倶樂部余話【445】体験の2days (2025年11月4日)


 たまにはブログ風に週末の体験を。

 11月始めのとある土曜日、出身小学校の創立150周年式典に東京都杉並区まで出かけました。この学校については半年前に倶樂部余話【439】でも触れているのでここで多くを語る必要はないのですが、55年振りのホームカミングディはとても感慨深いものでした。  
 今まで数多くのアニバーサリーイベントを経験していますが、150年というイベント、明治という時代を身近に感じさせてくれる機会にはなかなか出会えるものではありません。亡き父は慶應4年創立の大学の150周年式典に出席できたことを何よりの栄誉と自慢していましたが、そもそも大学と小学校では卒業生の数が全く違います。大学の卒業生は何百万人いるか知りませんが、、対して我が小学校の卒業生はわずか18,000人足らずだというのです。この数の少なさには驚きました。確かに一学年せいぜい多くて150人くらいですから、いくら150年掛けてもそのくらいの数にしかならないんですね。
 おまけに、明治始めの新学制発足時に寺子屋等を母体にして創立された公立小学校は全国で数多くあったはずなのですが、その中で、今も統廃合なく存続し、なおかつ少子化の時代にあって児童数が増え続けている、なんていう小学校は実に珍しいのではないでしょうか。例えば父の母校静岡市立城内小学校は明治3年に藩校付属校として設立されましたが平成19年に併合のため廃校となり残念ながら137年でその歴史を終えています。
 満席の公会堂で卒業生として参加しているのはわずか14人。公募したらきりがないからなのでしょうか、多くは卒業後も母校に何らかの貢献をした方々のようです。卒業と同時に引っ越してそれっきり、自ら学校に問い合わせ押しかけ参加するような輩は私ぐらいなものなんでしょう、それだからからか、校長にはいたく歓迎されました。現役の6年生に導かれて55年振りに唄う懐かしい校歌、涙が溢れて声になりませんでした。いい思い出になりました。

 この日はもう一つ行きたいところがありました。東京ミッドタウンで初日を迎えた「2025年度グッドデザイン賞受賞展」。米富繊維のTHIS IS A SWEATERの企画が今年度のグッドデザイン100に選ばれたのです。(詳しくはこちら ) 会場には私が大いに協力したモーリンのセーターのレプリカ(詳しくはこちら )が私の描いた小冊子(中身はこちら )とともに展示されていて、まるで自分が受賞したのと同じような気分に浸ってました。
 六本木まで歩いたら、やにわに鶏そばが食べたくなって香妃園に。これも43年ぶり、夜遊びしてた頃の思い出の味です。ご機嫌で帰宅。

 翌日の日曜日は静岡市ツインメッセに朝から一日いました。1000人規模の恋活(婚活とは言わないらしい)イベントにトークブースのひとつとして参加しました。主催者のオフィスが当社と同じ場所の斜め向かいというご縁からの誘いでしたが、実はこのお話を頂いたのが糸偏雑筆 を書こうかなというきっかけにもなったので、そういうキホンのキを話せる機会としてのテストケースでした。結果としては満足とは言えませんでしたが、いい勉強になりました。好きの反対は嫌いじゃなくて無関心、とは近頃よく言われますが、この無関心な人たちをどう導いてあげるのか、こりゃ大変だなぁ、と実感しました。5-6人に30分ぐらいの糸偏雑筆な話をしただけでしたが、アウェイ感たっぷりで疲れました。でも面白かったです。

 ということで毎月1日発行が原則の倶樂部余話が3日も遅れたのも珍しいことであります。あしからず。(弥)