【倶樂部余話】 No.268 東日本大震災にあたり (2011.3.25)


 信じられない大災害が起こりました。戦争を知らない私たちにとって、五十年生きてきてこんな惨事は初めてです。被災された方々を悼む気持ちで一杯です。
 この大震災で、全国各地のいろんなイベントや祭りが中止になっています。もちろん交通や設備などの諸問題で現実的に開催ができないという催しもあるのでしょうが、中には「不謹慎との批判を恐れて自粛」というものも多いようです。これは何か違うと思います。誰が不謹慎だと非難するというのでしょうか。自粛すればそれは謹慎なのかなぁ、と思います。「こんなときに遊んでる場合か」と言う人はいるかもしれません。でも「遊ぶ」仕事をしている人は、真剣に真面目にその仕事をしているのです、決して遊びながらふざけて仕事をしているわけではないのは当然です。自らの仕事を果たすことと哀悼の思いとは全く別のことです。
 大きな言い方をすると、経済を回すこと、が大切です。消費を止めない、小さくしないことです。お金は流れることでその節目節目に利潤を生み、その利益の中から社会の復興原資が賄われていくのです。義援金はどれだけ集まっても一時金です。
 東北地方には紳士服、婦人服、ニット、シャツ、靴などのファッション製品の製造工場がたくさんあります。それらのファクトリーにこれからもたくさんいい仕事をしてもらう、それが私たちの産業ができるささやかな復興支援です。しばらくはできるだけ日本製を優先して売ることにします。日本国内でお金が回るように心掛けることも大切でしょう。(弥)