イベントご案内。「シャツを作ろう!~エコノミーサービス」。年に一度の好評催事が今年も。8/2(金)~19(月)。オーダーシャツの楽しみをぜひご体験ください。

お待たせしました。
年一度の名物イベント、今年も8月の開催です。
期間は、8月2日(金)より19日(月)までです。

パターンオーダーシャツ、2枚で16,600円のエコノミーサービスです。

生地の概要です。

ストライプ。左の山がオックスフォード素材。右の山がブロードや麻混など。

チェック柄です。ドレス向きとカジュアル向きが混ざってます。

毎年の主戦力、ホワイトの一群です。
左の山(上下とも)が細かいドビー柄、中央の山がドビー織りのストライプ柄、
右の山が、まったくの、もしくは、ほとんどの、無地モノです。
よーく見ないと違いがわかりません。

無地、または無地っぽいもの。今年は特にブルー系が多くて、
このグループの充実度がひときわです。狙い目かも。

最後に、忘れちゃいけない、ファクトリーに巻きで置いてある在庫リストです。
多すぎて何選んだらいいのか決められないよ、という方は、ここから選べばイージーです。

どれを選んでも2枚で16,600円(税別)の均一価格、
ただし、納期は通常よりも長く掛かりまして、
8/2(金)~8(木)の受注が9月20日(金)午後の到着、
9/9(金)~19(月)の受注が10月2日(水)午前の到着、という予定です。

一年分まとめて作っとこ、という方もいらっしゃる人気イベント、
暑い時期ですが、8月はこのイベントの売上が頼りです、
お得意様全員参加、のつもりで、ぜひご用命をお願いいたします。

以下、ご注意とお願いです。
☆一人2枚以上のご注文をお願いします。
☆レディスは800円増(一枚当たり)です。
☆価格実現を第一義としていますので、釦付の仕様のごく一部を簡略化(台衿と袖口の根巻なし)しています。
☆初めての方や再採寸の方はサイズ見本試着のしやすい恰好でご来店ください。
☆混雑時は先客優先を原則として対応しますが、やむを得ず、掛け持ち接客となることもあります。また、お待ちいただいたり再来店をお願いする場合もあります。どうかご理解ください。

実施期間は店休日を除くと13日間、
お盆休みを中心に3回の週末を含んでいますので、
どうぞご都合の良い日時をご予定下さい。

ご来店のアポは必ずしも必要ではありませんが、
リピーターの方については前寸データの準備と下調べができるので、
予めご来店のご連絡をいただいておくと助かります。
10分前でもいいのでお電話かメールをお待ちしています。

 


入荷速報。英ジェイミーソンズJamieson’sからフェアアイルセーター到着。4年待ってようやく実現しました。

英スコットランドのはるか北、北海に浮かぶシェトランド島の
ジェイミーソンズJamieson’sから届いたフェアアイルセーターです。
100%Shetland wool,made in Shetland of Scotland,UK.
いきさつはともかくとして、まずは商品紹介を急ぎましょう。
多色使いの品物なので、リブ編み部分(首、裾、袖の)に使っている色によって色柄を区別することにします。

☆丸首プルオーバー 24,000円(税別)

全4色。このパターンを選んだ最大の理由はリピートの長さ。17種の柄で42cmという大変長くて複雑なリピートで構成されています。リピートが長いということは当然使っている色の数もとても多いということで、とても豪華な配色となっています。

※ネイビー
(着用サイズ42″)

※ミディアムグレー

(着用サイズ42″)

※ライトグレー

(着用サイズ40″)

※ミデイアムブラウン
(着用サイズ40″)

☆Vネック前開きベスト 24,800円(税別)

全4色。ボタンは革ボタンではなく普通の練りボタンを付けました。そのほうが時期も場面も広範囲で使えるからです。

※ネイビー

(着用サイズ40″)

※ミディアムグレー

(着用サイズ40″)

※ライトグレー
(着用サイズ42″)

※ミディアムブラウン
(着用サイズ42″)

☆レディス・プルオーバーチュニック 27,000円(税別)

2色。ネックはルーズな丸首で、腰ポケット付きです。着丈約80cm。

※ネイビー

(サイズは36″のみ)

※ミディアムグレー

(サイズは36″のみ)

最初のオーダーシートの日付は2016年1月27日。社長のピーター・ジェイミーソンに直接ダブリンで発注しています。
展示会場を3日間行ったり来たり、日本のどことも競合しないようなウチだけの独自の品を揃えたいから、と、考えに考えた末に絞り出すように作った渾身の発注でした。
その年の秋冬。待てども入荷せず。チョット中身が細かすぎたかな、と思い、11月に東京に来日の折り、ボツになりにくいように(先方が作りやすいように)ちょっと内容を修正して手渡し、2017年に繰り延べる。
2017年秋冬も入荷せず。翌1月、ダブリンで再会。パターンを組むエンジニアが辞めちゃって、と言い訳。でも3月には出来上がるから、次シーズン用として送ってもいいかい、と言うので、じゃあしばらく預けとくから7月になったら発送して、と頼む。
2018年7月になっても届かないので、問い合わせするもダンマリ。秋冬になっても連絡なし。逃げたのか? 実は発送待ちで保管しているうちに他の誰かが間違って誰かに売ってしまったらしい。あまりのひどい理由に恥ずかしくて何も言えなかったんだと。
今年1月またもやダブリンで再会。私、怒り心頭。ピーター、平身低頭、長身なのに。もう一度だけチャンスをくれ、3ヶ月で作るから。と言われ、3ヶ月なんて信じらないよ、じゃ6月まで猶予をあげるけど、それで送って来なかったらホントに絶交、口聞かないからね、と念押し。
さて6月。メールで問い合わせ。ダメだろうなぁ、と思ってたら、ピーターから返信。「今度だけは」いい知らせだよ。来週送るから。それでもまだ半信半疑、
そしてついに7月10日、ここへ到着。本来3年前に入っていた発注品がようやく届いたわけです。

長い長い道のりでした。

梅雨も明けてない、まだ盛夏の前なのに、なんでこんなに早く届いたの、
と思った方、それは✕でもあり、○でもあります。

つまり、3周回遅れなのに、集団の先頭を走っている、というのが、今回入荷のジェイミーソンであります。

在庫状況の把握やご用命の簡便さのため、
ウェブショップにも掲載しました。
こちらからどうぞ。

 


後半戦突入につき再掲。靴を作るなら夏に。初夏の恒例「靴を作ろう!!」サマーキャンペーン、始まります。今年は靴磨きのオマケ付き。7月29日(月)まで。どうぞ一足を。

後半戦に突入しましたので、再掲します。

夏枯れ対策、という、とっても当店だけの事情なんですが、
「靴を作るなら夏に」は、おかげさまで当店顧客の皆様にはすっかり定着いたしました。
今年は、倶樂部余話【368】過熱化する靴磨きについて
をも受けまして、新たにプロの靴磨きを特典化いたしました。

誂え靴の詳細は「取扱商品一覧」誂える・シューズをご覧ください。

キャンペーン期間は、2019年6月1日(土)から7月29日(月)までの2ヶ月間。

①期間中の靴のオーダーは、4,000円offで承ります。
通常価格が38,000円(税別)ですので、34,000円となります。
ブーツは4,000円増しです。

②期間中に誂え靴をご注文いただいた方に、プロの靴磨きを一足無料で承ります。
一昨年まで当店に月イチで靴磨きに来てくれていたヒゲのワタナベくん、
ご記憶でしょうか。

今、研屋町のビルの中に拠点を構えていますので、そことテレビ電話で結びます。磨いて欲しい靴をご持参ください。一足を無料で磨きます。
詳しい打ち合わせは、ワタナベと直接ご相談いただきます。

当店で基本料金の2,000円分を負担します。足の出る分は有料となります。
一週間ぐらいお預かりします。複数足も受けますが、2足目からは各500円引きです。また靴以外の革製品も上記の表のごとく受け付けます。

③靴のリペアは所定料金の15%offにて承ります。
例えば自社靴のオールソール張替えは通常価格13,000円ですので、11,050円となります。
他社の靴も受けます。(状態によってはお断りする場合もあります)

※山形県南陽市の「ふるさと納税」で「宮城興業・誂え靴お仕立券」をご利用の場合、当社のキャンペーンの対象とはなりませんので、ご了承ください。

15年で1200足を作ってきた実績と経験は伊達じゃない、と自負しております。
もう、の人も、まだ、の人も、この2ヶ月間は、靴をはさんでお会いしましょう。


読後感想。中野香織「ロイヤルスタイル 英国王室ファッション史」。

中野香織「ロイヤルスタイル 英国王室ファッション史」
吉川弘文館 2019年 2,200円+税  ISBN978-4-642-08355-3
http://www.yoshikawa-k.co.jp/book/b454181.html

面白い…、面白い…、面白い…
200頁を一日で一気に読み終える間に、多分100回以上つぶやいていたと思います。
傍らの愚妻が呆れてこう言います。「学者さんの歴史の本でしょ。小説でもエッセイでもないのに、そういう類の本を『面白い…』と評していいの?」

でも、本当に面白かったんです。曲がりなりにも英国気質の洋服屋を名乗る店の店主を長年続けた私ですので、
英国の服飾に関しては普通の人よりは多少詳しいつもりですが、
それなのに恥ずかしいくらいに初耳の話ばかりで、
特に大衆レベルの、いわば三面記事的な分野においての王室メンバーたちの人となりがよくわかります。
おそらく一面二面よりも三面のジャンルのほうがリサーチは大変だと思うので、
膨大な量の資料の読み込みがこの裏にあったことは想像に難くありません。

中野さんの文章は以前からとても好きで、
これは2007年に日経新聞内の連載コラムで私のアランセーターの本に触れていただいたときもそうでしたが、
どの項でも各項のオチのところ、最後の5-10行の部分、この解釈がほんとに素晴らしい。
ここで笑わされたり涙したり、私はいつもやられてしまう。
学者のそれでもなく、ジャーナリストでもなく、服飾を社会とのつながりから歴史的に考察する、まさに「服飾史家」としての独自の見解は、
ときに優しくときに厳しく、また賛美と皮肉が交差しつつ、お見事と膝を叩いてしまったり、うーんと唸ってしまったり。

そうそう、忘れてました。3年前の拙稿「倶樂部余話」第335話「スーツ生誕350周年」も、中野さんがフェアファクスのサイトの中で書かれたものをまるっと転用させてもらったんでした。改めて感謝です。

英国に関心のある方、また服飾史に興味のある方には、必ず楽しんでもらえる一冊だと確信します。

ちょっとばかりの英国通を自認しながらも、
このところのブレグジット(英国のEU離脱)の体たらくで、英国に呆れ返っていた私ですが、
この本のお蔭で座標軸がまた少し好きの方に傾いてくれたみたいです。


こういう表紙です。
本を紹介するときには表紙を掲載せざるを得ませんが、
著者自らがFBで「やや無骨な見た目」と評しているように、
私もこの表紙が本の内容をちゃんと現しているようには思えず、いささか残念です。
重版時に変更になることを期待してます。