【倶樂部余話】 No.244 昼下がりの客かぶり (2009.5.1)


 「昼下がりの客かぶり」がなぜか当店では最近顕著です。一日約九時間の営業で、実際にお客様が在店している時間はその半分程度でしょうか。平日なら来店客が十人を越えることも稀で、本来は二人のスタッフで充分に手が回るはずです。ところが、近頃きまって昼下がりのある時間帯に来店客が重なるのです。二組まではお相手できますが三組四組と短時間にかぶりますと挨拶もろくにできないうちにお帰りになってしまいます。「相手ができなくて、ごめんなさい、また来て下さいね。」の声すら掛けられないこともあります。重なった方には(いつも客のいる繁盛店だな)と思ってもらえたかもしれませんが、実はそういう日に限ってそこから夜八時までずっと閑古鳥が鳴いたりして、(ほんの十五分だけでもずれて来てくれると良かったんだが…)と願ったところで仕方もありません。
 私は予約制というのがどうも好きではありません。一人一人のご来店には思い思いの理由と事情があり、お客様にはご自分の都合で自由に来ていただきたいのです。が反面、迎える私たちとしてはなるべくなら重なることなくご来店機会を分散できるにこしたことはありません。
 この話をここで披露した理由、それはこれを読んだお客様がどうご来店されるか、もしかしたら何らかの変化が現れて、それで「昼下がりの客かぶり」が幾分かでも解消されるのではないか、と期待したからなのです。いかがでしょう。(弥)