45年前のジャックノザワヤです

45年前のジャックノザワヤです。

浜松のOさんが、郷土史研究の最中に中央図書館で偶然見つけた記事を送ってくれました。
中日新聞1978年(昭和53年)12月9日付。
私は当時、大学2年生の冬休みで、この店ではなく、紺屋町のパンツショップ(セヴィルロウ倶樂部の発祥の地)でアルバイト中でした。
奇しくも掲載日の12/9(日本時間)はジョン・レノンの命日。この2年後に彼は凶弾に倒れることになります。


12月なので、ゲームをします。ハーレィのVoe True Shetland、6色持とう!のキャンペーン。

Voeは6色。WhiteSheep, SilverSheep, Greysheep, Black Sheep, Moorit, Fawn(この色だけはエベレストもありにします)。1ply,2ply,4plyの3つの厚さ(薄さ)があります。
つまり掛け算すると6色x3種の糸で18種、あるわけです。これにサイズが36″–44″の5サイズです。スタイルは丸首プルオーバのひとつだけですね。

【6voe】 まずすでに6色持っている人、いらっしゃいますか? 6色撮って写真送ってください。スコットランド製のクリスマスプディングをプレゼントします。

【5voe】 5色持ってる人、6色目は4割引にします。写真とともに、ご希望のply,色、サイズ、をお伝え下さい。在庫がない場合、次年度の予約として承ります。

【4voe】4色持ってる人、5色目は2割引、です。写真とともに、ご希望のply,色、サイズ、をお伝え下さい。在庫がない場合、次年度の予約として承ります。

【3voe】3色持ってる人、4色目は15%引きです。

以上の締切は12月29日まで。1月に申告されても無効です。

ちなみに私は、エベレスト含みで4voeです。WhiteとGreyがまだありません。
今年中にどっちかは買います。

商品の記事はこちらです。


月例エッセイを更新しました。倶樂部余話【422】コンランのこと

倶樂部余話【422】コンランのこと
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生地の紹介。ツイードを中心に秋冬のジャケット生地を一覧でご案内します。

遠方の顧客から「ツイードのジャケットを考えているんですが、どんなラインナップがあるのか教えてください」という問い合わせが入りました。
かなり広範な漠然とした質問に、どう答えたものか、と、思案した結果、
いっそこれを記事にしてしまおう、ということで、
いきなりですが、こんな生地がありますよ、と、一気にまとめてご紹介することにいたしました。

バンチの表紙を一覧で撮りました。

☆ハリスツイードHarris Tweed(英スコットランド・アウター・ヘブリディーズ諸島)

泣く子も黙る?ハリスツイード(登録商標)です。
あまりにポピュラーなので、もう詳しい説明は不要でしょう。
世界の各マーチャントがそれぞれにウェイトや色柄を指示して発注するので、
マーチャントによって展開内容は異なりまして、
当店での展開は、全幅(150cm幅)のフェザーウェイト。
フェザー(羽根)級と言いながら、490gもありますが、これでも軽い方に属するわけです。
2023年はご覧の28色柄の展開です。
ジャケット参考価格69,000円((税別・以下同様)~。

SALEです

この色柄、手持ち生地が一着分だけありまして、割引価格で提供します。
ここの記述部分は売れた時点で削除します。

☆ポーター&ハーディングPorter&Harding・ハーツイストHartwist(英スコットランド・ホーウィック)

いわゆるロバットツイードです。スコットランド・ホーウィックのロバットミルLovat Millで織られています。
ここには私一度訪れたことがあります。こんなに音の大きいうるさい工場は他にないです。
なんで緑ばっかりなの?、の私の質問に、だってスコットランドの森は緑だろ。とのあっさりした答え。
そうか、この生地、森の中ではカモフラージュになるんだ、と、納得。
スコティッシュカントリーウェア、の代表選手で、ヘビーなツイードです。
当店での展開生地は560g、一番重たいのですが、ロバットの中ではこれで中ランクぐらい。
これ以上重いと現実離れ、怖いもの見たさ、の類になります、というのが私の見解です。
ジャケット参考価格87,000円~。

☆ダブル・ビルW.Bill シェトランド・ツイードShetland Tweed (英スコットランド)

W.Billは、ジャケット生地が得意なブランドで、よそにないユニークな色出しが得意です。
この生地についての情報は少なくて、はっきりは言えないのですが、
シェトランドと言っても、シェトランド諸島で織っているのではなくて、
シェトランドウールを使ってスコットランドの何処かで織られているものだと推測します。
ツイードながらソフトで軽く、ウェイトは390gです。
ジャケット参考価格73,000円~。

☆ダブル・ビルW.Bill ドニゴール・ツイード(アイルランド・ドニゴール県)

ネップと呼ばれるカラフルな色糸の混じりが特徴のドニゴール・ツイードです。
ドニゴールには最大手のマギーを始めとしていくつかのミルがあり、
W.Billがどこのミルに発注しているのかは不明ですが、
さすがW.Bill、色出しがうまいです。
ウエイトは440g。ハリスが食傷気味になっている人には最適かもしれません。
ジャケット参考価格75,000円~。

☆モロイ&サンズMolloy&Sons ドニゴール・ツイード (アイルランド・ドニゴール県)

いい意味でクセを弱めたドニゴールツイードです。
ネップもおとなしめですし、ウェイトもやや軽め、
レディスのスカートにも使えるほどの汎用性がウリの生地です。
ジャケット参考価格73,000円~。

ツイードはここまでですが、ジャケット生地として人気の高いものも一緒にご紹介します。

☆ハリソンズHarrisons of Edinburgh・ムーンビームMOONBEAM (英スコットランド)

ハリソンズのムーンビームは、通称ラムアン。
ラムズウール75%アンゴラ25%のブレンドは、カシミアタッチなブレンドとしてポピュラーな素材です。
ツイードの粗野なイメージとは異なり、ラムアンは都会的なラグジュアリー感があります。
ウェイト320g。ジャケット参考価格98,000円~。

☆ダブル・ビルW.Bill・フェニックスPhoenix (英スコットランド)

W.Billらしい上手い色出しですが、この生地の特徴はズバリ軽さ、薄さです。
290gはスーツと同じぐらいの重さしかないのです。
ジャケットというのは、スーツよりも季節感を演出するものなので、
ついついヘビーなものに気持ちが行ってしまうのですが、
この薄さのジャケットは実に重宝なんです。夏や真冬以外の8ヶ月ぐらい、出番が多いんです。
ジャケット参考価格80,000円~。


えーい、ついでだ、ジャケットにお勧め、として、あと3つ。

☆キャバリーツイルCavelryTwill (ホイップコードWhipCord)

乗馬服のイメージが強い素材ですね。いろんなところから出てきている素材ですが、
たまたま今年、伊カノニコから送ってきた総合バンチに手頃な価格で入っていたので、
これを取り上げない手はない、と思い、ここでご紹介。
440g。ジャケット参考価格65,000円~。あとトラウザーズとしてもオススメで43,000円~。

☆ライヒトフリートLeichtfried・ローデンLoden (オーストリア・チロル地方)

チロリアンジャケットとしてよく知られるローデンクロス。
ボイルド、つまり熱湯で茹でて茹でて縮ませてフェルト化させている織布です。
おなじみのローデングリーンの他、フラノに似た色合いのものもありますが、
フェルトなのでフラノほどの毛羽立ち感もなく、
また、見た目よりもずっと軽く仕上がるのも人気です。何しろ360gしかないんですから。
ジャケット参考価格69,000円~。

☆フォックスのフラノ Fox Brothers.Classic Flannel (英イングランド)

フランネル。我が国では、綿だとネルと言われるのに、ウールだとフラノと略される、不思議な言葉。
フラノといえば、これまた泣く子も黙る?、フォックスのフラノです。
私、思うに、特に、上から3つのグレーの杢の色出しは絶対に他所では出せない、
冷たさのないミネラルな色合い、ではないかと。
写真は370gのもの。ジャケット参考価格103,000円~。

ふうっ、泣く子も黙るで始め、再び泣く子も黙るで締めました。

こんな感じで原稿書きました。




入荷速報、さらに詳細を。アランレジェンドAran Legendに初登場の丸首プルオーバーを紹介します。

今回のアランレジェンドの入荷には従来からの衿付きカーディガンに加えて、新たにプルオーバーが加わりました。

普通のアランセーターでしょ、と、一見そう思われるかもしれませんが、
私にとってはとっても大切な商品なんです。
難しい話はあとにして、ともかくまず商品紹介です。

アランレジェンドのオリジナルパターンです。69,300円(税込)。
オモーリャのテンプレートによく似ています。理由は後述。
袖付けはラグランスリーブ。腕は細め。着丈袖丈はカーディガンよりも長めの設定です。
提げ札にはニッターのサインが入ります。
初年度なので、色は2色に絞りました。糸はドネガルの3ply 、カーディガンやベストと同じです。
☆オートミール

グレーシープに少しだけブラックシープをブレンドしています。

☆ネイビー

長年続けている先染めのダークなネイビーです。
試着はどちらも40″を着ています。
野沢のプロフィールは、年齢65歳、身長164cm、体重70kg,胸囲96cm,ウェスト88cm,
なで肩で腕は短くシャツ裄丈で78cmです。

もう一枚。バイニン(ナチュラルホワイト)があります。

これだけ、最初のサンプルとして編ませたものなので、
カーディガンと同じパターンで、首のリブはシングルです。

サイズは38″~44″、ですが、在庫状況は変化しますので、
こちらで在庫の確認をしてください。

来年度からは、ブラックシープなど色違いも展開します。
事前の注文も受けますので、サイズ違い、色違いで、欲しいものはリクエストしてください。

さて、ここからは、詳しい説明です。
アランレジェンドAran Legendは、2012年からスタートした当社のオリジナルブランドで、
アイルランド製のアラン編みハンドニットを扱うA社との協業で、モノづくりをしています。
アランセーターを扱う他のところ(オモーリャ、クレオ、ゴルウェイウール、など)から調達が難しい商品を補完する意味合いが強く、
今までは、衿付きのカーディガンと丸首前開きベストの2つに提案をとどめ、
アランセーターの主役とも言うべき、丸首プルオーバーは他のブランドでの調達に任せて、このブランドでは手掛けてこなかったのです。
ところが、2年ぐらい前から状況が変わってきまして、先行き、思い通りのセーターの調達がままならなくなる可能性が高まってきました。
それから、もう一つ、価格、という課題があります。今年アランセーターは大幅な値上げをせざるを得ませんでしたが、主役のプルオーバーでも買いやすい価格で提供する、これも必要なことだと感じています。

アランセーターのひとつひとつの柄をステッチと言い、このステッチをいくつか組み合わせたものをパターンと呼びます。で、今回のアラン・レジェンドのプルオーバーのパターンは、オモーリャのテンプレートパターンととてもよく似ています。使っている糸もドネガルの3plyでこれもオモーリャと同じです。これは偶然ではなくて、実を言うと今回の別注のサンプルもオモーリャの店内で見つけたものでして、元々A社とオモーリャとは古い付き合いがあり、持ちつ持たれつの関係にあったことに由来します。そもそもこのパターン、どちらが先に仕掛けて、どちらが追従したのか、わからないのです。どちらに聞いても「うちが先に決まってるでしょ」というのは間違いないので、怖くて聞けません。
このアランレジェンドのアランセーターは、他のアランセーターよりも格段に均一性があります。アランセーターは一枚づつ違うからいいんだ、みんなおんなじじゃつまんないだろ、という声があるのは事実ですが、手編みなのにほぼ同じように仕上がる、ということは逆にとっても大変なことなんですね。だから仕上がりのディテールやサイズに対してはA社にはものすごく安心して任せられるのです。
 不満は2つ。ひとつはニッターのプロフィールを開示してくれないこと。もちろん提げ札にはちゃんとニッターのサインが入っているんですが、この人はどこに住んでいる何歳ぐらいの女性なの?、つて聞いてもノーコメント、秘密だよ、なんです。〇〇さんのきゅうり、じゃないけど、どんな人が編んでいるのか、知りたいんですよね。もう一つは、いつも納期が遅れること。遅刻の常習犯、です。今回も、絶対に8月末必着だからね、って散々念を押した挙げ句に結局11月ですからね。でもまあ、頼んだとおりのセーターが仕上がってくるので、ここは大目に見てあげないと、アイルランドの会社とは付き合えません、仕方ないです。

ということで、長々書きました。普通に見えるアランセーターですが、普通ゆえに大切な品物だということ、ご理解いただければ嬉しいです。

アランセーターの在庫は別の場所で保管しています。
ご覧になりたい方は、希望の品を予めお知らせいただいてからご来店ください。