シワにならないリネンとして好評の英ハリソンズ・シーシェルSeaShellがリニュアルになりました。

全26色。ご覧ください、メランジ(杢(もく))のいい色合いが目白押しです。
360g,テトロン55%リネン45%、英国製。化繊混ですが見た目は完璧にリネン100%、
過去2年も評判が良く、ジャケットやスーツでおすすめしてきました。
このメランジばかりの色揃えを見て、ひらめきました。
これ、トラウザーズ(スラックス)に最適じゃないの。
寒い冬にコーディングスのモールスキンを履くごとく、
春夏にはシーシェルのシワにならないリネンを推奨しよう、と、いうアイデアです。
ジャケットでは躊躇するような色合いでも、トラウザーズならトライしやすいですね。
また、グレー系や紺系なら、ビジネスでもしっかり通用します。
ということで、通常ならトラウザーズをオーダーすると4万円超になるこの素材ですが、
冬のモーススキンと同等価格に揃えたいとの思いから、3月だけのキャンペーンプライスを特別に用意しました。
通常価格より約15% offの、37,950円(税込)~です。(ファクトリーや要尺により割増あり)
3/31(日)までの限定価格です。
なんでまだ寒い3月にやるの、というと、納期なんです。
ハリソンズは在庫を英国で一括管理していて、週2回エアーで日本に送るシステムなので、
工場制作と合わせるとどうしても4-5週間の納期が必要になります。
なのでGWあたりから履き始めたい、となると、3月中のご注文が必至になるのです。
あ、トラウザーズのキャンペーンですが、同素材でジャケットやスーツ、ベスト、なども、受け付けますよ。
出来上がる品物については自信があります。一番心配しているのは、
オーダーなので、ご来店が必要になる、ということです。モールスキンなら電話でも頼めるのに、です。
すでに寸法のある方ならリモートでもなんとか可能ですが、原則として対面接客をしたいです。
特に静岡県外の方、なんとか3月中の一日、都合をつけて静岡までいらっしゃいませんか。
どうしても行かれない、という方は、ご連絡ください。なんとか考えます。
言うまでもなく、SeaShellはトロピカルな貝殻のことであります。
カテゴリー: 02.ジャケット・ベスト
入荷速?報。葛利毛織・春夏モノの定番生地、揃え直しました。これからもしっかり売ります。
当店のスーツ生地、国産は尾張一宮の葛利毛織の一本勝負ですが、
その春夏物の定番生地を一覧できるようにスワッチを揃え直しました。
毛100%やキッドモヘア混紡、モヘヤ&シルク混、ポリ混紡の「夏井さんのスーツ」(懐かし!)、など、
全部で26柄。
価格帯は、JPY84,700(税込)~からJPY97,900~まで。
すべて、100年の歴史を持つ葛利毛織が持つ自慢の旧式ションヘル織機で織られた風合い豊かな生地です。
スワッチの断面が一部よれよれしているのは、素人の私がピンキングばさみでカットしたから。悪しからず。
今回、葛利毛織では、生地揃えの見直しと価格の変更があり、
春夏モノも秋冬モノも、当店おなじみのパタパタをすべて作り直しました。
こういう機会でないと、全てお見せすることもないので、
一覧で並べてみました。
結構あるもんでしょ。
なぜウチが国産生地は葛利の一本槍で、よその生地に浮気しないか、と言うと、
それだけココの生地に惚れ込んでいるからでして、
その理由として、それぞれのパタパタの一番上の価格表のところに、このように書いています。
それを紹介してこの記事の締めとしましょう。
葛利毛織(くずりけおり・愛知県一宮市)。尾州で100年続く最古参の毛織物ファクトリー。
昭和初期からずっと使い続けているションヘル織機は、とても低速で非効率ですが、
糸の張りも緩く手触りもソフトで、空気を多く含む自然なストレッチ感が保たれ、
最新の高速織機では出すことのできない、手織りに近いビンテージ生地の風合いがあります。
ファン感謝ディ、開催中。実況です。
お知らせ。「ファン感謝ディ」を開催します。次の週末 1/20(土)&21(日)。5Fのラウンジを貸し切って店を作ります。冬物の価格もいじります。
当店の「ファン感謝ディ」、知ってる人は知っているイベントです。
1年ぶりに貸し切りでやります。
次の週末、土日の二日間です。(1/20&21)
もちろんアポ無しで結構です、ご来店ください。
価格、見直し(値下げ)します。
今シーズンは価格の上昇がかなりあり、慎重に値付けしたつもりでしたが、
それでも、価格抵抗感の否めないシーズンとなりました。
その反省を込めての価格の見直しです。
webShopとも連携します。価格はすべて一緒にしてあります。リモートでもご注文できます。
(価格変更のため、前々日と前日はWebShopは閉店します)
すでに次シーズンの展示会がスタートしているブランドもあり、
来シーズンのコレクションの様子も念頭に置きつつ、
弱気なもの、強気なもの、入り混じっての価格付となります。
在庫内容はwebShopもご参照ください。
奮ってご参加ください。
21日(日)は18時で閉店します。
画像は昨年1月の模様です。
出来上がり! 紹介。この2ヶ月強の「誂える」の仕上がり品です。前半はクロージングを。
秋の2ヶ月間、なので、「揃える」の方の仕入れと販売に精力を傾けていて、
なかなか出来上がり! 紹介ができませんでした。
今回はまずはスーツから。

Kさんからのオーダーは、スリーピース&スペアパンツ、の4点セット。制作は那須夢工房。
このヘリンボーンストライプは見覚えのある方も多いんじゃないでしょうか。
はい、野澤屋100周年のときに別注したシルクウールのダブルクロス、です。
当店が別注したのは紺でしたが、実は葛利毛織さんの持ち生地として色違いの黒も織っていたのです。
その生地が葛利さんにまだ在庫にあったので、ピックアップしました。
このKさん、前回の出来上がり! で紹介した「倅に成人式の背広を誂えてくれ」と注文したお父上ご本人。
息子のスーツ生地を選んでいるうちに自分も作りたくなっちゃった、ということのようでした。
こういうの、落語だかことわざだかであったような。ミイラ取りが…、でしたっけ。
元ラガーマンで金融機関お勤めのSさんから、略礼服、それも一番地味に仕上げて、
というご注文。生地は葛利毛織のカシミア5%混、10マンスの定評フォーマル素材。
これ、ハンガーに普通に掛けてあって、ディテールもフォーマルにしすぎず、
いい意味で実に普通のスーツなんですが、
ここに、さすがアルデックス、という大きな特徴が現れているんです。おわかりでしょうか。
腕、です。左右対称にねじれたようなシワが出てますよね。体格のいいSさんですので、余計にそれが顕著に出ています。
もしこれが既製服だとして売り場に陳列されていたら、どうでしょうか、
「何だこのスーツ、腕に大きなシワが出てるぞ、仕立てが悪いんじゃないのか」と思われるかもしれませんね。そう言われるのを恐れてか、既製服ではここまで腕を前に振る仕立てはできないんです。
ハンガー映え重視、と言ったところでしょうか。
はい、人の腕は自然に前に振れていて、しかも腕というのは先細りにできています。
それに見事に対応した高い技術で作られている腕まわり、が、この写真から見て取れるのですね。
もちろん人間の体が中に入ればこのシワは消えてなくなります。
この腕の作り、アルデックスのウリのひとつですね。
オーダースーツはハンガー映えを考えなくていいので、
持てる技術を思いっきり表現できる、という一つの例であります。
ここで、Aさんのジャケット。英FOXのフラノの紺のご紹介、なんですが、
仕上がり直後に急いで送ったので、どうも写真を撮り忘れたようです。ごめんなさい。
少し明るめの紺はFOXならではの色でしたので、ご案内できずに残念です。

Yさんからのジャケット&トラウザーズ。制作はアルデックス。
ジャケットはハリスツイードのグリーン系無地。
Yさんが注文したのはジャケットだけでしたが、
その直後に奥様から内緒でそのハリスに合わせたトラウザーズを、とのオーダーが入りました。
伊カノニコのバンチにちょうどいい、茶系のハウンドトゥース(千鳥格子)があってこれに決定。
引きの写真ではなかなか素材感が伝わらないので、この生地をルーペを当てて撮ってみました。


おわかりでしょうか。特にジャケットのハリスツイードはすごい色数でしょ、見ていて飽きないです。
ついでに先述のAさんのFOXフラノ明るい紺無地も撮りました。いかがでしょう。
このルーペ、時々取り出して、お客様にも拡大画像を楽しんでもらってますが、
このルーペを紹介してくれたのがLOVAT MiLLの社長。渋谷の東急ハンズにあるよ、と教えてくれたんです。
もひとつジャケット。
Kさんのジャケット。これもアルデックス。
この生地、実は私とお揃い。英W.BillのフェニックスPhoenix。
このフェニックスの特徴は、秋冬物の色合いなのに生地がスーツ並みに薄い、ということ。
300g/m以下です。
ジャケットというのはスーツよりも更に季節感を出すことが重要なので、
冬物はより冬っぽく、夏物はより夏っぽく、というのが普通なんですが、
実際の季節の移ろいというのは、皆様実感されるように、
見せたい季節感と実際の気温とがいつも少しずつズレている、ということ、おわかりですよね。
ここにこのフェニックスのアドバンテージがあるのです。
実際私のフェニックスも出番が多く、大活躍の素材なので、Kさんにお勧めしてみたのです。
まさか色柄まで同じものを選ばれるとは思いませんでしたが。
あ、フェニックスと言っても、日大アメフト部とは無関係です、念のため。
これは「誂える」ではなくて、取り寄せ品。
鎌倉シャツさんのウールトラウザーズです。Fさんからのご依頼。
昨年と内容が変わっていないので、強くご案内はしていませんが、
引き続き取り寄せ体制はできてますので、いつでもご注文いただけます。
ウールはネイビーとチャコール。コットンはベージュとネイビーです。
長くなったので、シャツと靴は後編に。
生地の紹介。ツイードを中心に秋冬のジャケット生地を一覧でご案内します。
遠方の顧客から「ツイードのジャケットを考えているんですが、どんなラインナップがあるのか教えてください」という問い合わせが入りました。
かなり広範な漠然とした質問に、どう答えたものか、と、思案した結果、
いっそこれを記事にしてしまおう、ということで、
いきなりですが、こんな生地がありますよ、と、一気にまとめてご紹介することにいたしました。
バンチの表紙を一覧で撮りました。
☆ハリスツイードHarris Tweed(英スコットランド・アウター・ヘブリディーズ諸島)
泣く子も黙る?ハリスツイード(登録商標)です。
あまりにポピュラーなので、もう詳しい説明は不要でしょう。
世界の各マーチャントがそれぞれにウェイトや色柄を指示して発注するので、
マーチャントによって展開内容は異なりまして、
当店での展開は、全幅(150cm幅)のフェザーウェイト。
フェザー(羽根)級と言いながら、490gもありますが、これでも軽い方に属するわけです。
2023年はご覧の28色柄の展開です。
ジャケット参考価格69,000円((税別・以下同様)~。
SALEです
この色柄、手持ち生地が一着分だけありまして、割引価格で提供します。
ここの記述部分は売れた時点で削除します。
☆ポーター&ハーディングPorter&Harding・ハーツイストHartwist(英スコットランド・ホーウィック)
いわゆるロバットツイードです。スコットランド・ホーウィックのロバットミルLovat Millで織られています。
ここには私一度訪れたことがあります。こんなに音の大きいうるさい工場は他にないです。
なんで緑ばっかりなの?、の私の質問に、だってスコットランドの森は緑だろ。とのあっさりした答え。
そうか、この生地、森の中ではカモフラージュになるんだ、と、納得。
スコティッシュカントリーウェア、の代表選手で、ヘビーなツイードです。
当店での展開生地は560g、一番重たいのですが、ロバットの中ではこれで中ランクぐらい。
これ以上重いと現実離れ、怖いもの見たさ、の類になります、というのが私の見解です。
ジャケット参考価格87,000円~。
☆ダブル・ビルW.Bill シェトランド・ツイードShetland Tweed (英スコットランド) 
W.Billは、ジャケット生地が得意なブランドで、よそにないユニークな色出しが得意です。
この生地についての情報は少なくて、はっきりは言えないのですが、
シェトランドと言っても、シェトランド諸島で織っているのではなくて、
シェトランドウールを使ってスコットランドの何処かで織られているものだと推測します。
ツイードながらソフトで軽く、ウェイトは390gです。
ジャケット参考価格73,000円~。
☆ダブル・ビルW.Bill ドニゴール・ツイード(アイルランド・ドニゴール県)
ネップと呼ばれるカラフルな色糸の混じりが特徴のドニゴール・ツイードです。
ドニゴールには最大手のマギーを始めとしていくつかのミルがあり、
W.Billがどこのミルに発注しているのかは不明ですが、
さすがW.Bill、色出しがうまいです。
ウエイトは440g。ハリスが食傷気味になっている人には最適かもしれません。
ジャケット参考価格75,000円~。
☆モロイ&サンズMolloy&Sons ドニゴール・ツイード (アイルランド・ドニゴール県)
いい意味でクセを弱めたドニゴールツイードです。
ネップもおとなしめですし、ウェイトもやや軽め、
レディスのスカートにも使えるほどの汎用性がウリの生地です。
ジャケット参考価格73,000円~。
ツイードはここまでですが、ジャケット生地として人気の高いものも一緒にご紹介します。
☆ハリソンズHarrisons of Edinburgh・ムーンビームMOONBEAM (英スコットランド)
ハリソンズのムーンビームは、通称ラムアン。
ラムズウール75%アンゴラ25%のブレンドは、カシミアタッチなブレンドとしてポピュラーな素材です。
ツイードの粗野なイメージとは異なり、ラムアンは都会的なラグジュアリー感があります。
ウェイト320g。ジャケット参考価格98,000円~。
☆ダブル・ビルW.Bill・フェニックスPhoenix (英スコットランド)
W.Billらしい上手い色出しですが、この生地の特徴はズバリ軽さ、薄さです。
290gはスーツと同じぐらいの重さしかないのです。
ジャケットというのは、スーツよりも季節感を演出するものなので、
ついついヘビーなものに気持ちが行ってしまうのですが、
この薄さのジャケットは実に重宝なんです。夏や真冬以外の8ヶ月ぐらい、出番が多いんです。
ジャケット参考価格80,000円~。
えーい、ついでだ、ジャケットにお勧め、として、あと3つ。
☆キャバリーツイルCavelryTwill (ホイップコードWhipCord) 
乗馬服のイメージが強い素材ですね。いろんなところから出てきている素材ですが、
たまたま今年、伊カノニコから送ってきた総合バンチに手頃な価格で入っていたので、
これを取り上げない手はない、と思い、ここでご紹介。
440g。ジャケット参考価格65,000円~。あとトラウザーズとしてもオススメで43,000円~。
☆ライヒトフリートLeichtfried・ローデンLoden (オーストリア・チロル地方)
チロリアンジャケットとしてよく知られるローデンクロス。
ボイルド、つまり熱湯で茹でて茹でて縮ませてフェルト化させている織布です。
おなじみのローデングリーンの他、フラノに似た色合いのものもありますが、
フェルトなのでフラノほどの毛羽立ち感もなく、
また、見た目よりもずっと軽く仕上がるのも人気です。何しろ360gしかないんですから。
ジャケット参考価格69,000円~。
☆フォックスのフラノ Fox Brothers.Classic Flannel (英イングランド)
フランネル。我が国では、綿だとネルと言われるのに、ウールだとフラノと略される、不思議な言葉。
フラノといえば、これまた泣く子も黙る?、フォックスのフラノです。
私、思うに、特に、上から3つのグレーの杢の色出しは絶対に他所では出せない、
冷たさのないミネラルな色合い、ではないかと。
写真は370gのもの。ジャケット参考価格103,000円~。
ふうっ、泣く子も黙るで始め、再び泣く子も黙るで締めました。
こんな感じで原稿書きました。










