出来上がり紹介。百周年の葛利の見本反を使ったレディスのオーバーシャツのサンプル、オーダーシャツの仕上がり、などなど。

このあたりで、出来上がり紹介です。

まずはコレ。

これ、何かというと、レディスのサンプルです。
生地は、9月に出来上がる葛利のスーツ生地。N100+J50記念のダブルクロスのアレです。
詳しくは倶樂部余話第401話をご覧ください。
見本反ができたので、これで、レディスの新提案、ドロップショルダーシャツを作ってみました。
若干の修正点はあるものの、思っていたよりも軽くていい感じに出来上がりました。
9月に生地が仕上がったら、スーツ、トラウザーズ、メンズのオーバーシャツ、と合わせて、これも注文を承ります。
サイズの修正はもちろん、襟型も色々選べます。モデルになったうちのかみさんは襟なし(スタンドカラー)がいいみたいでした。
このサンプルはいつもおいておきますので、見たい人は是非ひと声かけてください。

で次はこれ。


これもシャツの工場で縫ってます、オーバーシャツなんですが、
こういうジャケットの襟型がシャツ工場でできるってのは画期的でして、
それで袖口もカフスを付けないで筒状に仕上げますと、
こういうジャケットが出来上がるわけです。
それでいて、価格は通常のシャツとおんなじでできる、という嬉しい話。
で、生地はというと、サマーウールのシャツ生地、しかもウォッシャブルなんです。
でイベント対象生地だったので、価格16,000円+税。えっ、と思いません?
夏用にほんとに軽く羽織れる簡単なジャケットが欲しい、というSさんのご要望にお応えしました。
せっかくなのでSさんご本人に試着してもらいました。
我ながら、良い提案ができたもんだと、えっへん、嬉しく思っています。

そう、ちょうど3000円offのイベントだったので、いい生地のシャツ仕上がりが多いですね。続けます。

高校の先生Iさん、新学期のスタートに。
左、トーマス・メイソンの濃いブルー無地のブロード。アリソデナサソなトーマス・メイソン、ですね。
右、カリビアンコットン・コールド120/2Gの新柄。超マイクロアーガイル模様のドビー織りです。
光沢感が出てますね。


Iさんのオーダーはおんなじようなのに一枚ずつ少しずつ違うという、発注者泣かせのオーダーです。
生地はすべてカリビアンコットンシルバー100/2Gの白ですが、3枚とも織り方が異なります。
で、衿型、カフス、ポケット、がこれまたそれぞれ異なります。
共通しているのは、ポケットの下の方に入るオフホワイトの数字の刺繍。ほとんど着てる人にだけしかわかんない、というストイックさ。


この方もイニシャルがIさん、東京在住の女性です。リモートでのご注文。
左2つ、衿ボタンのないバンドカラー。カリビアンコットンシルバー100/2Gで、淡グレーのマイクロヘリンボーン、と、サックスブルーのロイヤルオックス。
右はリバティプリントの新柄。こちらは衿ボタンのあるスタンドカラーです。


左は、レディスで、えっこれもIさんだな。毎年大好評のハードマンのアイリッシュリネン、今年の新色のグリーンを選んでもらいました。
右はメンズでMさん。いい糸のオックスフォードで普通のBDのシャツを、というご要望です。ポケ下に刺繍が入ってますが、個人情報の特定につながるので、画像を添えられませんでした。
このお二人は、何の関係もありません。たまたま同じ日に仕上がったので二枚を一緒に撮影したまでです。


Tさんの3枚オーダーは、先程のIさんとは違って、生地以外の仕様は3枚ともすべておんなじです。
生地もカリビアンコットンシルバー100/2Gで、ロイヤルオックスフォードの白、ツイルの白、色違いでツイルのパープル。


Sさんのご注文は、2枚で趣が異なります。
左、お仕事用に、カリビアンコットンシルバー100/2Gでのツイルでサックス。
右は、オフ用です。ハードマンのアイリッシュリネン、このサックスブルーは、定番のようですが意外にも新色です。ホリゾンタルカッタウェイの衿、着丈も短くし、裾出し時のアクセントとして、白の脇ピースもオプション付です。



こちらも2枚オーダーのMさん。2枚とも同じディテールですが、素材感が異なります。
左は、カリビアンコットンシルバー100/2Gのピケ織サックス、オーソドックスなお仕事着、というところです。
右は、多分クールビズ用なのでしょう、カリビアンコットンのゴールド120/2Gにリネン緯糸をブレンドした夏素材です。







 

 


入荷速報。お待たせしました。バラケ生地、届きました。インポートブランドのスーツやジャケットの値下げ生地のことです。

毎シーズンのお楽しみ会、みたいになっている、インポートブランドのスーツのバラケ生地、
今シーズン(2022SS)分が届きました。
写真の解像度を少し上げていますので、拡大して柄行きまでご覧いただけることと思います。

バラケ、つまり色柄揃えができずバラけてしまったものですので、在庫は少ないはずです。
御用の方はお早めのオファーをおすすめいたします。


伊エルメネジルド・ゼニア
☆☆☆…92,400円~。☆☆…85,800円~。(参考価格(シングル上下)、税込。以下同様です)


伊ロロ・ピアーナ ☆☆…85,800円~。


伊ロロ・ピアーナ ☆…78,100円~。


左端列の3つ、英ジョン・フォスター ☆☆…85,800円~。
その他、伊カノニコ ☆なし…70,400円

ね、えっ間違いじゃない、というプライス。
皆さんがバラケを待っているはずなのがとても良く理解できます。

ジャケットも少しですが入ってます。
左列、伊ロロ・ピアーナ
☆☆…61,600円~。(参考価格(シングルジャケット)、税込。以下同様)
☆…56,100円~。
右側が伊カノニコ
☆…56,100円~。☆なし…51,700円~。


入荷速報。英ハリソンズの春夏ジャケット生地インディゴINGIGOがリニュアル、新しいバンチが届きました。

ハリソンズのジャケット生地「INDIGO」が3年ぶりのリニュアルです。

今回は全29柄。おなじみの赤いバンチもこのようにとても薄いです。
メリノウール80%・リネン20%。230g(8oz)の春夏用の素材。
英国ウェスト・ヨークシャーのミルで織られています。

インディゴというから、藍染めの綿素材なのかと考えてしまいますが、
そうではなくて、ウールにリネンをブレンドして、
藍染めのような絣調の色合いを醸しているので、この名が付けられたようです。
ですので、藍染め的な色合いが多く入っています。

柄物もインディゴブルーを含んだチェックものなど数々、
無地の青系だけでもかなりの色数があります。

藍青系以外にも、英国のジャケットらしい、渋めの色合いがあります。

リネン20%ですが、意外にも麻っぽいシャリ感はあまり感じません。
おそらく触感よりも藍染的なかすれた色合いを出す目的でブレンドされているのかな、と思います。

通常設定価格は、79,000円~92,000円(税別)。
納期は約5週間。生地をその都度英国から空輸するので、普通より1週間余計に掛かります。

最後に、おまけ、です。
こういう実情をお話していいのかどうかわかりませんが、
生地屋さんによって、生地のバンチは受注の必需品ですから、
とっても大事なものなのですが、このバンチというもの、相当にコストがかかるのも事実です。
ですので、バンチの提供方法というのは生地屋さんによって色々工夫を凝らすものでして、
例えば、一冊いくらと有料にするところや、このバンチから必ず何着分はオーダーすることを確約させるところなど、問屋さんによっては、小売店に何かしらの負担を求めるところもあるのです。
そういう中ではうちの問屋さんは良心的な方でして、
新しいバンチ一冊の要望に対してまずあらかじめ最初に一着分の生地の購入が条件として付けられています。
今回のインディゴIndigoのバンチに対して、買付したのがこの生地です。

インディゴブルーの絣っぽい無地調のものです。
で、この色柄に限り、5,500円off(税込)にて承ります。
一着分2.0mだけですので、当然ですが、先着1名様限りです。
ブログ(クリップボード)を見た、とお申し出ください。

 

 


入荷再報。英国ハリソンズのSEA SHELL。まるでリネン100%、でもシワにならない、色も豊富、英国製。

昨年発売しまし た、英国ハリソンズのSEA SHELLをもう一度ここで紹介します。
この一年間でご注文いただいた製品の出来上がり写真も文末に載せます。
この春夏もきっと人気の生地となるはずです。



赤いバンチでおなじみハリソンズの新提案は、
SEA SHELL、貝殻の意味ですね。無地の26色です。
裏表紙には沖縄のお土産のようなカラフルな貝殻の写真があります。
360g/m(12.7オンス)、英国はヨークシャー、ハダースフィールド製、
組成、これが大事、書いてあるとおりに言うと、テリレン55%、リネン45%、です。
テリレンは英国の言い方で、日本で言うところのテトロンにあたり、洗濯表示ではポリエステルの表記になります。

まず杢糸(メランジ)の系統がこんな感じ。

リネンらしいミックスな色合いです。

そしてソリッド系がこういう色です。

紺系だけでも4色。色によってはウールやコットンのような色合いもあります。

最大の特徴は、シワにならないリネン、というところ。
でも触感はまるでリネン100% というのがすごい。
従来こういう機能性強調の素材はイタリア製に多くて、
リネン系の素材でもよく見かけますが、
みんなヨレヨレとコシもハリもない、いかにも化繊混じり、のものでしたが、
このSEA SHELLは、ハリもコシもしっかりとあるんですね。
ウェイトも約13オンスとそれなりにあるのに通気性はいいんです。
生地の耳には、誇らしげに、Harrisons Made in Huddersfield Englandの文字。
英国製ですから、イタリアのような2ply x 1plyじゃなくて、経糸緯糸ともに2ply同士というのも、このハリコシの良さに影響しているでしょう。これは嬉しいです。

そして豊富な色数。ご覧のとおり、麻らしいナチュラル系の色合いだけでなく、暖色系や暗色系もしっかりと揃ってます。

価格も魅力ですよ。
ジャケットで57,000円~69,000円(税別)と、ハリソンズのジャケット生地の中では一番手頃な価格です。

この一年の出来上がり、です。


ご注文、ありがとうございました。

 


ヨーツェンの2022年モデルの最新情報が入りましたので、早期予約会を始めます。1/7(金)より1/30(日)まで。

ヨーツェンの新しいサンプルが今日都内某所に届いたと連絡がありましたので、明日チェックに行きます。
企画資料はすでに手元に届いてますので、
あさって1/7(金)から、次年度の予約会を行ないます。
発注締切も例年どおり1月末なので、受付締切は1/30(日)といたします。

以下、昨年の原稿を元にしながら、新しい情報を書き加えていきます。

これも例年どおりですが、
予約価格は、一般的な販売価格の25%off,
予約金不要、入荷直後までのキャンセル可能、
静岡市の当店にてご来店にての予約を原則とし、
例外的に、過去にヨーツェン製品の購入経験のある方に限り、
メール等の来店以外の方法での予約も受付可能、といたします。






新商品はあんまり掲載できないのですが、
ご覧のように、男女ともベストがキーアイテムになります。
ダウンベストはここ数年間ずっと要望し続けていたアイテムなので、
これはいけるんじゃないか、とかなり期待しています。参考価格(メンズ)65,000円です。

しつこいようですが、大事なことなので、当店の「予約」についてお話しします。

当店でいう「予約」は、正式な契約書を交わすような売買契約ではありません。
手付け金も前金も全く不要ですし、商品入荷時直後まではキャンセルもできます。
小さな生地見本やサイズサンプル、写真などから判断して発注をする、というのは、
我々プロのバイヤーなら慣れていることですが、
一般のお客様にプロのバイヤーと同じだけの責任を持って下さい、とは言えません。
ですから、予約といっても、口約束の「仮予約」の扱いになります。

そういうとお客様は「じゃ気軽に頼んじゃおうかな」と思われるのかもしれませんが、
私たちの気持ちは逆に動きます。
「簡単にキャンセルをされないように確実な注文にならないと受け付け完了とはなりません」と。

私たちが「予約はご来店での受付が原則」とお願いしているのは以上のような理由によります。
静岡市という地方都市にありながらご来店をお願いするのは「なんて高慢な」と思われるかもしれませんが、
安易に注文を受けてしまって数ヶ月後にがっかりする思いをさせてしまうことになったのでは、忍びないものです。どうかご理解下さい。

それでも、「どうしても静岡まで行けないけれど予約を受けて欲しい」という問い合わせは毎年入ります。
そういう時は、ケース・バイ・ケースです。過去にすでにヨーツェン製品をお持ちである、などという方の場合には大体のご希望を受け入れています。ただ、特にレディスの場合、失礼なぐらいにしつこく体型のサイズをお聞きすることになる場合もあると思いますのでどうかそのつもりでいて下さい。
その他のご要望もどうぞお問い合わせ下さい。

予約には至らないけど話だけでも、という方も、大歓迎です。
いろんなご意見を集約して品揃えに活かしますので、なるべく多くのお客様から情報を集めたいのです。


今年のことは今年のうちに。出来上がり紹介、いろいろ。

今年最後の記事は10月から溜まっている出来上がりの紹介で締めましょう。

シャツから。

左。Mさんから、カリビアンコットンsilver100/2Gのシャンブレー白無地、
お仕事用の1枚、なんでもないシャツのようで、細い首に長い腕、更にいかり肩の補正、とオーダーでないとできない仕様です。
右、撮影クルーのHさん。黒の大きいギンガムもカリビアンコットンsilver100/2Gの生地。
衿はワイドでも一番ポイントの小さい、ショートワイドの選択です。

2枚ともIさんからのレディースのオーダー。
同じスタンドカラーのように見えますが、
左の白のシアサッカーは、新型のバンドカラーでスタンドカラーよりも低い台衿です。
右、リバティプリントはきのこの柄です。

レディス、Iさんからのご注文は、紺無地のビエラ(薄いネル)。
台衿とカフスの裏側にプリント柄の別布を施しました。

こっちもIさん、男性の別人物です。とろふわの生地がお好みで、
左、カリビアンコットンsilver100/2Gのドレスピンオックスのブルー。
右、伊アルビニのドビーストライプのブルー。どちらも控えめな光沢感があります。

2枚ともSさん。
左、伊トーマス・メーソンのギンガム、黒は意外に珍しい。Sさんはホリゾンタルワイドがお得意です。
右は、インディゴのバイオウォッシュ加工。newセミワイドのBD版。ボタンは色々考えた末に白にしました。大正解。

リンクルフリー・フェアに乗って、Iさん(これまた別人の元大学の先生、どうしてうちはIさんばかりなの?)。
グレーのツイル無地です。このくらい濃くないとちゃんとグレーに見えないんですね。


Sさんからリペアの依頼。衿とカフスの交換でクレリックシャツに再生です。
右、懐かしの黒ラベル。11年前に作ったシャツです。データが残っててよかった!

トラウザーズ。

どちらも鎌倉シャツさんのトラウザーズを取り寄せました。
左、Fさんからはネイビーの綿パン。今まで洗えなかったここの綿パンでしたが、今シーズンから洗い可となりました。
右、Mさんからグレーのウールトラウザーズ。冬物というにはちょっと薄手です。

スーツとジャケットです。

岐阜のHさん、勤務先の横浜との往復の途中に立ち寄っていただきました。
葛利毛織の定番サキソニー、青みのあるダークグレーの無地です。
細身の体型ゆえの悩みでお尻が貧素に見えないようにとアウトの1タックで仕上げます。


当社の顧問会計士Yセンセから決算時に呼び出されて、何事かと思ったら、スーツ2着のご注文でした。
左はハリソンズの夏物SeaShell。シワにならない麻、として好評のテンセル混リネン素材。
こういう素材はイタリアが得意でしたので英国製というのはチョット珍しいです。
右は、同じく英ハリソンズの秋物の定評素材、プルミエ・クリュ。
ワインの用語からなぞらえた仏語ですがれっきとした英国素材。11オンスの軽めの生地で
99%のS100’sウールに1%のカシミアを混ぜてます。
杢のブルーグレーで2インチ角のプロックチェック。


千葉県からやってきてくれたYさん。
何の変哲もないグレーのヘリンボーンに見えますが、
これこそ超ヘビー級18オンス(560g)、スコットランドのロバットツイード、
ブランドはPorter&Harding,商品名HARTWISTであります。
あまりの重さと緑系の色柄ばかりという偏りに従来はマニア受けの生地と考えられてきましたが、
昨年カラーリングがリニュアルされ、グレー系やブルー系が増えたことから、
ハリスツイードやドネガルツイードでは飽き足りない方々に少しずつ注文が入り始めました。
手で持てば確かに重たいですが、アルデックスの仕立てだと、肩ではなく首の後に服の重心が乗るので、
重さを感じずに着られます。


Sさんのご注文は、バラケ生地の中からのグッドチョイス。
伊ロロ・ピアーナの濃紺無地です。綾織なのに上品な光沢があり、
イタリア物らしい柔らかな印象があります。



スリーピースでのご注文は、Kさん。やはりバラケ生地の中から、
伊カノニコの2インチプロックの紺無地です。ダーツが入ってもチェックの柄合わせはバッチリ、
那須夢工房の制作です。

最後は靴です。
Sさんの就職祝いに叔父のKさんがプレゼント。靴とベルトのセット、2足です。

黒のダブルモンクはドレス仕様で革底に。
ベルトも30mmのドレスタイプ。

もう一足は少しカジュアルに。ダークグレーのベースにネイビーをコンビにしたサドルシューズ。
ラバーソールにスリットウェルトのダブル巻き。
グレーのベルトも35mmの太いタイプにしました。
今日の最終便で4点がようやく全て揃いまして、一安心です。
この2足をいろいろと違えたKさんの思いがおいごさんのSさんに伝わりますように。

さて、明日は、アポのある一組だけをお相手したら、13時で閉めますので、
実質年内の仕事はほぼ今日ここまで。
今日は私の誕生日、今夜は帰省している孫にお祝いしてもらいます。

新年は1/4(火)より営業します。
良いお年をお迎えください。