倶樂部余話【350】大きな決断(2017年12月1日)


前号に述べた還暦にあたっての大きな決断のひとつは、店を閉めるということでした。この一月で現店舗から撤退することを決めました。

理由は一つではなく複合的にいろいろです。自らの体のこと、仕入や売上やお金のこと、家族の将来のこと……。が、一番大きいのは、春夏の売り場に納得がいかない、ということでした。12か月通しての売場づくりができないというのは自分に腹が立って我慢なりませんでした。
加えてWEBの浸透があります。ほとんどの顧客はご来店の前にすでに買うものを決めている、が当たり前になりました。店はその最終段階にあり、私とあなたが会える場所があればそこが店になる、店の持っている意味合いはWEBのおかげで近年大きく変化しました。

今後は、近場に接客できる拠点を持って、WEBをさらに充実させ、秋冬のインポート品(アランセーターやフィンランドのダウンなど)とオーダー品(スーツ、シャツ、靴など)に扱い品目を絞って、営業を継続していきます。

とはいえ店の撤去は一大事です。商品、什器、備品、装飾品、すべてを持ち帰れるほど我が家は広くないので、人に譲れるものはお譲りして極力身軽にしないといけません。さらに言うと撤退にはお金もかかるので売上も必要です。まだまだ皆さんの協力をお願いしないとならないのです。(弥)