倶樂部余話【六十九】不変と普遍(一九九五年一月三一日)


連日の地震の報道にワープロの手も止まり、年初のご案内が遅くなりました。

すでに店内は、冬物の最終処分も残りわずかとなり、バレンタインに向けて、春物が順調に続々入荷中。同時に、いつ目がかゆくなるのか、びくびくしています。

恒例「今年はこうなる」ですが(そのまま自社の朝礼に使った大変無謀な(?)お客様もおりました)、今年はかなり読みにくいな、と感じています。価格破壊は恐らく世知辛さの限界まで突き進むでしょうが、反面「バブルも悪いことばかりじゃなかったな」という声も聞こえ始めました。どうも今は次の時代に移る前の短い反動期のようで、ここからどこへ変化するのかを考えた方が良さそうです。大切なことは、どんなときにも変わらないもの・変えてはいけないこと(クラシック)と、変化に対応しその時代に普遍的であるもの(スタンダード)との違いを見極める判断ではないでしょうか。

開店十年目、変わらぬ「セヴィルロウ倶樂部」であるために、変えるべきところは変える、そんな決断の勇気を持たねばならないと感じています。