入荷速報。英ハーレィHarley of ScotlandからVoe True Shetlandのシームレスセーター入荷。9年目の今年は「1も2も4も全部やる」。ここでは1plyを取り上げます。

英ハーレィHarley of Scotland 到着です。いつものボゥ・トルー・シェトランドVoe True Shetlandです。
カタチはシームレスのクルーネックの1つだけ、糸はVoeTrueの一種類、色も無染色の6色のみ。
糸の撚り(より=プライply)で、1ply、2ply、4plyの3種。
過去8年間、この3つの撚りの違いを、いろいろと提案してきましたが、
どこからこのHarleyの旅路に加わったか、で、お客様のコレクションも様々になりまして、
いよいよ今年は「1も2も4も全部やる」を方針にいたしました。
ただ全部やると言っても、3種類の撚り、6色、5サイズ、全て揃えていては身がもたないので、
過去の販売データを元に、ここは持ってないでしょ、という穴を突くような品揃えにしています。

ここでは一番薄くて軽い1plyを取り上げます。19,800円(税込)。
9年前にこのHarleyのVoeTrueを始めたときには、この1plyでスタートしました。
9年前の初登場のときの記事、今読むと懐かしいです。
このときはFawnが売れ筋で、その後Silverが登場してからはSilverがダントツでよく売れました。
だから、1plyでは、FawnとSilverの2色は持ってる人が多いんですね。
いっとき生産中止になった期間があり、それで当店も2plyに乗り換えたんですね。

実は、VoeTrueシリーズの真骨頂は1plyにこそある、と、今でも私は思っています。
薄くて頼りなげな細い糸をふんわりと上手にホールガーメントで編み立てるハーレィのテクニック、
首のゆるさや腕の細さは、ジャケットの下の重ね着にドレスっぽくも着られるし、
逆に、白Tシャツにダイレクトに着て、スウェットっぽくカジュアルにも。
カシミアとは正反対のワイルドな素材なのに(価格も正反対ですが)、
カシミア並みの包まれるような暖かさを醸し出してくれる、
VoeTrueShetlandの魅力を一番引き出しているのは1plyだと確信しています。

1plyの展開は5色。2plyの6色からSilverを除く、というところ。

色の説明、サイズ感、などは、2plyの項もご覧ください。
また4plyの項目はこちらです。

※White
真っ白ではなくて、黄みがかったナチュラルです。

1plyでwhiteは実は初めて。透けるからです。透けたっていいじゃん、という方にだけお勧めします。
赤いギンガムのシャツの上から40”を着ています。うっすら透けてますね。
平置き写真でも、タグが透けてますね。

※Fawn
子鹿の色です。

42″をTシャツの上から着ています。
私(身長165cm体重70kg)にはちょっと大きいです。

※Moorit
ムーア。赤褐色の荒湿地。これも1plyでは初入荷です。

44”を着ています。やや大きいですが、1plyだと薄手なので、さほど気になりません。

※Grey
グレーと言うよりセピア色です。

38″を着ました。ピタピタでちょっと無理くり感あり。



※Black
ブラックと言っても黒い羊の意味です。ブラックの1plyも初登場です。

これをブラックと呼ぶのは違和感ありますね。

あ、時々やむなくモデルになっている私の体型、書いておきます。
身長164cm体重73kg胸囲96cm胴囲(スラックスのサイズ)88cm,腕は短くてシャツの裄丈で78cmです。
なので40”でゆとりなしのフィッティング、42”が適度なゆとりの最適サイズです。
ただ、1plyはとても薄手で、2plyよりもまとわる感覚があるため、
2plyよりもひとつ大きいサイズも守備範囲に入れて考えてもいいかもしれません。

最新の色サイズの在庫状況はwebShopにてご確認ください。
そのままご購入へも進めますので是非。

さあ6色揃った人はいらっしゃいますか。plyは問いません。

さて、毎年のことなのでおなじみになりましたが、
Voe True Shetland について、もう少し詳しく話します。

かつての店の裏スペースにこんなポスターが貼ってありました。
ある方から譲ってもらったもので、シェットランドシープ63種が描かれています。
このポスターを制作したShetland Sheep Breeders Groupのサイトから
参考になる話がいろいろあります。
Voe というのは、Shetland本島にある固有の地名でも存在しますが、
一般名詞として、フィヨルドのような深い入江を指す言葉です。

で、このいくつもあるシェトランド島のvoeの一帯で、育てられているこのポスターのようなシェトランドシープのバージンウールだけを手作業で丁寧に刈り取って羊毛糸にしたもの、
それが、Voe True Shetland です。
一般的なシェトランドシープは割と硬めの風合いなのですが、
Voe Trueは子羊のバージンウールですので細くて柔らかい、独特の味わいが生まれます。
この羊毛を一躍有名にしたのが、1953年のエベレスト初登頂で、
ヒラリー卿が下着のように着用していたセーターがこの羊毛でできていました。
シェトランドシープには、ポスターのようにいろんな色の羊がいますから、いろんな色ができるのですが、
これを1927年に統一した基準を作り、12の色に分けることになりました。
もちろんどれも染めていない羊本来の色です。
今回仕入れた6色もこの12色のうちからVoeTrueShetlandのブランドが採用を決めた色となります。

ココ、大事なことです。つまりVoe True Shetland には無染色のナチュラルカラーしかないのです。赤や緑のカラフルな色は存在しません。
ところが、です。Voe True Shetland で検索を掛けると、いろんなセーターが引っ掛かります。これは、いろんな人がろくに調べもしないで安易に人の書いたものをコピペして流用し、しかも誤った適用をしたことから起こったことです。
ちゃんと調べればすぐにわかることなのに、それを怠っているのです。
もう一度言います。Voe True Shetland に、染めた色はありません。白も黒も例外ではなくこれも無染色なんです。
それから、HarleyではVoeTrueShetlandの羊毛以外にもいろんな羊毛を使ったセーターを製造しています。一番多いのはShetland Woolを模したsupersoftという糸で、これにはとてもたくさんの色があって、その中にはVoeTrueととてもよく似た色もあります。しかし当然ですがそれはVoeTrueとは異なるものです。
VoeTrueShetlandで編んだセーターには必ずVoeTrueShetlandの提げ札が付いています。
大事なことなので、何度でも繰り返して言ってます。