【倶樂部余話】 No.304 新しいお客様を増やそう (2014.01.16)


 新年を迎え、今年の店のテーマに掲げたのが「新しいお客様を増やそう」です。これには二種類あって、初めての方はもちろんですが、履歴があるのに縁遠くなってしまった方の復帰も含んでいます。
 当店は固定客比率のとても高い店だろうと思います。そして固定客はその年月が長くなればなるほど購買額は徐々に減ってくるのが普通です。そんな店がわざわざ取り立ててこんなテーマを打ち出せば、従来の顧客の方々には「この店は我々を見放すのか」と怒られそうですが、いや、そうじゃないんです。逆なんです。
 固定客に頼りすぎて、顧客にしがみついて、新陳代謝を忘れたために消えていった店を、私はいくつも知っています。そうならないために、今の顧客が将来もずっと楽しくご来店いただける店であり続けるためには、常に新しいお客様を増やしていかなければなりません。そしてその最も有効な方法は、顧客から新しい方を紹介していただくことです。
 だからといって、紹介料を出すとか、割引するとかオマケを付ける、などという手段は取りません。それは必ず人間関係を悪くします。友人との自然な会話のなかで「洋服、キミどこでどうしてんの?」「シャツとか靴とか作ってみたくない?」と話題に出していただければありがたいです。(セヴィルロウが新しい客を増やしたい、って言ってたよな)と心の片隅に覚えていて欲しいのです。その小さな積み重ねが大切なんです。
 今年もどうぞご贔屓に。よろしくお願いいたします。(弥)