倶樂部余話【一八六】書籍紹介(二〇〇四年六月三日)


近ごろ読んで、元気の出た本を3冊ご案内します。

①「横浜ゴールドラッシュ」(北原照久・著、一季出版・1,260円)…先日、湘南・佐島の北原邸でのパーティに参加した折、(当日の模様のレポートはこちらを見て下さい!) 北原さんのサイン欲しさに買い求めたものだが、無一文の彼がいかに運を味方につけてきたか、が小気味よく描かれている。 彼から直接聞いた、運をつける10ヶ条の10番目「運は、自分は運のいい奴だ、と思い続けている人のところにやって来るものだ。」には大いに感動。何しろ元気になった。だから私もみんなを元気にしてあげよう、と思った次第。 (この本、版元ではすでに絶版のようですが、横浜や清水(エスパルス・ドリームプラザ)などの北原さん関係の施設には常備在庫があるようです。)

②「紳士礼装の『かたち』と『こころ』」(川淵勉・著、繊研新聞社・1,800円)…フォーマルウェアのルールを我々業界人向けに書いた本。決して自分に自信がなかったわけではないが、今まで皆様に説明し続けている内容に間違いがないことの確証を得て、ホッと一安心。 フォーマルの着こなしは決して難しいものではない。原則は3つだけ。まず時ありき、礼装は2種類しかない、みんなが同じ装いを。 フォーマルを「かたち」良く着こなすコツは、これで間違いない、これでいいんだという自信の「こころ」を持つことだ。 (一般書ではないので、これも書店にはまず置いてません。ご購入はこちらへ。)

③「なぜ通販で買うのですか」(斎藤駿・著、集英社新書・735円)…筆者は、「通販生活」を出版する(株)カタログハウスの社長。そのルーツがかのルームランナーだったとは知らなかった。 その記事的広告の手法が経費節約の必要から生まれたものだったというくだりも面白いが、大変感銘を受けたのは、彼の主張する「小売りジャーナリズム」論。 「消費者に代って小売りが商品を選ぶ。消費者はその選ばれた最終商品(小売り側の結論)に対して賛成するか反対するかを選ぶだけである。」とか、 「それぞれの小売りがそれぞれの自己表現で競い合う。それぞれの自己表現が消費者における商品選択の標識になっていく。そうなるといいなあ、と思う。」という思いに、学生の頃の一時期に新聞記者を志したこともある私は、いたく感動してしまい、自らの目指す店づくりに一光が差したような気にさせてくれた。 巻末、拙著と同義のあとがきには、思わず失笑。 (これは新刊新書なので書店ですぐ手に入ります。)


※まだアマゾンがなかったころに書いた文だということがわかりますね。