倶樂部余話【五十二】イングランド・スコットランド・アイルランド、18日間の旅(一九九三年七月一日)


十八日間の旅日記を簡単に。

☆六月一日…東京にて開催中のアイルランド関係の美術展を見学後、アイルランド政府商務庁へ赴き、出発前の最終打ち合わせ。

☆六月二日…ロンドン。根城は大英博物館近くの格安B&B。

☆六月三日…秋から導入するハケットの社長と会見。コンセプトのレクチャーを受ける。卸値での購入を許され、日本未展開品を中心に仕入れ。

☆六月四日…早朝、バーモンジーのアンティーク市にてカフスなどを購入。午後、モルトスコッチで知られるミルロイ酒店で数々の試飲後、ビンテージ物六本を購入。でもベロベロに酔いが回り、その後の予定はすべてキャンセル。

☆六月五日…早朝、ポートベローの市へ。午後、買い物後はハイドパーク散策。

☆六月六~九日…アメリカの老夫婦たちに混じって四日間の楽しいバスツアーに参加。ヨーク~エジンバラ~湖水地方~コッツウォルズ、と回る。車窓最高。エジンバラのホテルのテレビで皇太子と雅子妃のご成婚生中継を見る。

☆六月十日…アイルランド・ダブリン。アラン模様と関連があると言われる五千年前の遺跡ニューグレンジ古墳へ。

☆六月十一日…午前、ケルト美術の集大成「ケルズの書」を見学。午後、アランセーターの卸元ゴルウェイ・ベイ社のオシォコン氏宅を訪問。九月の横浜そごうフェアの打ち合わせと春物の追加発注。

☆六月十二~十四日…憧れのアラン諸島へ。詳細は別稿を予定。まさに地の果ての感。今まで私がお伝えした数々の話に嘘や誇張のなかったことを確認し、安堵と感慨しきり。

☆六月十五日…ア商務庁の手助けで、特産のコネマラマーブル(緑色の大理石)工芸品の紹介を受ける。置き時計やブローチなどサンプル購入。

☆六月十六日…早朝ダブリンを発ち、ロンドン郊外アスコット競馬場へ。紳士はモーニング姿がウヨウヨ。淑女はダイアナ妃もどきゾロゾロ。圧巻にキョロキョロ。

☆六月十七~十八日…無精髭をたくわえ帰国。

と、当分は本稿に困らない位の多くのネタを仕込みました。