倶樂部余話【一四六】見掛けは大切(二〇〇一年五月二四日)


いつの頃からか、私は、免許証の更新には必ずスーツを着ていくようにしています。 「ちょっと免許証を拝見」と言われる時はほとんど自分が疑われている場面だと気付いたからです。

オペラ観劇や格式高い会食などでの服装についてご相談を受けると、「考えられる限りで一番良い格好でお出掛けなさい。」とご助言してます。「ここまでしなくても良かったかな。」と 多少気恥ずかしい思いをしたとしても、「もっとちゃんとしてくればよかった…」と後悔して気後れすることを考えれば、遥かにマシだと思うのです。

「人は見掛けによらない」と言いますが、それは、見掛けなどどうでもいい、ということではなくて、それ程に見掛けは大切なものだ、と考えなければいけません。 特に男性にはこれを思い違いしている方が多いようで、Tシャツ短パンにサンダル履きでスーツを選びに来るような一見(いちげん)の方は絶対そうに違いありません。

ただ、品格と服装は別物で、「ボロは着てても心は錦」もあれば「錦を着てても心は??」ということだってあります。で、今回の結論。品格を服装で補うことはできませんが、服装で品格を疑われることはあるのです。