デッドストック発見、その1。オニール・オブ・ダブリンO’Neil of Dublinのタータンスカーフ。

完売しました。


ここのタータンのキルトスカートを盛んにやっていたのは15年ほど前でしたか。
一枚ずつのオーダーができなくなって、やむなく取引を休止しました。
マネージャーのダーモットはとってもいいヤツで、何と言っても謝罪の名人。
注文違いや納期遅れのたびに、思わず苦笑してしまうようなゴメンナサイを言ってきたものでした。
このタータンスカーフは、納期が遅れて怒ってるお客さんに差し上げてね。と何枚か送ってきたものの残り。スカートの残反を利用したものですね。
映画衣装協力のためデッドストックのボックスをひっくり返していたら出てきました。


左上から右下へ。
アースキンErskine Black&White
ロイヤルスチュワートRoyal Stewart
ブキャナンBuchanan
ブラックウォッチBlackWatch
ファルカーソンFarquharson
の5柄です。

かみさんに渡したらささっと二重巻きで結んだのが、冒頭の画像。
私も負けじと、いくつかの巻き方を。

いくらにしようか、と、これも家族会議。これは意見が合いました。
5,500円(税込)。ウール100%。アイルランド製。
サイズ、幅24cm,長さはフリンジ(5cm)を含めて156cmです。


出来上がり! 紹介。この2ヶ月強の「誂える」の仕上がり品です。後半はシャツやシューズなどを。

出来上がり!紹介の後半です。
まずシャツから。

Mさん、カリビアンコットンSilver,100/2Gのツイル素材。
カラーステイがなく衿がロールしているロールドレギュラー(左2つ)と、
ワイド気味で大きめ衿のユーロボタンダウン(右の白)、の3枚口です。


別のMさん、メンズです。衿だけのクレリック、ニューセミワイドのラウンドチップ。
リバティプリントの中でも、かの有名な「いちご泥棒」ウイリアム・モリス作、です。
ただし、色合いはブルーベースに変えています。オリジナルは緑っぽいし、いかにも壁紙の色ですよね。
これ、小鳥がイチゴをついばもうとしている絵なんですが、
私、かつて、この絵柄が逆さまになってるブラウスを着ている女性とすれ違ったことがあります。
鳥が下を向いてるので私はすぐにわかったのですが、
知らずに着ているからいいものの、知ったら恥ずかしいでしょうね。


こちらはメンズっぽい色柄ですが、レディス。Fさんのご注文、
伊アルビニのダークチェックです。
オプションフェアの期間でしたので、白蝶貝ボタンにグレードアップ、
そして共布のカフリンクスも作っちゃいました。


これもレディス。Yさんから「いつものカタチで」のリピートオーダー。
カッタウェイラウンドの衿で七分袖です。
リンクルフリーウェアに乗っていただきました。


Aさん、リンクルフリーウェアで3枚口。
ホリゾンタルワイド1枚とニューセミワイド2枚、に分けました。


ソックスのオーダー会をやって、定番の無地ホーズを中心にご注文いただいたんですが、
入荷時に写真を撮り忘れまして、
私の頼んだカジュアルものの新作だけあとから自宅で撮りました。
コットンのボーダー柄や、アーガイルの新作。ウールは5ダイヤ、コットンは4ダイヤです。


最後はシューズ。Sさんのご注文はギリーです。
ギリーはスコットランド伝統の靴で、ウイングチップの元になった靴と言われています。
スコティッシュダンスのときにも履かれますが、
本当は靴紐がすごく長くて、アーガイルのロングホーズのところまで編み上げるのですが、
それは現実的ではないので、普通の紐の長さにして、タッセルを付けました。
革は英国製のスーパーバックのベージュです。なかなかない良い色ですね。
作り直しがあったり、タッセルの付け方がお粗末でやり直させたり、
なんだかんだ3ヶ月ぐらいかかってしまいました。

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皆様、ご用命ありがとうございました。
末永くご愛用いただけたら嬉しいです。

 


出来上がり! 紹介。この2ヶ月強の「誂える」の仕上がり品です。前半はクロージングを。

秋の2ヶ月間、なので、「揃える」の方の仕入れと販売に精力を傾けていて、
なかなか出来上がり! 紹介ができませんでした。
今回はまずはスーツから。

Kさんからのオーダーは、スリーピース&スペアパンツ、の4点セット。制作は那須夢工房。
このヘリンボーンストライプは見覚えのある方も多いんじゃないでしょうか。
はい、野澤屋100周年のときに別注したシルクウールのダブルクロス、です。
当店が別注したのは紺でしたが、実は葛利毛織さんの持ち生地として色違いの黒も織っていたのです。
その生地が葛利さんにまだ在庫にあったので、ピックアップしました。
このKさん、前回の出来上がり! で紹介した「倅に成人式の背広を誂えてくれ」と注文したお父上ご本人。
息子のスーツ生地を選んでいるうちに自分も作りたくなっちゃった、ということのようでした。
こういうの、落語だかことわざだかであったような。ミイラ取りが…、でしたっけ。


元ラガーマンで金融機関お勤めのSさんから、略礼服、それも一番地味に仕上げて、
というご注文。生地は葛利毛織のカシミア5%混、10マンスの定評フォーマル素材。
これ、ハンガーに普通に掛けてあって、ディテールもフォーマルにしすぎず、
いい意味で実に普通のスーツなんですが、
ここに、さすがアルデックス、という大きな特徴が現れているんです。おわかりでしょうか。
腕、です。左右対称にねじれたようなシワが出てますよね。体格のいいSさんですので、余計にそれが顕著に出ています。
もしこれが既製服だとして売り場に陳列されていたら、どうでしょうか、
「何だこのスーツ、腕に大きなシワが出てるぞ、仕立てが悪いんじゃないのか」と思われるかもしれませんね。そう言われるのを恐れてか、既製服ではここまで腕を前に振る仕立てはできないんです。
ハンガー映え重視、と言ったところでしょうか。
はい、人の腕は自然に前に振れていて、しかも腕というのは先細りにできています。
それに見事に対応した高い技術で作られている腕まわり、が、この写真から見て取れるのですね。
もちろん人間の体が中に入ればこのシワは消えてなくなります。
この腕の作り、アルデックスのウリのひとつですね。
オーダースーツはハンガー映えを考えなくていいので、
持てる技術を思いっきり表現できる、という一つの例であります。

ここで、Aさんのジャケット。英FOXのフラノの紺のご紹介、なんですが、
仕上がり直後に急いで送ったので、どうも写真を撮り忘れたようです。ごめんなさい。
少し明るめの紺はFOXならではの色でしたので、ご案内できずに残念です。



Yさんからのジャケット&トラウザーズ。制作はアルデックス。
ジャケットはハリスツイードのグリーン系無地。
Yさんが注文したのはジャケットだけでしたが、
その直後に奥様から内緒でそのハリスに合わせたトラウザーズを、とのオーダーが入りました。
伊カノニコのバンチにちょうどいい、茶系のハウンドトゥース(千鳥格子)があってこれに決定。
引きの写真ではなかなか素材感が伝わらないので、この生地をルーペを当てて撮ってみました。




おわかりでしょうか。特にジャケットのハリスツイードはすごい色数でしょ、見ていて飽きないです。
ついでに先述のAさんのFOXフラノ明るい紺無地も撮りました。いかがでしょう。

このルーペ、時々取り出して、お客様にも拡大画像を楽しんでもらってますが、
このルーペを紹介してくれたのがLOVAT MiLLの社長。渋谷の東急ハンズにあるよ、と教えてくれたんです。
もひとつジャケット。

Kさんのジャケット。これもアルデックス。
この生地、実は私とお揃い。英W.BillのフェニックスPhoenix。
このフェニックスの特徴は、秋冬物の色合いなのに生地がスーツ並みに薄い、ということ。
300g/m以下です。
ジャケットというのはスーツよりも更に季節感を出すことが重要なので、
冬物はより冬っぽく、夏物はより夏っぽく、というのが普通なんですが、
実際の季節の移ろいというのは、皆様実感されるように、
見せたい季節感と実際の気温とがいつも少しずつズレている、ということ、おわかりですよね。
ここにこのフェニックスのアドバンテージがあるのです。
実際私のフェニックスも出番が多く、大活躍の素材なので、Kさんにお勧めしてみたのです。
まさか色柄まで同じものを選ばれるとは思いませんでしたが。
あ、フェニックスと言っても、日大アメフト部とは無関係です、念のため。


これは「誂える」ではなくて、取り寄せ品。
鎌倉シャツさんのウールトラウザーズです。Fさんからのご依頼。
昨年と内容が変わっていないので、強くご案内はしていませんが、
引き続き取り寄せ体制はできてますので、いつでもご注文いただけます。
ウールはネイビーとチャコール。コットンはベージュとネイビーです。

長くなったので、シャツと靴は後編に。










 


入荷速報。英ジェイミーソンズJamiesons、ようやく到着。フェアアイルの新柄新色、ヘンリーネック・ベストとネックウォーマー。


北海に浮かぶシェトランド島からジェイミーソンズJamiesonsのフェアアイルセーターが届きました。


2022年提案の新柄をベースに2023年に新たに提案された最も新しい提案からチョイスしました。
アフターコロナの清々しい気分が反映された配色で、
大振りな柄がなく、生地で上品な柄が連続しています。
単純な柄の繰り返しはなくて、複雑なパターンのリピートは41cmととても長く、
ほとんどのステッチが一回だけ登場するとても素晴らしいパターンとなっています。

ベストをやるのは3年振り。そろそろベストやりたいな、とは思っていたところでしたが、
その最大の理由は、予想を遥かに超えた値上がりです。
値段が高くなりすぎて袖が付けられなかった、というのがジョークではない理由のひとつです。
社長のピーターは、インフレはふた桁に届きそうだし、電気代は3倍だし、で君の国のyenは安いし、
と、一生懸命言い訳してくれる。わかってるよ、ピーター、君のせいじゃない。
で、今回の価格29,700円(税込)も、直輸入じゃなければ付けられなかったアンダー3万円。抑えに抑えてこれです。
丸首ですが、ヘンリーネックの革ボタン付き、と、ひと癖付けました。
釦をいくつ開けるかで衿元の表情が変わります。
私は2つ開け、が一番好みです。着用写真の衿元にもご注目ください。

商品をご紹介しましょう。色名はリブのベースカラーから付けています。

☆アイボリー


40”を着ています

こんな明るい色調は今までなかったものでとても新鮮です。
コロナが終わったよ、という嬉しい声が聞こえてきそうですね。
でも色の構成は決して女性的ではなく、メンズでよく使われている色が多く含まれています。
衿釦2つ外し、が私はお気に入りです。

☆ライケングリーン


44″を着ています

ライケンlichenは和訳で地衣類。コケとも藻とも言われますが日本ではあまり馴染みのない言葉です。
でも、ジェイミーソンズのカラーリングはシェトランドのランドスケープからインスパイアされたものなので、
なるべくそのまま使ってあげたくて、ライケングリーンとしました。
衿の釦3つ留めるとちょっと真面目すぎた感じですかね。

☆オーツ



42″を着ています

先方名はオートミールなんですが、アランやハーレィのオートミールよりも濃い目の色なので、
誤解を招きそうなので、ミールに引く前のオート麦の意で
オーツと名付けました。
3つ全部開けてもいいですね。

サイズは、38”(=メンズS)、40”(=M)、42”(=L)、44″(=LL)、の4サイズ。
相変わらず衿のラベルには人を惑わすようなサイズ表示が付いてますがもうそれは無視しましょう。

在庫状況はwebShopにてご確認ください。

さて、もう一つ。ネックウォーマーです。

ファアアイルはジャカード織りなので、裏にはヨコ糸が渡っています。
なのでマフラーを作ると裏が出ない様に二重の作りにしないといけなくて、
相当なボリュームになりますし、価格もそれなりに高くなります。
そこで救世主、ネックウォーマーです。これは一重です。
首に密着しないのでふんわりと巻いた感じになります。

アイボリー、ライケングリーン、オーツ、の3色。
9,900円(税込)です。


45年前のジャックノザワヤです

45年前のジャックノザワヤです。

浜松のOさんが、郷土史研究の最中に中央図書館で偶然見つけた記事を送ってくれました。
中日新聞1978年(昭和53年)12月9日付。
私は当時、大学2年生の冬休みで、この店ではなく、紺屋町のパンツショップ(セヴィルロウ倶樂部の発祥の地)でアルバイト中でした。
奇しくも掲載日の12/9(日本時間)はジョン・レノンの命日。この2年後に彼は凶弾に倒れることになります。


12月なので、ゲームをします。ハーレィのVoe True Shetland、6色持とう!のキャンペーン。

Voeは6色。WhiteSheep, SilverSheep, Greysheep, Black Sheep, Moorit, Fawn(この色だけはエベレストもありにします)。1ply,2ply,4plyの3つの厚さ(薄さ)があります。
つまり掛け算すると6色x3種の糸で18種、あるわけです。これにサイズが36″–44″の5サイズです。スタイルは丸首プルオーバのひとつだけですね。

【6voe】 まずすでに6色持っている人、いらっしゃいますか? 6色撮って写真送ってください。スコットランド製のクリスマスプディングをプレゼントします。

【5voe】 5色持ってる人、6色目は4割引にします。写真とともに、ご希望のply,色、サイズ、をお伝え下さい。在庫がない場合、次年度の予約として承ります。

【4voe】4色持ってる人、5色目は2割引、です。写真とともに、ご希望のply,色、サイズ、をお伝え下さい。在庫がない場合、次年度の予約として承ります。

【3voe】3色持ってる人、4色目は15%引きです。

以上の締切は12月29日まで。1月に申告されても無効です。

ちなみに私は、エベレスト含みで4voeです。WhiteとGreyがまだありません。
今年中にどっちかは買います。

商品の記事はこちらです。