ナイジェル・ケーボン、ヘチマ衿のオッドベスト。38,880円(税込)。
前述のキッチナー・ジャケットと同じ素材です。
すなわち、百年前の古着の服地を顕微鏡レベルで解析して
尾州のションヘルで織らせたビンテージなヘリンボーンチェックの生地であります。
とてもクラシカルなデザインで、
背中も共布というのはとても昔っぽくていいです。
小さめのヘチマ衿というのがこれまた大正ロマンを彷彿させます。
ナイジェル・ケーボン、キッチナー・ジャケット。77,760円(税込)。
今年は第一次世界大戦から100年の記念の年。
で、その第一次大戦で英国陸軍を統率した、ホレイショ・ハーバード・キッチナー元帥、という人がいたんだそうです。
そのキッチナーが着用したジャケットをベースにして作られたのがこの製品です。
ジャケットと名付けられていますが、アウターとして捉えたほうがいいです。
ウールヘリンボーンの素材は、1910年代、つまり約100年前のビンテージファブリックを顕微鏡レベルまで徹底的に解析して、
尾州のションヘル織機(当店では葛利毛織でおなじみですね)で、
100年前と変わらぬスローなスピードで再現させた素材です。
多色が混じり合った複雑で豊かな色合い、
ハードなのに動きのいいビンテージ感、さすがです。
そして裏にはコットンのキルティングを配し、
これをリバーシブルで着られるようにという更なる付加価値を付けてしまいました。
ボタンを外して付け直すのがちょっと面倒ですけれど、これも楽しみのうちです。
WWⅠ100周年記念の今年ならでは、の品ですが、
間違いなく、こいつも、ナイジェル・ケーボンでなけりゃ絶対出てこないだろう、
というたぐいのアウターです。
ナイジェル・ケーボンから、グレート・クリップ・コート。77,760円(税込)。
第一のウリは、この素材。
綿花のかけらである葉カスが混入したままの極め付きのナチュラルコットンを、
ヘビーなデニム作りに使われる重力織機を使い、
高密度な平織、という難しい技で、織った生地です。
これをジャケットが隠れるのに充分な丈のコートに仕立てます。
ドンキーコートを思わせるヘチマ衿に、本物のムートンを付け、
フロントにはボタンやトグルではなく、
米国潜水艦着に使われていた「USクリップ」という金具を装備。
緊急時に左右どちらの手でも片手で外せる、という金具で、
所有のビンテージウェアをもとに、ナイジェルがわざわざドイツに特注した、
特殊なギアです。
色は2色。葉カスを楽しむエクリュ(キナリ)と硫化染めしたダークネイビー。
ジャケットの上から着ても雰囲気あります。
アイルランド北部モナハンに住むリズ・クリスティによる手染め手織りのスカーフです。
私との付き合いは20年ぐらいになります。
今年の秋から、箱根・仙石原のポーラ美術館でも販売が始まりました。
※お馴染みのモネ・インスパイア・シリーズ
幅33㎝長さ180㎝、毛50%綿50% 19,980円(税込)
今年からインスパイアされたクロード・モネの作品を提げ札に表示するようにしました。
これは、ご存じ「睡蓮」です。
※続いて、今年からスタートしたメンズのシリーズ。
リズの住むモナハンが生んだ郷土の詩人パトリック・カバナーのポエムから
連想されるイメージをスカーフに落とし込んでいます。
幅23㎝長さ180㎝、毛50%綿50% 18,900円(税込)
※最後に、おなじみになりました羊のブローチ 1,080円(税込)
モネのスカーフの緯糸(よこいと)を応用しています。
羊は群れるのが常で、一頭だけだと鬱病になってしまうらしいので、
なるべく複数でお求めくださいませ。
ナイジェルケーボン ハリスツイードのマロリージャケット 102,600円(税込)
1924年にエベレスト登頂を目指した英国隊のジョージ・マロリーが
頂上アタックの際に着ていたジャケット、
それがモデルになっているのがこのマロリー・ジャケットです。
別注で織らせたハリスツイードで仕立てて、
肩やひじにはベンタイルクロスの補強を加えています。
これ、今年の新色です。
ブラウンとネイビーの掛け合わせ、という何とも微妙なツイードです。
内側の背中に何だか変なポケットが付いています。
これ、きっとオリジナルのマロリー着用モノにあったディテールなんですね。
いったい何を入れていたのか。
こちらは、ネイビーの無地ですが、
一般に普及しているハリスのネイビーとは少し色合いが違うので、
これも別注色なんでしょう。
先日、映画「ビヨンド・ザ・エッジ」を観てきました。
1953年、エドモン・ヒラリーとテンジン・ノルゲイのエベレスト初登頂の実話モノです。
そんな装備でよく成功したなぁ、と思えるようないでたちでしたが、
さらにその30年前のマロリー隊は、こんなジャケットで挑んでいたんですね。
ナイジェル・ケーボン、ホスピタル・ジャケット。47,520円(税込)。
直訳すると、病院上着。
入院中の傷病兵が一時外出の際に貸与されるジャケットで、
1910年代のビンテージウェアをベースにしています。
いわく、もともとのオリジナルもやはり明るいブルーで、
これには、傷ついた軍人だと周囲に判らせて市民がサポートしてあげるため、という説と、
目立たせることで軍からの脱走を防ぐため、という説があるそうです。
仕立てはいまどきのジャケットと比べるとゆったりとしたつくりで、
これは傷病に負担をかけずに羽織れるようにしてあるためであり、
同じ理由で、裏地も全く付いていません。
素材。100年前のオリジナル物は、リサイクルウールを使った
ぼそぼそごわごわの粗末な素材でしかもかなり重たいモノしたが、
それでは現代に通用しないので、
英国羊毛をもとに軽くて丈夫な素材を一から作ってあてがいました。
オリジナルに近い明るいブルーと、無難なネイビーの2色を用意しました。