倶樂部余話【408】令和4年台風15号(アジア名「TALAS」)(2022年10月1日)


 今回は予定を変えて書きます。この度の台風被災について、触れないわけにはいかないからです。

 静岡県に大きな被害をもたらしたあの台風から一週間。未だに被害状況の全容が掴めていないほどの大規模災害となってしまいました。具体的な被災事実については報道で繰り返し伝えられていますのでここでは詳しく述べませんが、48年前の「七夕豪雨」以来、というフレーズは頻繁に出てきます。1974年当時は私はまだ高校生で藤沢に住んでいたので、この静岡の七夕豪雨の様子を実際には知りません。なので、これほどの台風被害に遭遇したのはこれが生まれて初めてということになります。死者が一人も出なかったことが不思議なほどです。
 原因は一つの台風なのに、河川等の氾濫、斜面の崩落、家屋の損傷、交通・通信の遮断、停電、断水、と、広い県内のあちこち、西から東、街なかから森林部まで、いたるところで違う形での被害が発生していることに驚きます。思えば、雨が降り風が吹き川が溢れ山が崩れ、そうして肥沃な土地が生まれ、そこに人は生活してきた。その地球の営みの繰り返しの中で、人は自然へ手を加えて便利な暮らしを進化させてきた、自然の力のほうが人の力よりも強い、ということを時々思い直さないといけないなぁと感じます。

 月並みな言い方しかできませんが、被災された方々には心からお見舞い申し上げます。
また、一日も早い復旧をお祈りいたします。

 私のところにも、県外はじめ海外からも「静岡、大丈夫?」とのお見舞いのメールや電話をたくさん頂戴しました。幸い自分のところについては、家屋も家族も無事で、深夜2時から12時間の停電で携帯もWiFiも通じず不安な時間を過ごしたことと、妻がたまたま新幹線で17時間の足止めを食らったことぐらいでして、他所様に比べれば極めて微細な被害で済みましたので、ご報告かたがた厚く御礼を申し上げます。ありがとうございました。

 ただ、情けないことに、私が何処かへボランティアで手伝いに行くわけでもなく、多額の義援金を拠出することもできません。そんな私のできることは、日常の生活を取り戻している身の上を幸いと感じて、日々与えられた職業を精一杯全うすることしかありません。仕事ができるという喜びを噛み締めて働きます。それが何よりの社会奉仕だと思うからです。ですので10月も通常通りの営業を続けます。

 ところで、ホントは今回何を書きたかったの、って、ことですよね。はい、ちょっとだけ言いますと「国葬と朝ドラ」について「それ、どういうことなの」という言いようのない怒りをここでぶつけようか、と思ったんですが、ま、その話はそのうちいずれまた。(弥)