【倶樂部余話】 No.306 日欧消費税談義 (2014.3.19)


 アイルランドから古い友人が静岡へやってきた。おでんをつつきながらの話題は、なぜか消費税(欧州では付加価値税Value Added Tax、略してVAT)に。
 ―欧州のVATは大体20%台で、アイルランドではいっとき35%なんていう時期もあったんだ。税率はしょっちゅう少しずつ変わる。上がるばかりじゃなくて下がるときだってある。一年足らずで変わることも珍しくないから、時々今何%だったか忘れてしまうこともあるくらい。値札? もちろん税込表示。実際に払う額と2割以上も違ってたら値札の意味がないじゃないか。税率が変わったって普通はそのままだよ。適当なときに変えやすいものから都合よく好きなように変えてるんじゃないかな。日本は違うの?
 +日本は17年振りに5%から一時的に8%を経て一気に10%と倍になる。みんな徹夜で値札を変えるんだよ。しかも税抜き表示も例外的にアリときてる。
 ―17年も変えなかったのにいきなり倍とは、ずいぶん大胆だな。一晩で値札を全部書き換えるなんて信じられない。それはやらなきゃいけない義務なのか。
 +日本では定価(希望小売価格。recommended retail price、略してRRP)の決まっている商品が多いから、それに等しく税額を乗せて表示しないといけない、と考えているんだろうね。昔の物品税に近い感覚かな。欧州は20%以上もあると税というより経費の一部という感覚になっているんじゃないだろうか。
 ―なんだか日本人はクレイジーだよ。日本語で何て言うんだ?
 +んー、マジメ…ってことかな…。
 ―ところでコレうまいね、何だろ?
 +あ、それ、黒はんぺん。静岡名物ね。
(弥)