スーツを作ろう!!葛利毛織のビンテージ服地、秋冬物約50着分を展示。生地だけ先に押さえよう。

8月に入ると、オーダーの世界はもう秋冬物に変わります。

今年も、葛利毛織さんから、選りすぐりの服地を約50着分、送ってもらいました。

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旧式のションヘル織機で織られる葛利毛織の服地、
近頃はビンテージ服地とも呼ばれています。
(実際のビンテージものではありません。ビンテージな生地と違わぬ風合いを持つ、
という意味でしょう。)

同じ糸を使っても、最新鋭の織機で超高速であっという間に織ってしまうのと、
ローテクのションヘルで超スローにのんびりと織り上げるのでは、
これが同じ原料か、と思うほどに風合いに違いが出るものなんです。

今回の入荷は、大別すると3つのランクになります。さしずめ、松竹梅といったところ。

松…Super140’s クラス(カシミア混を含む) 一着分の生地のみの価格\39,900
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竹…Super120’s クラス(カシミア混やシルク混を含む) 同\29,925
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梅…Super80’s-100’s クラス(ほぼ全品タスマニアウール使い) 同\23,100
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オマケ…それとジャケット生地が10着分ほど、\14,700の均一価格。
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パンチ見本から買うよりも多少割安な価格となっていますが、
むしろアドバンテージは、実際に大きな生地で選べる、という点にあるのでしょう。
遠慮なく生地をバンバン広げてもらって、選んでほしいです。 

生地代と仕立て代を分けて価格表示するのもこのイベントだけのやり方です。
先に生地だけを押さえておいて、涼しくなってから好きな時期に仕立てにかかる、という、
二段階発注方式も好評です。


予約受付開始。開店25周年記念・オリジナル生地「プロ棋士たちのスーツ」限定15着です。

最新更新の倶樂部余話No.285に書きましたとおり、
開店25周年を記念して、オリジナルのスーツ生地を作っています。
題して「プロ棋士たちのスーツ」
長時間の正座にも耐え、シワの復元力もあり、
それでいて激しい動きにも対応でき、
長い季節に使える、という服地です。

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倶樂部余話の方には、感覚的な書き方をしたので、
ここではもう少しデータとしてお話しします。

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「平織りの430g」。
近いというと、英国製のドーメルのスポーテックス(380g)やハリソンズのフロンティア(300g)が生地の感じとしては類似です。
430gですから、グラムの目方だけ見るとこの二つの英国素材よりも重たいのに、
仕上がりはふんわりとしています。
これは葛利毛織独特のションヘル織機によるところが大きいです。
ゆっくりと空気を含ませながら織られているからでしょう。
当然ナチュラルなストレッチ感にも優れています。

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糸も特殊です。英国羊毛を50%入れているので、コシとハリがあり、
最初は堅めでも使ううちに馴染んでいく、という、
英国服地の特徴である、いわゆる「つぼみ」の状態の糸です。
この1/40の原糸を2本引き揃えて、その引き揃えた糸をまた2本撚ることで一本の糸にして、
ションヘルの織りにかけるという、手間暇かけた素材であります。

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濃紺と明るい紺の2色使いの細かい格子織りで、ピンヘッドともいわれる柄です。

想定している着用期間は、真夏と真冬を除いた9ヶ月。
いい意味で、季節感を打ち消した、というのも特徴です。

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普通こういう別注生地は二反(約100m)から、というのが常識なのですが、
葛利さんにわがままをお願いして、一反(50m)で受けてもらいました。
ですので、スーツにすると約15着ということになります。

価格です。
価格は、ファクトリーによっても、あるいはスリーピースにするとかダブルブレストにする、
など、仕様によっても異なりますので、参考価格として提示します。
クオリティライン・シングル上下で、99,750(税込)です。
(クラシックラインは+26,250、バジェットラインはマイナス19,950です。
ファクトリーの違いについてはこちらをご覧下さい。)

生地が仕上がるのは8月末から9月初め頃の予定です。
そこから仕立てに掛かりますので、
出来上がるのは早くても9月下旬、お彼岸過ぎの頃だと思っていて下さい。

現時点では、現物の生地がまだ仕上がっていないので、
仮予約を受け付けるという段階です。
お申し込みに際しては、用尺を算定する必要がありますので、
シングルブレストかダブルブレストか、
上下のみ(ツーピース)か三揃え(スリーピース)かスペアパンツ付きなのか、など、
最低限のことだけはあらかじめ決めてからお申し込み下さい。


春のオプションフェア④「スーツを作ろう!」有料オプションが3つまで無料に。男女とも。4月30日(月・祝振)まで。

スーツのオーダーもジャケットと同様にオプション3つまで無料です。

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メンズは、バジェットラインでのメイクのうち、\3,150以下のオプションに限ります。
(クオリティライン、クラシックラインは対象外です)
レディスも、\3,150以下のオプションが対象です。

スーツのオプション、上着はジャケットと重複しますが、改めて列挙しましょう。

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入荷速報。ドーメル、この春夏のイチ押しスーツ生地、トロピカル・アマデウス。英国服地伝統の経緯双糸のsuper100’sに、仏国らしいマッターホルン・ブルーの色出しがウリです。

仏の感度で作る英国服地、の、ドーメル。
この春夏イチ押しの服地、トロピカル・アマデウスの新しいバンチ(全71柄)が届きました。

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「super100’s」の表記ですが、英国服地らしく経緯双糸使いにて織っているので、
イタリアの双糸単糸織りに比べて、テレンとせずに腰があります。
そして、ドーメルらしい艶も、もちろん、のこと、です。

ドーメルは今年、創業170周年、日本上陸100周年、ということで、
いろんなイベントを考えていますが、その一つのテーマカラーとして、
マッターホルン・ブルー、という色の提案をしています。
ですので、このトロピカル・アマデウスの中にも、
このマッターホルン・ブルーがいろんな柄で取り上げられています。

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スーツ仕上がり参考価格は、
バジェット\90,300~、クオリティ\113,400、クラシック\136,500、です。

また、170周年の震災復興協力イベント「KIBOU311」として、
南三陸町に桜の木をこの春に170本(来年は171本)植える計画をしていて、
世界中のトロピカル・アマデウスの売上の一部がそのチャリティに回されます。
詳しくはプレスリリースをご覧下さい。


スーツの生地、春夏バージョンのご紹介が整いました。着分、スワッチ、ともにニッポンが誇る葛利毛織の自信作です。

春夏のスーツ生地の用意ができました。

旧式ションヘル織機でゆっくりと丁寧に織り上げるビンテージ服地を誇る葛利毛織さんから
約50着分が届き、見分けて並べました。

高い方から、ABCに分けて紹介します。
(価格は、生地代(税込)と、仕立て代を合計したトータルの価格(税込)のふたつを記します。
なお、スーツのファクトリーの違い(バジェット・ライン、クオリティ・ライン、クラシック・ライン)については、
こちらをご参照下さい。)

着分生地に関しては、現品限りの特別価格です。
まず生地だけ押さえておいて、もう少し暖かくなってから仕立てに掛かる、という、
二段階分離方式も可能です。

Aランク(Super140’sクラス)
着分生地代39,900

(スーツ上下仕上がり価格、バジェット73,500~、クオリティ96,600~、クラシック122,850)

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☆Super140’s ウール100%
繊維長16.5ミクロンの羊毛を織り上げた、繊細で高級感の漂う服地です。

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☆経(タテ)糸・Super140’s ウール100% x 緯(ヨコ)糸・キッドモヘア100%
経糸にsuper140ウール、緯糸はキッドモヘア100%、
世界でも織られることの少なくなった服地です。

Bランク(Super120’sクラス)
着分生地代29,925
(スーツ上下仕上がり価格、バジェット63,525~、クオリティ86,625~、クラシック112,875)

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☆Super120’sウール78% + キッドモヘア22%
経糸にsuper120ウール、緯糸に英式フライヤーで紡出したキッドモヘアを配合。
光沢感があります。

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☆Super120’sウール80% + シルク20%
Super120のウールにシルクを混入し、自然の光沢を出しました。

Cランク(Super100’sクラス)
着分生地代23,200
(スーツ上下仕上がり価格、バジェット56,700~、クオリティ79,800~、クラシック106,050)

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☆Super100’sタスマニアウール100%
2/78~2/72の豪州タスマニア島の原料を主体に使用しています。

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☆Super100’s タスマニアウール + キッドモヘア経(タテ)40%
英式フライヤー紡出のサマーキッドモヘアを配合、
スキッとした着心地と光沢感が特徴で、ハイレベルな技術を要します。

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☆トラベラー(ポリエステル20%)
ポリエステルの芯にウールを巻いたハイテクな精紡交撚糸。
柔らかなタッチとポリの強さを兼ね備えています。シワになりにくく、旅行着にお勧めです。

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着分だけでなく、今年の最新生地が揃ったパンチも届きました。

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いつものように、それを分解して当店なりに並べ替えをしたパネルで
分かりやすく展示しました。

同時に、英国生地のハリソンズやドーメルも春夏版に切り替えました。
店内の展示はこんな感じになっています。

まだまだ寒い時期ですが、まもなく3月になれば、春の陽気が時折訪れる日もやって来ます。
昨年の日本は3月の中旬下旬の商いがほとんどできない状態でしたし、
今年もまた夏になればスーパークールビズやらで「装う楽しみ」が追いやられる季節がやってくることでしょう。
つまり、春夏のスーツを楽しめる期間は案外と短い、ということ。
だからこそ、しっかりとその期間を楽しみたいモンじゃないか、と思うのです。


スーツとブレザーの新しいサンプルができました。

採寸用の試着ゲージサンプルに何着か新たに作る必要があったので、
こんな感じで作ってみました。

☆グレンチェックのスーツ

グレンチェックは、別名「プリンス・オブ・ウェールズ」とも呼ばれるように、
ウィンザー公(エドワード8世)が好んだ柄。
映画「英国王のスピーチ」でも
彼はホントにこの手のチェック柄ばかり着ていましたね。
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この生地は、パープルのラインがアクセント色で入れられています。
久しぶりにこういうクラシックな雰囲気はいいですね。

フタ付きのウォッチポケットなど、ブリティッシュモチーフのディテールでまとめました。
ただ、サイドベンツにノータック、と、今らしさも含めています。

☆ボールドストライプの明紺スーツ

お客様が生地見本を見ながらよく悩むのが、
紺色の明るさ、と、ストライプの強さ、です。
確かに小さい生地見本では想像つきにくいものです。
なので、一番参考にしてもらえるだろう、と思って、
明るめの紺で強いストライプのスーツを作ってみました。
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3つポタンの上2つ掛け、少し広めのラベル幅、スラントポケット、と、
貫禄を付けました。

☆アイビーなネイビーブレザー

3つボタン段返り、胸パッチ、腰パッチ&フラップのポケット、
8mmステッチ、フックベント、胸ダーツなし、と、
アイビーなブレザーをやってみたくて作りました。
ただ、ダーツなしでもウェストの絞りは今風にしっかりと入れてます。

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TAKE IVYが復刻されるような時代ですから、
たまには、こんなのもいいんじゃないかと思いまして。

これらは、見本として作ったものですので、売り物ではありませんが、
同じものを、というご注文には応じられます。