入荷速報。ナイジェル・ケーボン、半分ずっこモノ、その5は、ホスピタルジャケットのアイデアをベストに転用した、ホスピタルベスト。今度は前と後ろで、織り地と編み地が半々です。

前項のホスピタルジャケットのアイデアをベストに転用しました。
ただ今度は左右じゃなくて前後の半分ずっこです。

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前身頃に、ラッセル編み生地、
後ろ身頃にローデン織り生地、
を配しています。
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同じく陸軍=アーミーと海軍=ネイビーの2色。価格36,720円(税込)。

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以上、これで、ナイジェル・ケーボン、半分ずっこのシリーズは、とりあえずおしまいです。

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ところで、半分ずっこ、って、皆さん言わないですか。
調べてみると、半分こっこ、って言うところもあるらしいですね。
「ハーフ&ハーフ」とか「フィフティ・フィフティ」とか、ほかの表現も考えてみたのですが、
半分ずっこ、が一番伝わりやすい言い方かな、と思いまして、
今回はそうしてみました。


入荷速報。ナイジェル・ケーボン、半分ずっこモノ、その4。野戦病院の傷病兵がはおるホスピタルジャケット、織り地と編み地が半々に。

いきなりですが、織り生地(weave)と編み生地(knit)の違い、ってお分かりでしょうか。

織りの物は経(たて)糸と緯(よこ)糸の2本の糸を使い面にします。
対して編みの物は一本の糸を往復させて絡ませて面にしていくものです。

ですので同じ糸を使っても織り生地と編み生地とでは手法が違うので
同じような風合いに仕上げることはかなり困難なことで、

例えばコンビネーション物をデザインするにしても、
織物同士、または編物同士で組織を変えたりしてコンビを考えるのが普通のやり方です。

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ところが、です。そこが普通じゃないのがナイジェル・ケーボンでして、
このジャケット、同じ糸を使いながら、

片やローデンクロスという織り生地、
こなたラッセルニットという編み生地、の

半分ずっこ、になっているというシロモノであります。

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ただし同じ色の同じ糸なので、パッと見は普通の単色ジャケットに見える、というのがミソ。
着込んでいくうちにそれぞれが違う経年変化をおこすので、
だんだんと二つの生地が区別のつくように見えてくるはずです。

さて、よく見て下さい。
前身頃も後ろ身頃もそして両方の袖も、
ついでに腰のポケットも、
見事に左右の生地が異なっているのですが、不思議に違和感がありません。

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デザインはホスピタルジャケットと呼ばれているもので、
野戦病院などの傷病兵が外出の際に寝間着の上に羽織るようにと考案されたモノ。

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オリジナルはかなり強いブルーだったそうで、
防寒だけでなく、脱走防止の意味もあったようです。

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入院兵が入れ代わり立ち代わり交互に着たり脱いだりするので、
ややゆったり目の作りでデザインも極めてシンプルなものになっています。
裏地もなく、また生地自体も多少の伸縮性があるので、
ニットジャケットのようなふんわりとした着心地です。

メンテナンスのしやすさを考えたのでしょうか、
前ボタンは取り外せる仕様になっています。

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陸軍=アーミーと海軍=ネイビーの2色。価格69,120円(税込)。


入荷速報。ジャケットを作ろう! 英国のジャケット生地、サンプルブックが揃いました。ご存じハリスツイードと新星W.BILLを紹介します。

英国らしいジャケット生地、いつものと新しいの、両方紹介です。

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☆ハリスツイード
まずはご存じ、ハリスツイードです。スコットランド西方の島で織られます。
毎年変わらないんでしょ、と思われがちですが、
今年の大きな変化は、重たくなったことです。
昨年までは400gのスーパーファインウェイトが主力でしたが、
今年はちょっと重たくなって、ほとんどの柄が490gのフェザーウェイトに置き換わりました。
世の中の声が、やっぱりハリスはこのくらい重たくなくっちゃ、というところなんでしょうね。

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チェックから無地まで、約40柄ありますが、すでに品薄品番が出始めています。
製作はまだ先でもいいのですが、生地の押さえだけでも早い方がいいと思います。
ジャケット仕立て上がり参考価格62,000円~(税別)。

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で、今年初登場は、W.BILLです。
実は私も卸元から紹介されるまで全く知らないところでした。

1846年に北ウェールズのモールドで小さな店を開業。
日本でいうと江戸時代後期、黒船来航の直前です。
ツイードやブランケット、カシミア生地などの独自の生地ぞろえで繁盛し、
1892年にロンドン進出を果たしました。

英米ではユニークなジャケット生地を扱うマイナーな服地卸として
貴重な存在だったようですが、日本ではそれほどには知られていませんでした。
それがこの度、ハリソンズを扱う英国最大の服地マーチャントLBDグループが
ここを買収したことで、一気に日本にも紹介されることになったという経緯です。

☆フェニックス made in Scotland
300g弱という、こういう薄手のジャケット生地が意外に今までなかったんですね。
秋口から春先まで(うんと寒い真冬だけはちょっと寒いかも)
長―く使ってもらえる服地です。
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24柄の見本が揃いました。
ジャケット仕立て上がり参考価格71,000円~(税別)。

☆シェットランドツイード made in Scotland
英国らしいツイードが欲しい、だけどハリスではかたくて重たすぎる、
もう少し肩の凝らない、ソフトで軽くて、だけど風合いのいいツイードはないものか、
という声、今までもありました。その答えがコレです。
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400g弱というウェイト、スコットランドらしい色合い、24柄がお目見えです。
ジャケット仕立て上がり参考価格68,000円~(税別)。

☆タッタソールのベスト生地 made in England
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こういう生地がちゃんとそろっている、というのもW.BILLの魅力です。
12柄もあります。ベスト仕立て参考価格29,600円~(税別)。

☆クラシックなウールコート Ireland and Austria
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コート生地もちゃんと用意してくれてるんです。
上4柄、アイルランドのドネガルツイード、ヘリンボーン柄。650gというヘビーウェイトです。
下4柄はオーストリア・チロル地方ののローデンクロス。520g。
どちらも、コートで115,000円~、ジャケットで81,000円~(税別)。

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ジャケットのオーダーは、生地取寄せに一週間ほど掛かるものもありまして、
全部で4-5週間ほどを要します。
5週間後というともうだいぶ涼しくなりますから、
今年はジャケット作ろうかな、というつもりの方は、もうそろそろ動き始めてください。

考えることはみなさん同じでして、生地の品切れはあるとき一気にやってきます。
どうか後れをとることのないよう、早めのアクションをお勧めします。


入荷超速報(仮)。今日から秋体制に切り替え。なので今入荷している新商品をばっと簡単に羅列しておきます。

実質的には今日から秋の体制に切り替えます。

いろんなものが実は届いていたり、もうすぐ届くのですが、
必ずしもお見せしたい順番に都合よく届くというものでもないのです。

で、入荷速報は、紹介したいもの、急ぐものを優先して、写真を撮って、解説を付けて、順次掲載しますが、
ここでは、今届いているものを取り急ぎ順不同で、簡単に紹介しておきます。

☆フィルメランジェ。長袖ハイネックのTシャツ。単独でもまたインナーとしても使えます。

☆新ブランド、オックスフォード・ブルー。到着しました。英国バーミンガムの自社工場で作る、ワックスドコートやキルティングジャケット。男女あり。海外で見つけてきた商品で知名度は低いですが、自信ありのファクトリーブランドです。

☆ジョナサン・リチャード。アイルランドから届いたのは、当店特注のウール無地のネクタイ。長さも幅も当店指定です。

☆クッシェンデール。アイリッシュウールのストール。当店別注サイズでキーワードはOne Third。

☆アランセーター。衿付きのカーディガン(アラン・レジェンド)は5色とも完納しました。出来るだけ早くWEBにも在庫が載せられるように現在準備中です。

☆もう一社からアランセーター。丸首プルオーバー(オモーリャ)は、一部がすでに成田まで届いています。9月10日頃には販売スタートできる見込みです。

☆ジェイミーソンのフェアアイルセーター。今年は早期展開ができそうです。成田からの通関を終えたようですので、これも9月初めには店頭に並べられるでしょう。

☆ドレイクスのネクタイ。今日届きました。新作約30本です。

☆無地セーター。英国イングランドはスメドレーのメリノウール、
スコットランドのホーウィックニットのカシミアとメリノ、どちらも9月初めの入荷です。男女とも。

☆ジャケット生地の見本が続々到着してます。
ハリスツイードの生地見本も届きました。
今年一押しは、北ウェールズ出身のマーチャントW.Bill。
薄手のウール生地やシェットランドウールなど、冬へ向かう前の時期(実はこれが意外に長い)に重宝するジャケット生地です。

☆スーツ生地は、ドーメル、ハリソンズ、葛利毛織、の定番生地がリセットされました。

☆新作ではないですが、シャツやパンツの定番も色サイズのリセットを進めています。

と、こんなところです。

さあ、いよいよ、今日から気持ち切り替えて、

秋、始めます。


入荷速報。ナイジェル・ケーボンがアラビアのロレンスからインスパイアした、砂漠色したリネンのストライプベスト。背中がニット、がミソ。

ナイジェル・ケーボンでは、半年ごとにテーマを決めてコレクションを提案をします。
2015年春夏は「アラビアのロレンス」。
英国人の英雄の一人ですね。
中東に強引な国境線が引かれる遠因ともなった人物ですので、
ある意味タイムリーなテーマとも言えます。

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で、そのアラビアのロレンスから連想されて企画されたのがこの砂漠色のベスト。
英国的にはウェストコート、フランス流にジレ、と言います。

★メンズ 31,320円(税込)

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前身頃は、綿72%、麻28%の布帛生地。
面白いのは、後ろ身頃がニットだということ。麻60%、綿40%。
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背中側がむにゅっと伸びるので、ピタッとした着心地が味わえます。
これ、他所にないミソなポイントです。

★レディスもあります。
ポケットのカタチやボタンの数がメンズとは異なります。
30,240円(税込)

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ちなみに英国陸軍トーマス・エドワード・ローレンス少尉が
実際にこの類のベストを着用していたのかどうかは、
こちらでは定かではありませんので、念のため。


服地の紹介。葛利毛織から、春夏モノの スーツ・ジャケット生地が揃いました。

葛利毛織から、 春夏の生地揃いました。

尾州産地(愛知県一宮あたり)に今でもわずかに残る
旧式のションヘル織機でスローに織られた、
ジャパンメイドならではの優しい服地です。
その風合いから、ビンテージ服地、とも呼ばれます。

①無地
15ss_kuzuri_suit11_2 15ss_kuzuri_suit12
【キッドモヘア混】16色/CA
 
【タスマニアウール・ナチュラルストレッチ】7色/CY
【super120’s】10色/YT
【ブリティッシュモヘア】3色/YT
【super140’s】5色/WT
【キッドモヘア、ウール&シルク】4色/WT
【super160’s】2色/OT

②柄物
15ss_kuzuri_suit21 15ss_kuzuri_suit22
【タスマニアウールブレンド】10種/CT
【キッドモヘア混】12種/CA
【はっ水ストレッチウール】12種/CY
【super120’s】8種/YT
【super140’s】7種/WT

③ややざっくり目のシリーズ
15ss_kuzuri_suit31 15ss_kuzuri_suit32
【通年対応・ションヘル・フロンティア・ウール】11種/CY
【3PLYポーラ・エアウール】9種/YT
【キッドモヘア・トニック】11種/YT

④クールサマー
(ポリエステル混紡の盛夏対応素材・「奈津井さんのスーツ」)
15ss_kuzuri_suit41 15ss_kuzuri_suit42

⑤ジャケット&トラウザーズ
15ss_kuzuri_suit51 15ss_kuzuri_suit52

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同じ生地グレードでも
価格は縫製ランクによって異なります。
(バジェット、クオリティ、クラシック、の区別については、こちらをご参照ください)

オーダースーツ屋さんでよく見るぶ厚い生地バンチのままですと、
生地の違いが分かりにくいので、
当店では、一枚ずつばらして台紙に張り付け、こんな形にしてお見せしています。
この作業、結構手間暇かかるんです。