のイベントもお知らせします。
出来上がり紹介。怠けているうちに溜まってしまいました。いろいろあります。
春夏期の出来上がり、掲載をサボっている間に秋になっちゃいました。
急ぎご紹介します。
☆県東部のS.T.さんの夏ジャケット。
伊カノニコのウールメッシュ。この生地も今まで何着作ってきたか、
いっときは、紺とベージュの2本立てで「麻に見えるウール」と銘打って、半反ずつ生地ごと買い取って訴求したこともありました。ロンクセラーの夏のジャケットの定番です。
☆岐阜県のH.K.さんのスーツ。
葛利毛織の定番トロピカルです。
☆東京都のGさん。まずは英ハリソンズのSeaShellで上下です。

テトロン混の皺にならないリネン。杢調の色合いもいいです。
上下でお作りしましたが、スーツで着るというよりは、上下バラして単品での着用が多いのではないかと思います。
☆同じくGさん、ジャケットで、英ハリソンズのミスティーク紺ピンヘッド。

無地に見えるような極小の柄、ピンヘッドです。ミスティークはウールのスーツ生地ですが、
その中からジャケット単品で行けそうな生地をチョイスしました。
それに併せてGさんはコットンのトラウザーズを2本ご注文。
ドメスティックの生地で、ストレッチコットン、紺とベージュです。
☆県中部のMさん、スーツです。

困ったときのフロンティア、というくらい、今までも多くのお客様におすすめしてきた英ハリソンズのフロンティア。平織り300gのよそのどこにもない重宝素材です。
明るめの紺と明るめのグレーの2着。
シャツ5枚口も同時にご注文です。
左がユーロBD、右がロールドレギュラー、カラーステイのない柔らかな衿です。
☆県中部のIさんからトラウザーズ、レディスです。
これは以前に作ったジャケットをスーツとして活用したいということで、
同じ生地で組下を作りました。
何年か経っていたので同じ生地があるかどうか、というところでしたが、
葛利毛織さんが生地を作り続けてくれていて、実現しました。
釜違いの色違いもなく、良かったです。
☆県中部Fさんのスーツ。
葛利毛織の春夏定番、毛100% トロピカル。やや青みのあるチャコールグレーです。
☆靴です。県西部のMさんフルブローグ
チゼルトゥのフルブローグ、ヒールカップつき。リピートオーダーです。
靴は昨年値上げ前の駆け込みが多かったので、今年の注文が激減してます。
予想できたこととはいえ、落ち込みは大きいです。
シャツです。どんどん行きます。
リバティプリント、レディス。
カリビアンコットンの白ピンOX。
Aさんの8枚。カンクリーニ、トーマス・メイソンのインポートや、
アイスコットンなど夏の清涼素材も。長袖あり、半袖あり、と様々。
間違えないようにオーダーを入力するのに、神経を使います。
100/2ブロードの黒無地ですが、実はロングセラー品番。黒の色の出がいいんです。
メンズ仕立てで女性の着用です。
これもレディス。リンクルフリー白ロイヤルOXとシアサッカーの黒無地。 
Oさん、「いつも」のリンクルフリー・白ロイヤルOX x 2枚口。 
レディス、カリビアンコットンSilver100?2Gの赤ギンガム、クレリックのラウンド衿はKさんのアイコンオプションになりました。
これもレディス、ミットスリーブ(七分袖)。リンクルフリーの白ロイヤルox
リンクルフリーウェア中のオーダーです。白ロイヤルOXのBD。
夏でも着られるタッタソール、というMさんのご要望で、
カリビアンコットンSilverのブロード生地を選びました。
チノシャツ、のオーダー。薄手のチノパン素材でシャツを作ってみました。
Fさん、定番のブロード無地で、色違いで衿違い。白は弔事用とのことでレギュラーカラーに。 
Yさん、ハードマンのリネン白無地はホリゾンタルワイドで2枚同じ。
右2枚夏素材アイスコットンなど、フィナモレタイプのナポリカッタウェイ
リンクルフリーの白無地ですが、遊びを付けたくて、ボタンをチャコールにしました。
まだまだ続きますが、取り急ぎ、このあたりで一区切りにします。
糸偏雑筆【4】 誰も教えてくれないネクタイの基礎知識
第4回はネクタイの話です。
ネクタイはドレススタイルの要であって一番自己主張のできるアイテムです。ネクタイだけで一冊の本が書けるくらいたくさんのネタがありますが、ここではホントに基本中の基本、だけをお話します。近頃はノーネクタイスタイルも定着して、ますますネクタイの基礎知識を伝授する機会も減ってきました。知ってる人には当たり前、知らない人には目からウロコ、のお話になるでしょうか。
いちばん大事な2つのこと。その1。ネクタイの幅はスーツの衿の幅と等しい。例えばスーツの衿幅が8cmくらいならネクタイの大剣(大きな方の剣先)の幅も同じく8cmくらいでないといけません。何もミリ単位で正確に合わせる必要はありません、大体同じならいいのですが、経験上から言うと、1.5cm以上違いがあると奇妙に映ります。許容範囲は1cm未満としましょう。(ニットタイは例外的に細くてもOKです)
話はそれますが、そもそもスーツの衿幅というのは体型によって違います。体全体のバランスなので、同じブランドの同じデザインでもです。ちょっと想像してみればわかりますよね、大男と小人の上着の衿幅が同じはずがないんです。いつも言うように、スーツスタイルの良し悪しは基本的に減点主義なので、違和感を感じたらそれは✕なんです。とても普通に見える、少しも気にならない、というのが◯の合格ラインなんです。
その2。ネクタイの長さはベルトの穴の位置。これ、意外と皆さん適当です。でもこれがベストバランスです。この長さの調整は身長や首の太さだけでなく、猫背か反身か、お腹が出てないか、などでも人それぞれ異なりますので、正しい位置に決まるまで納得のいくまで何度もやり直してみてください。 慣れてくると結ぶときの大剣の余り方でおおよその感覚は掴めますが、何度やってもうまくいかないときもあれば、一発で決まるグッドモーニングな日もあります。ネクタイの全体の長さというのは日本製だと概ね145cmぐらいなのですが、欧米のものだととても長いものもあって、小剣側が大剣側よりも長く余ってしまうことがありますが、そんなときは余った小剣側はズボンの中に仕舞っちゃってください。
さて、この2つのルール、これを見事に外してくれるのが、ドナルド・トランプ氏です。あの大柄な体型にタイが細すぎるし長すぎる。とてもだらしなく見えますが、多分わざとでしょう。ファッションに頓着ない、という演出です。
結び目については、説明を省きます。シャツの衿型、スーツのゴージライン、体格、趣味嗜好などなど、多くの要素が絡みますので書ききれません。とりあえず、普通のプレーンノットだけ覚えてくれればいいです。色々やってみて、もっと大きく結びたいな、とか細長く結んでみたい、とか、欲が出てきたら順次覚えてください。
ここではディンプルの話だけします。dimpleはエクボのことですが、タイの結び目のくぼみを指します。これはぜひ覚えてください。指3本で生地をM字型につまんで引っ張ります。まずは中央にきれいなディンブルを作れるように練習しましょう。それができるようになったら、くずし、に進みます。ディンブルの位置を少し左右にずらしたり、後ろの小剣側を少しだけ見せるように外しの技を付け、タイをより装飾的に立体的に魅せていきます。ただし、この外しの技が必ずしも好印象につながるとは限らないので、そのへんは臨機応変で。ディンプルは遊びの要素なので、好まない人もいます。徳仁天皇はディンプルをあまり好まないようです。それから、大事なこと、葬式ではディンプルはタブーです。入れてはいけません。遊びの要素は排除しないといけないからです。
色柄についてもここでは多くを語りません。タイはその人のパーソナリティが最も主張できるパーツですから、強い主張を出したいのか弱みを示して同情を引き出したいのか、冷静沈着なのか柔軟寛容なのか、目立ちたいのか目立ちたくないのか、季節感は必要か不要か、それぞれのシーンに相応しい色柄というものを探してください。
ただストライプの話はしておきましょう。ネクタイというのは、趣味嗜好だけでなく、その人の属性を象徴する道具としても使われます。ストライプのネクタイのことをレジメンタルと呼ぶのを聞いたことがあるでしょう。Regimental、つまり連隊、を意味しますが、英国の軍隊では、連隊ごとに固有のストライプを持っていたのでそれに由来します。わかりやすいのは学校の制服でしょうか。あれがバラバラだったら制服になりませんね。ストライプのタイはある団体に帰属していることを誇示する場合に着用される場合が多いので、誤解を招かないような配慮が必要になる場合があります。添付した写真のタイは年に二回ぐらいしか使いませんが、出身大学関連の催しの際に限定して着用します。
ちなみにストライプのタイの向きに英国式と米国式があるのを知ってますか。ストライプの向きが右手側に下がるのが英国式、左手側に下がるのが米国式です。なぜこの違いがあるのかはわかりません。私の想像ですが、左側通行と右側通行の違いが関係しているような気がします。誰か知ってる人がいたら教えて下さい。(弥)
参考までに。
倶樂部余話【365】平成の終わりに(2019年3月1日)
https://www.savilerowclub.com/yowa/archives/611
倶樂部余話【429】 新しいウェルドレッサー (2024年7月1日)
https://www.savilerowclub.com/yowa/archives/1075








