27年目の秋のスーツキャンペーン。今年はフラノを取り上げます。「だけどなフラノ」葛利のションヘル織りsuper140’sウーステッドフラノです。

倶樂部余話【299】を受けて、
「プロ棋士たちの背広」「奈津井さんのスーツ」に次ぐ、スーツのシーズンキャンペーンは、
「だけどなフラノ」です。

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フランネルflannel。我が国では、なぜか綿素材だとネル、ウール素材だとフラノ、と略されますが、
言わずと知れた冬の素材の代表選手です。

見るからに暖かそうなウォーム感あふれる素材ですが、
近ごろの温暖化の傾向の中、こんな声が…
「フラノ、着たいんだけど厚いじゃない、で、暑いし。
だからさ、見た目ほどあつくないフラノってないの?
ペラペラって意味じゃないよ、型くずれしないいい生地で、だよ。
でもサキソニーじゃなくてちゃんとフラノじゃなきゃダメょ」

確かに、フラノというと、従来から、英国製の堅くて重たい紡毛(ウールン)のフラノが重用されていました。
着込むうちに味が出てきてそれはそれで魅力のある素材ですが、
日本でスーツとして着る場合、着用期間がかなり短く限られてしまうことは否めません。
といって、イタリアあたりの梳毛(ウーステッド)のさらりとしたフラノですと、
ふんわりと着やすいんだけど、腰がない。すぐにひざが出そうなんです。
咲いてる花がだんだん枯れてくる感覚です。

で、登場するのが、今回の葛利のフラノです。

以下は、分かる奴だけ分かればいい、的に書きますから、読み飛ばしていただければいいです。
糸はsuper140’s。つまり理論的には140番手まで引けるだけの超長繊維ですが、
これを梳いて(ウーステッドにして)64番手に引き、双糸にして、経緯(たてよこ)に使います。
イタリアみたいに双糸単糸ではなく、英国式に双糸双糸です。
しかも織機が、レピアやエアジェットのような高速機ではなくて、
葛利毛織自慢のションヘルという旧式の超低速機。
自然な繊維の張力を生かして、空気を含みながらのんびりと織られます。

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出来上がったのがこの生地。343gあるのですが、ふんわりと軽く仕上がっています。
従来からのフラノの既成観念とは違うフラノなので、
「だけどなフラノ」と勝手にネーミングしました。

写真だけだとこのふんわり感は伝わらないだろうな、残念ですが。

ぜひぜひ触ってもらいたいです。

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色は全7色。
紺は、ミッドナイトと明るめネイビーの2種。
杢のグレーは、チャコール、ミディアム、ライトと3段階。
それに、杢のダークブラウン。
最後にブラック(写真なし)。
(チョークストライプをご希望の方はお問い合わせ下さい)

で、価格です。クオリティライン(ファクトリーはアルデックス)の場合、
先着10着まで税込100,000円のポッキリプライスで承ります。

「だけどなフラノ」、ぜひ見に来て下さい。