倶樂部裏話[2]ご友人のご紹介について(2001.4.26)


 メンバーズのお客様が、新しいお客様をお連れになって、お見え下さることがあります。まるでスタッフのように、当店の品々をご友人に紹介してくれて、 とてもありがたく感じます。
 類は友を呼ぶ、というごとく、そのご友人の嗜好もまた、当店好みであって、今後も末永くお付き合いいただけるだろう、と感じられる方には、こちらからお願いして、お名前ご住所などのプロフィールをご記入いただき、新しいメンバーズに 加わっていただくことになります。
 ところが、良くも悪くもかなり偏った嗜好の当店ですので、せっかくお連れいただいたご友人の方といえども、明らかに「この人は違うな」と思える方もおいでになるわけです。
 そんなときに困ったことが起きます。お友達同士の会話の中で、「私のところにはこの店から毎月ハガキが来るんだけどね、これが結構面白いんだ。」「そうだ、ねぇ、野沢さん、毎月のハガキ、この人にも出してあげてよ。」
 こう、お客様から言われては、そのご友人の手前、お断りする訳にもいきません。お名前やご住所を頂戴し、ご案内を出すには出しますが、失礼ながら、まぁ、ほとんどといっていい程その効果は見込めません。そのまま 一年後に非来店客のリストに載り、継続希望か否かを催告するも何のお返事もなく、スリープ客のファイルに移されていくというのが、オチです。
 よく、うちのコンピューターには何千人のデータが入っている、とその数の多さを自慢する店がありますが、多けりゃいいというものではありません。客でもない人にDMを発送したって、それは自己満足であり経費の無駄であります。 我が家には九年も前に他界した母に着物屋からの年賀状がいまだに届きます。
 当店では毎月20~30人の新しいメンバーズが加わっているにもかかわらず、総数は年間で100名も増えていません。失礼な言い方ではありますが、名簿を見直し、「ふるい」にかける作業を年に2回徹底して行っているからです。 もちろん「ふるい」は単に買い物金額だけではありません。良く言えば総合的に、有り体に言えば独断と偏見で、じっくりと見分けております。
 つまり、いささか恩着せがましく聞こえるかもしれませんが、この裏話をこうして、お読みできる方というのは、当店から選ばれた大切なお客様だけだということなのです。
 物販店の宿命として、来る人を拒むことはできません。しかし、専門店として、店が客を選ぶことは必要だと考えます。ですから、当店のメンバーズとは、店のほうからお願いして加わっていただくものなのだということを、どうかご理解願います。
 もちろん、お知り合いの方にはどんどん当店をご紹介いただきたいと願っております。 しかし、いくらあなたの知己といえども、その方をあなたと同じような優遇に処させられるとは限りません。その判断は一旦当店にお委ねいただきたい、と思うのです。(弥)