最近とみに関心の高まっている「フォーマルウェア」について。
まず、一般に礼装と呼ばれるものは、実は、フォーマルウェアとソーシャルウェアに分類される。フォーマルは「フォーム」のある、つまり儀礼の服であり、ソーシャルは「ソサエティ」つまり社交の服である。例えば、教会などでの結婚式はフォーマルで、その後の披露宴はソーシャルと区別できる。(但し、新郎新婦、仲人、両親家族はフォーマル圏内)
ソーシャルはフォーマルの応用であるので、まずフォーマルの基礎知識から。
第一正装。日没を境に(夜の方がより正式である)、夜は「燕尾服」(但し、日本では宮中行事かオーケストラの指揮者ぐらい)、そして、昼がいわゆる「モーニング」である。
略礼装。夜は、黒地で上着に拝絹・下に側章付きの、いわゆる「タキシード」。昼は、黒のシングルの上着にモーニングの縞のスラックス、これが「ディレクターズスーツ」と呼ばれるものである。
ちなみに、四姿すべて昼夜逆の着用はできないのが本来であるが、日本においてはタキシードとディレクターズスーツに関しては寛容である。
また、多くの人が便利に着用している黒のダブルスーツもあくまでも日本だけのもの。国際的に通用するディレクターズスーツをお勧めする。
もし外国のパーティの招待状に、ホワイトタイ着用とあれば燕尾服、ブラックタイとあればタキシードでなければ出席できない。
また結婚式においては、花婿は主役であるからモーニング、仲人は準主役として花婿と同格か一格下を、父親は末席に着く立場であるから控え目にディレクターズというのが望ましい。
葬儀も、喪主家族はモーニング、親類はディレクターズというのがルール。祝儀とはネクタイなどが異なることは言うまでもない。
いずれのスタイルも、シャツやシューズなどにも様々なルールがある。知らずにうっかり間違えてしまうと、後で恥ずかしい思いをすることになる。聞くは一時の恥、どうぞその前にご相談をいただきたい。
※バブル期には今では想像もつかないほど、12月にクリスマスパーティが多かったような気がします。そんな需要を当て込んだ一文だったのでしょう。ただ、スペースが足りず、説明の足りない部分もありますね。
なお、フォーマルについては、後年【一八六】で素晴らしいルールブックを紹介しています。