アランセーターのビッグな情報、その2…ハイビジョンでテレビ番組です

その2は、テレビ番組です。それもNHKです。
BS-Hiですからハイビジョンです。放映日時は、5月7日(火・振替休日)の午後8時からの90分間。
番組名「ハイビジョン特集・シリーズ「天涯の地に少年は育つ」アイルランド・荒海に編むセーター」

NHKのサイトにある予告内容を以下に転載します。

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「子どもは伝統の暮らしをいかに受け継ぐのか…」。「天涯」と呼ぶべき大自然の中、伝統的知恵を今も尊厳を持ち保つ地を訪ね、「伝統を学ぶ子どもら」に密着取材するシリーズ、第3弾。伝統の知恵に潜む「人間と自然の関わり」「親子という世代の在り様」を描く。

アイルランド西部、北大西洋の荒海に浮かぶアラン諸島「イニシュ・マン島」。
島は一枚の石灰岩(5x3.5km)、海岸は数十mの断崖。その島で半農半漁を営みケルト文化を守る150名の人々。
石灰岩の地面に海藻を敷き、畑を作る。海風が強く、石垣で囲わないと土が吹き飛ばされ作物は育たない。遺跡のように島中張り巡らされた石垣、一家総出で築く。男は海に漕ぎ出しカニやロブスターを獲る。
漁に出る時、妻や母が編んだセーターを着る。高級ニットの代名詞「アランセーター」の故郷だ。編み目に家族固有の模様があり代々受け継がれる。家紋の役を担い一家の主が不幸に海難事故にあっても身元がわかるように…と。
男は12歳になるとカトリックの堅信礼で、母が編んだ乳白色のセーターを身にまとう。女は7歳から編み方を教わり始める。
編み模様は、ケルトの古い象形文字で意味がある。「縄」は安全と豊漁、「はしご」は永遠の幸福、「ダイヤモンド」は成功と富、「樹木」は長寿と子宝、どの模様にも島を守る女たちの願いが込められている。
150人の島に暮らす少年少女は30人。少年は石垣の築き方を学び、セーターを着て舟の操り方を習う。少女は父や兄弟のためにセーターの編み方を習う。
ケルト民族の伝統を受け継ごうと学ぶ子どもたちの視線から、荒海の島で誇りを持ち生きる島民たちの冬と春を描く。
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そして、この番組の中で、当店が販売しているビデオ「Aran Islands」の一部の映像(1960年代に撮影された島の結婚式の様子)が放映されるらしいのです。
先日、番組の製作会社から日本の代理人である私のところに使用許可を求めてきたので、
この話は間違いないと思います。

アラン島の大自然、アランセーターの原風景が、ハイビジョンの迫力ある映像で見られるのですから、今から大変楽しみです。
但し、皮肉な言い方をするならば、こういう番組はたいてい映像重視となりがちなので、
アランセーターの画像は精緻に撮影したとしても、
私が本で解明したようなアランセーターの伝説に関する真実の探求、という語りの部分には恐らくあまり触れることはなく、
従前からの伝説をなぞる程度に済まされてしまうのだろう、という危惧は持っていますが。

さて、我が家のテレビ自体はハイビジョン対応ではないのですが、ケーブルテレビなのでBS-Hiは視聴できます。
だから定休日の当日にリアルタイムで番組を見ることはできるのですが、しかし録画ができないのです。
どなたか、ハイビジョンのまんまできれいにDVDに録画していただける方、
いらしたら当方までご連絡いただけるととても嬉しいです。

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追記(5/3) 製作会社から、ようやく番組が完成しました、とお礼の電話がありました。そして、番組を録画したDVDを頂戴できるようになりました。従って、上記のお願いは不要となりました。


入荷速報。アーガイルのコットン・ホーズです(メンズ)

Hsargyle2 長年の付き合いであるソックスメイカー・ハリソンから届いた
今シーズンの発注資料の表紙は、この写真でした。

中心にウィンザー公(エドワード8世)とおぼしき人物がいて、口にティーかなんかをくわえてますね。取り巻き連中と楽しくゴルフに興じているご様子です。
そして、左側のニッカーズ(ニッカーボッカー)の二人が、アーガイルのホーズを履いています。
ハリソンとしては、この春夏物の提案としてコレをやりたい、という主張なのでした。

ならば乗ってあげましょ、ということで、本日入荷しましたのが、このホーズです。
Hsargyle1
中厚のコットン(ナイロン、ポリウレタン混紡)素材で、ジャカード編みのアーガイル。
ベースカラーは、左から、ブラック、ネイビー、ライトグレー、ベージュ、です。
サイズM(25-27cm)で、\1,470。

ただ、ですね、イメージとしては確かにゴルフのニッカーズに、というテーマではあるのですが、
何も、ホントにニッカーズにハイソックスとして履かなきゃいけません、と言ってるわけではありません、念のため。
普通のコットンのアーガイルソックスと同じ様に使ってもらえばいいのです。
長いのは、ずり落ちないための方策であるにすぎません。
ズルッと下がったソックスからすね毛、というだらしない態度はいただけませんから。


入荷速報。オックスフォードのBDシャツを作り込みました。

3月の中ごろ、オーダーシャツのファクトリーであるドゥワンソーイングさんから、情報が入ってきました。
Do1vox1 「播州産地に昔からあるシャトル織機で、ビンテージ感覚のオックスフォード生地を織らせています。
糸は40番手双糸と20番手単糸の縦横で、
生地の風合いも、堅さとふんわり感が同居していて、もちろん大変お薦めなのですけれど、
もうひとつの魅力は、この生地、セルビッヂ(耳)付きなんです。」
という内容です。

私は、面白い話だと、思い、
それなら、お客さんからオーダーが入るのを待っているだけではなくて、
何枚かあらかじめ作っておいてもいいんじゃないか、
それもどうせ作り込むのなら、普段のオーダーシャツではない、
よりカジュアル指向のシャツを作ってしまおう、
ということで、今日届いたのがこのシャツです。
Do1vox2

オックスフォード生地ですので、衿型がボタンダウン、というのはお約束として、
シルエットは、一見ずんどうなスタイルながら、
肩幅を思いっきり中へ入れ込んで、脇も狭くしましたので、
ダボダボ感は全く出ないようにしています。
従来型のアメリカンシルエットとは異なるので、
背中のボックスプリーツは付いていません。
そして「水洗い」を施しました。これ、ここのファクトリーでは初めての試みです。
Do1vox3
Do1vox4_3
赤と青のラインのセルビッチ(耳)は、前立ての裏側と、袖の剣ボロにチラリと見えるようになっています。
そして、裾チップにはストライプ生地を付けてアクセントにしました。
Do1vox6_2
長袖だけでなく、半袖も用意。
こちらはプルオーバー(かぶり)にしましたので、耳の見え方も表に出てきます。

生地の色数は4色で、白、ブルー、ピンク、イエロー(写真なし)。
用意したサイズは、S(ネック37.5cm)、M(39.5cm)、L(41.5cm)、の3サイズ。
価格は\12,800です。
Do1vox5
で、ここからがすごいところです。
このシャツは、もちろんそのまま買ってもらえるように用意したわけですが、
申し上げているように、元々がオーダーシャツを販売用に作り込んだものですので、
二週間あれば、同じモノを同じ価格で一枚ずつオーダーで頼むこともできるということなのです。

例えば、袖や着丈の長さが合わない、というサイズ面でのご要望のほか、
アクセントにもっと派手な色を使ってみたいとか、
長袖でプルオーバーにしたい、とか、(但しコレは相当脱ぎにくくなります!)
そういうパーソナルなご希望を入れ込んで、自分だけ用の一枚分を作ってしまおう、
というわがままが可能なんですね。
きっとそういうお客様も結構出てくるだろうな、と想定しています。

この「ビンテージオックス」の提案、価格も割と手頃なので、
是非「一枚、のった!」と名乗りを挙げていただけると嬉しいです。


シャツを作ろう!「麻素材フェア」実施します。

オーダーシャツのファクトリーから、フェアの提案です。
ココは、ただ注文を待っているだけではなくて、
いろいろと積極的な仕掛けを考えてくれます。ありがたいことですね。

今回の「麻素材フェア」は、以下のような内容で、8月までのロングラン企画です。
とりあえず、ファクトリーからの提案書から転載します。
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4/12~8/30までの期間にパターンオーダーシャツの中より、
麻及び綿/麻素材のシャツをお作り頂いたお客様に、
もれなく下記の『リネン ハンカチーフ』をプレゼントする
《麻素材フェア》を開催いたします。
Do1 吸水性の良いリネンは古来よりハンカチーフの原点ともいうべき素材です。
又、四辺を色違いの糸でかがっていますので、
シャツや上着の色とコーディネイト出来るポケットチーフとしても使える優れものです。
その上、角に一箇所ボタンホールを開けていますので、
前立ての釦に留めて食事中のハネ・シミ防御用としても便利。
サイズは43cm×43cmと大きめ。
また、お客様のご希望によって、無料でイニシャルをお入れします。
是非このチャンスをご活用下さい。
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という内容です。

手元にこのおまけの麻ハンカチが見本として届きましたが、
確かに大判で、実用性も高そうなハンカチです。
ま、このハンカチが欲しいために無理して麻のシャツを注文しようという方はいないとは思いますけれど、
麻を使ったシャツ生地は、ご覧の通りに約60柄と大変充実していますし、
確かに麻使いのシャツのご注文は増えている傾向にありますので、
8月までの間にシャツを作ろうかな、とお考えの方には、
この企画は良い誘い水になるかと思います。
Do1_2
メンズもレディスも、どちらでも対応します。ぜひご活用下さい。


春夏のスーツ・キャンペーン。葛利毛織にスポットを当てます。

「葛利(くずり)毛織」の名を知っている方は、今はまだ少ないと思います。
でもきっとあと二年も経つと、ああ、これがあのとき野沢が言ってた服地屋さんかぁ、と、
その知名度は上がってくるはずです。
そのくらい、今我々の業界では注目度の高いところだと言えます。

愛知県一宮市の木曽川近くにある、大正元年創業の毛織物ファクトリー、葛利毛織。
ここの何がすごいのか、と言うと、すべてが「ションヘル織機」なのです。
Kuzuri
で、ションヘル織機の説明です。手元にある解説をそのまま書き写しますと、
「ションヘル織機とは、1960~70年代に活躍し、現代の高速織機には出せない意匠性を出すことが出来ます。ただ現代の織機の4分の1というスピードしか出ないので生産性に欠けますが、その昔ながらの風合いの生地や目の詰まった腰の強い生地は多くのファンを魅了しています。」とあります。
(その大きな音からそのまま「ガチャンコ」との愛称で呼ばれることもあるようです。)

どっかで似たような説明を聞いたことありません?
デニムやシャツ生地などの綿織布における「シャトル織機」(セルビッヂ(耳)付きの生地で知られていますね)や、
編み生地における「吊り編み機」(当店で言えばフィル・メランジェですね)、
この説明と同じです。
そして、その共通点は、どれも日本に残った旧式の機械、ということです。
そして、ゆっくりとしたスピード、打ち込みはしっかりとしているのに空気を一緒に織り込んだようなふっくら感…、というのも同じです。

今回は、葛利の服地から5つの柄を用意しました。
すべてストライプ柄で、ウール77%キッドモヘア21%ポリエステル2%。(一番下の柄のみウール100%)の夏物らしい素材です。

価格ですが、いくら貴重なションヘルの服地だとは言え、
国産服地ですので、そんなべらぼうな生地値ではありません。
シングルスーツ上下のオーダーで、メンズ\79,800~、レディス\72,450~、です。
この価格は、キャンペーン特別価格ですので、5月11日(日)までの限定有効価格とします。


レディスのオーダースーツ、第1号が仕上がりました。

08sssuitsw1_2 3月初めから、スタートしました、レディスのオーダースーツ。

手始めに、採寸担当の相川が自分で作ってみまして、
これが第一号で仕上がってきました。

生地はウール60%シルク37%ポリ3%のメンズの服地で、上下仕上がり価格は\88,200です。
黒ベースの強めのストライプですが、
ジャケットのシルエットはうまく女性らしい流れを作ることが出来ました。
すでに数回着用して接客してますが、
着心地も快適なようで、 お客様にも好評を頂戴しています。

納期は約1ヶ月。価格は6万円代から、中心価格8万円代です。

「レディスのスーツは出来ないんですか。」と
今まで大勢の方から問い合わせをもらい、
そのたびに「ごめんなさい」で申し訳ない思いをしてきましたが、もうOKです。
どんどんお尋ね下さい。