【倶樂部余話】 No.280 O2O(オン・トゥ・オフ)は嬉しい傾向です (2012.2.23)


 当店のお知らせブログ「クリップボード」が「面白い」と言われます。ほとんどの項目は入荷商品の紹介記事で、特に読み物として意識して書いているわけではないので、商品が楽しい、と言われるのなら分かるのですが、記事の書きっぷりが面白い、という評価はちょっとこそばゆい思いがします。
 ただ自信を持って言えるのは、自分の言葉で書いている、ということ。だって、誰でもネットで簡単に検索できるような同じ様な内容を写したって仕方ないじゃないですか。その商品に出会った経緯、モノづくりの背景、仕入れた理由、売り言葉、買う人のメリット、などなど、商品ひとつひとつに語りたいことはたくさんあります。どうもこの視点が私は他人よりも少し長けているらしいのです。確かにネット店舗ではこんな勝手な書き方はできないだろうから、これはリアル店舗ならではの特徴なのでしょう。
 ひと頃は「店で商品をチェックするけど買うのはネット」という人が増えて、リアル店舗はショールームじゃないぞと憤りましたが、近頃は逆で「O2O」(オンライン・トゥ・オフライン、または略してオン・トゥ・オフ)というIT用語が言われるようになりました。「ネットでしっかり調べて、でも買うのはリアル店舗で」という傾向がはっきりとしてきたようです。いよいよアマゾンが米国でリアル店舗の検討をしているという噂まで出てきました。
 最近改めてつくづく思うのです。店を持っててよかったな、と。(弥)

【倶樂部余話】 No.279 先入観に訴えるブランド名のトリビア (2012.1.21)


 看板やブランド、商標についてのトリビア。あなたは「へぇ」いくつ叩きますか。
 小樽の菓子処ルタオ。ここの本社は北海道から遠く離れた鳥取県で、この会社は他にも築地ちとせなど、日本全国のご当地銘菓を数多く手掛けています。
 うどんの丸亀製麺。ここも神戸の会社で讃岐の丸亀とは全く無関係、丸亀には製麺所はおろか店舗すらないそうです。
 カナダのダウン(羽毛)ウェアのブランド、カナダグース。ブランド名はグース(ガチョウ、雁)ですが製品にはダック(あひる)のダウンを使っています。同じダウンでもグースとダックでは評価は随分と異なります。
 英国のハンドニットのブランド、インバーアラン(Inverallan)。アラン(Aran)セーターはアイルランドの名産品なのに、このセーターは英国(スコットランド)製です。スペルがLLとRで違いますが、日本人には同じカタカナのアランです。
 商人としては、ネーミングの好例としてこの商売上手を見習うべき、と評価すべきなのかもしれません。しかし私にはどうしても釈然としない感覚が残るのです、騙してるわけでも嘘をついているわけでもないというのは分かるのですけれど。
 じゃ、静岡なのにセヴィルロウ倶樂部、はどうよ、って、ですか。まさか当店の本店がロンドンにあって静岡は支店、などと勘違いされる方は皆無でしょう。皆様の先入観をミスリードしようなどという魂胆は全くありません。 (弥)