秋冬のスーツ生地をご案内③。英国製の生地が欲しい、という方にはこれ。ハリソンズのプレミアクリュ。ハダースフィールドがはぐくんだ傑作定番です。

英国製らしい服地が欲しい、だけど昔の羅紗屋のようなぶ厚くて堅い生地ではなくて、
というご要望には、これを一番にお勧めしています。

ハリソンズ・オブ・エジンバラのロングセラー定番プレミア・クリュです。
生地の名前はなぜかフランス語ですが、
上記の要望に一番こたえられるシリーズです。

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330g、11オンスのウェイトは秋冬としては重たい方ではなく、
それほどミルド(毛羽立ち)もされてません。
色柄はいい意味でいたって英国的。
約100柄ですが、何年も変わっていない色柄がほとんどです。

産地は、西ヨークシャーのハダースフィールドとされています。
テイラー・ロッヂなどがある英国服地の聖地ですね。私も行ったことがあります。

仕立て上がり標準参考価格126,360円(税込)です。


秋冬のスーツ生地をご案内②。ドーメルの人気生地アマデウスがリニュアルしました。英国製にして色気のある色と艶、がウリです。

ドーメルはフランスの会社ですが、そのほとんどは英国製です。
英国の紳士服地をパリのテーラーに切り売りする、というのが、会社の成り立ちなのです。

なので英国製なのに、欧州大陸的な色っぽさがある、というのが特徴でして、
それは配色と仕上げのツヤによく表れています。
このアマデウスはそのドーメルらしさを一番ポピュラーに味わえる服地でしょう。
 

☆Amadeus ……100% super100’s wool 310g(10.5oz)
全85柄。チェックありストライプあり無地あり。
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今年私が推奨品番としてセレクトしたのは以下の2つ。

ミディアムトーンのグレーに少しぼかした感じのストライプ
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綾目模様がほんのりと入った限りなく無地に近い濃紺。
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スーツ仕上り標準参考価格141,480円(税込)。

この服地の売り上げの一部は東日本大震災復興支援として
南三陸町に桜の木を植える事業の資金として寄付されます。


秋冬のスーツ生地をご案内①。尾州・一宮の最古参ウィーバー、葛利毛織。旧式のションヘル織機でスローに織ります。

この秋冬のスーツ生地です。

まずは、尾州最古参、100年の歴史を誇る葛利毛織です。
ふつう多くのテイラーは国産生地でもミユキとかダイドーなど大手をはじめとしていろんなところを扱いますが、
当店みたいに国産はマイナーな葛利毛織一社だけなんて言うところは大変珍しい店でしょう。

それだけ絶大な信頼を寄せているわけですが、
その理由、いろいろ挙げられますが、
最大の理由は、やはりションヘルということになるでしょう。

ゆっくりと空気を含んだ自然な張力で織り上げることで、
同じ糸を使っても最新の高速織機では出ない、ナチュラルな生地の動きが生まれ、
それが着やすいスーツの出来上がりにつながります。

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☆まずは定番のシリーズ、ほとんどが無地の品番です。

生地の薄い順、つまり季節性の弱いものから強いものへという順に並べています。
サージ、サキソニー、フラノ、と、だんだん冬っぽくなります。

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インデックスシールのCAとかYTとかの記号が生地のグレードを現わしていまして、
そこから価格表でプライスを確認してください。
手頃なところで6万円台、中心価格帯8万円台、といったところです。

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☆スポット物、売り切れ御免のグループで、ほとんどが柄物ですが、
変わったメランジ色無地のサキソニーなどもあります。

並べた順、価格の見方は、定番シリーズと同じです。

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ランク分けしてあるファクトリーの違いについては、
https://www.savilerowclub.com/annai/annaf.htm
のスーツの項目をご参照ください。


今年のスーツのテーマ、フィナンシャルストライプの生地が出来上がりました。

今年のスーツの別注素材、フィナンシャルストライプの生地が仕上がりました。

倶樂部余話(No.311 フィナンシャル・ストライプ) で紹介していますが、
もう一度説明します。

「ロンドンの金融街シティを闊歩するビジネスマンたち。
彼らがこぞって小脇に抱えているサーモンピンクの新聞、
それがフィナンシャル・タイムズ(FT)である。
中には、あたかもFTとコーディネートをするかのごとく、
サーモンピンクを差し色にしたストライプのスーツを着ている者までいるという。
そんなスーツの柄を人はいつしかフィナンシャル・ストライプと呼ぶようになった」

というのが、フィナンシャル・ストライプの由来。

でも英国生地をいろいろ探しても、コレッという生地が見つかりません。
ならば作ってしまえ、と、葛利毛織に別注しました。

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super120’sのチャコールグレーをベースに、
わざわざこの生地のために染色したサーモンピンクの糸を二本撚りにして差し込みました。
地味過ぎず派手過ぎずの絶妙なところをストライクで当てたと自負しております。

葛利お得意のションヘル織機によるスローな織りですので、
ふんわりとナチュラルに動きがあり、全身へのフィット感は折り紙つきです。
270g/mという軽さですから、秋口から晩春まで長い期間で着用できます。

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世界でもありそうでないというこの生地、
一反(約50メートル)だけの別注ですので、だいたい16着分となります。

価格です。
一般的に最も注文が多いだろうと思われるシングルブレストの上下(ツーピース)、
当店で言うところのクオリティライン(縫製はアルデックス)の仕立てで、
99,360円(税込)です。
ダブルブレストやスリーピースも、もちろん可能ですし、
縫製工場によっても価格は異なりますので、お問い合わせください。
レディスもできます。

今までも何度か生地の別注は仕掛けてきましたが、ずっと無地ばかりでした。
今回は初めてストライプものに挑戦です。
だからこそ、色や太さ、幅、など、何度も見本出しを試して
慎重に検討を重ねてたどりたいたのがこの柄です。

ストライプのスーツを一着持つのなら、この柄はお勧めです。

生地押さえだけでもご予約を承りますので、早めのアクションをお願いいたします。


企画商品のご案内。「奈津井さんのスーツ」2014version。昨年度の好評を受けて2年目の提案。真夏にノーネクタイで着られるスーツを本気で考えました。

昨年の好評を受けて2年目の提案となります、「奈津井さんのスーツ」です。66,960円(税込)。
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きっかけは「倶樂部余話」【293】に書いたとおりなのですが、
ともかくも、震災後のクールビズへの対応に真剣に取組んだことが評価されたのでしょうか、
おかげさまで多くの方からご支持をいただきました。

気を良くして、今年も2014年版を提案いたします。
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末尾「続きを読む」以降に昨年度の生地を貼り付けましたので、
詳しい説明はそちらをお読みいただくことにしまして、
2014年版として昨年と変わったところをここでご案内します。

☆生地
昨年同様に生地は3種に絞りました。一つは昨年と同じで、ほかの2種は新柄です。

①紺のバーズアイ(ピンヘッド)
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現物サンプルをこの生地で作ったことが理由だったのか、
昨年一番受注が付いたのがこの生地でした。
幸い、葛利さんが今年もリピート生産をしてくれたので、
今年も提案できることになりました。

②シャドーマイクロストライプのネイビー
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今年の新しい生地です。
動きやすく、通気性がよく、しわにならない、という、ハンドリングしやすい素材です。
紺色はかなり濃いめの紺に設定しました。
ホントに細いシャドーなストライプなので、ほとんど無地モノと同じ感覚で使えます。

③シャドーマイクロストライプのブラック
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これは②の色違いです。
クロですが、いまどきチョイ流行りの光のあるクロではなくて、光沢感のないツヤ消しのクロですので、
ま、限りなく黒に近いチャコール、といってもいいかもしれません。

☆価格
生地値、工賃、消費税、すべてが昨年と状況が変化しましたので、
昨年価格より少し上がりました。

特別設定価格66,960円(税込)です。
これは通常有料となる肩パットを抜くとか裏地を外す、などのこの仕様ならではの追加オプションを含んでいる特別価格です。

☆納期

駆け込み需要の影響でファクトリーが混んでいます。
ですので約4週間を頂戴しています。
また、ゴールデンウィークが挟まりますと、もう少し日数をいただく場合もあります。

夏でも上着を、ノータイでも上着を。
どうかご検討下さい。

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以下は、昨年の掲載記事の転載です。

続きを読む →


再掲載:増税前の駆け込み支援企画。スーツを作ろう!~「駆け込めフロンティア」。季節感を感じさせないロングセラーのこの英国製服地92柄。8%直前を記念して88,888円(税込)。男女とも。3/31まで。

3月になりましたので、もう一度掲載します。

スーツの企画、「駆け込めフロンティア」です。

お待ちしてます。

以下再掲。———————————

赤い生地バンチでおなじみ、英国「ハリソンズ・オブ・エジンバラ」。

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数多い生地コレクションのなかでは、それほど最高級というランクではないのですが、
当店ではダントツの一番人気を誇る生地が「フロンティア」です。

平織りの10オンス(300g)という、よそにないユニークなスペックで、
いい意味で季節感のない、本当に12ヶ月着られる重宝な素材です。

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着ていくごとに味わいの増す英国服地らしいハリとコシ、シワが残りにくい抜群の回復力、
私の持っているスーツのなかで年間に一番着用回数が多いのが実はフロンティアでして、
私は、常々、困ったときのフロンティア、と言っています。

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92種ある色柄は、紺無地だけで10種類近くある、など、
どれも英国服らしいロングセラーな定番ばかりです。

どうです、駆け込みでスーツを作ろう、という動機にこれほどふさわしい服地もないと思います。

で、価格も工夫しちゃいました。

8%直前を記念して、3/31まで、88,888円(税込)です。
(ちなみに、4月からの価格は96120円です。)

男女とも、です。
(メンズのファクトリーは豊橋のアルデックスを使います。)
ファクトリーが大渋滞中ですので、5-6週間の納期を頂戴します。

どの季節に何を着ればいいのか分からなくなってしまう人、
これ一着で一年間すべてをまかなおうという人、など、
ビギナーからベテランまで、すべての人に勧められる一着です。

駆け込めフロンティア、ご用命のほど、お待ちしてます。