多分その経緯を聞かなければ発注しなかったかもしれない、というジャケットです。
付けられた名前が、1910 four pockets jacket。
文字通り、1910年代の英国古着が元になっています。
ポケットのカタチ、衿の大きさ、肩のつくり、など、
確かにウイリアム・モリスの時代の写真に男たちが良く着ているジャケットにも似ています。
腰ポケットのドライワックスコットン貼りは、ナイジェルらしいご愛嬌でしょう。
100年前のジャケット、デザインを再現することはしばしば見られることですが、
これがすごいのは、素材まで100年前を再現してしまったこと。
ごつくて硬くて重たくて、でも使うごとに出てくる渋すぎるほどの味わい、
これを、まさに顕微鏡レベルまで解析して再現を目指してしまったのです。
オリジナルは繊維屑が混じっていたので、その屑代わりにわざとナイロンを混ぜ込んだり、
と、とにかく良くまあここまで、という半ば呆れてしまうほど。
そうしてこの渋いチェック柄の生地が出来上がったのです。
ウール92%、ナイロン7%、コットン1%。
英国製のようですが日本製。\60,900。