倶樂部余話【444】パンツの話 (2025年10月1日)


 トラウザーズではなくて下着のパンツの話。家族以外は知らない私の秘密をお話しします。
 私、人とはちょっと違うパンツを英国から買っています。って、何も性癖じみた話じゃないですよ。写真のようなもので、英国のチェーンストアMarks&Spencer(M&S)のブリーフ5枚組、スリランカ製、綿90%ポリウレタン10%。その時々で異なる色柄のアソート5枚セットで、写真のものはポンドではなくて32ユーロの値札が付いているので恐らくダブリンかゴールウェイのM&Sでかなり前にまとめ買いしたものでしょう、一枚千円ぐらいの大衆品です。
 もう20年以上も前になるでしょうか、この手のものがどこを探しても見つからなくて諦めていた頃、ダブリンのM&Sでこの品を発見、以来愛用を続け、海外出張の際にまとめ買いしたり、足りなくなるとわざわざ英国から通販で取り寄せたり、一体何十枚履き続けているのか私にも見当がつきません。男性しかわからないでしょうが、これじゃないと「収まりが悪い」んです。
 いよいよ最後の一組に手を付けたところで、そろそろ次の購入を検討しないといけないな、と、もう一度ネット検索をしてみました。そもそも国内はトランクス全盛の時代でブリーフはかなり少数派、スポーツ用の超ビキニだったり、股上が深くても爺さんみたいな白無地しかなかったり、とか、で、やっぱり食指の動くものがまったくありません。
なんでここでこんな告白をしたのか。え、ちょっと遊んでみたくなりました。多分多くの方はこう思っているでしょう。そりゃ、野沢さん、ないものねだりだよ、そんな化石のような変人は他にいないよ、と。でももしかしたら、いやぁ自分も同じ思いをしてたんだ、貴重な情報をありがとう、という人がいるかもしれない、一人でも二人でも、いるかもしれないでしょ。あんまり知られてないけどいいものを自分の視点で紹介すること、これが私の仕事の本質だとすれば、それこそ私の本望ではないか、なんて考えたんですね。
 倶樂部余話はネットのお陰でハガキ時代に比べて読者数が格段に増えました。なかには私の存じ上げない方もいて、そういう方々からご意見やご感想をいただく機会も多くなりました。だからちょっと告白して遊んでみようと思った次第です。(弥)